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中国現法はマーケティングができない ー夜の街編 その1ー

第3章を書くといいつつ、プライベートや仕事が立て込んで更新できていませんでした。

今日はリハビリがてら日本人社長の夜の街での「活動」について書きたいと思います。主にカラオケ(≒キャバクラ+α?)のお話です。

これまでのお話は以下のURLからご覧ください。これまでのお話は読まなくてもたぶん今回のお話には影響ありません(たぶん)。

〜夜、カラオケにて〜

日本人社長「君は大学時代に中国に留学してたんだって?今日は学生はなかなか見られない夜の世界を見せてあげるよ。」
若手駐在員「カラオケ、一回来てみたかったのでたのしみです!」
日本人社長「ほら、じゃあ早速だけど女の子を指名して。」
若手駐在員「…女の子は4人だけですか?上海に行った友達は40〜50人の女性から指名するって聞きましたけど…」
日本人社長「青島ではお客さんより女の子のほうが多ければ良いほうだ。早く選びなさい。」
若手駐在員「そうなんですね。社長は選ばなくていいんですか?」
日本人社長「私はもう決まってるからいいんだ。ほら、はやく。」
若手駐在員「わかりました。じゃあ、その背の高い子で!」
日本人社長「おっ、その子にするか。その子はA社の社長のお気に入りだから、A社の社長には指名したことを言わないでおくんだぞ。」

〜また別の夜、日本料理屋にて〜

若手駐在員「この間、初めてカラオケに行ったんだけど、あれ何が楽しいの?」
他社若手駐在員「あれな。あれはさ、おじさんの遊びだよな。まずさ、我々はまだ20代だから、合コンに行けば普通に同年代の女の子と話せるしデートも行けるしな。そりゃおじさんは若い女の子と話しできてちやほやされるのは楽しいだろうけど、俺たちからしたら全然楽しくないよな。」
若手駐在員「そうなんだよね。しかもおっさんのうまくもない知らない歌聴いて『うまーい!!うまい人イッキー!!』とかやってて全然乗れないんだよな。」
他社若手駐在員「それな。でも俺たちが行くと若いから、お店の女の子たちにめちゃくちゃモテるんだよな。」
若手駐在員「ははは、それはそうなんだよね。ただそれはそれで困りものでさ、うちの社長中国語も話せないでしょ?社長が指名してる女の子はあんまり日本語が得意じゃないから、社長と話すときはつまんなそうにしてて、俺にばっかり話しかけてくるから気まずくてさ。」
他社若手駐在員「そうそう、この間日本から出張者が来たからカラオケに連れてったんだけど、出張者はおじさんだし、そもそも今回だけしか来ない客じゃない?女の子たちおじさんに全然興味持たずにほとんど無視で、俺にばっかり話しかけてきて『頼むからおじさんたちをもてなしてくれ!』って思ったもんな。」
若手駐在員「それはつらいね。まあ、お店の女の子からすれば今後も来そうな客とたくさん話してまた来てほしいのはわかるんだけど、ねえ。でもさ、上海とかでは『月2万元(*今のレートで38万円くらい)払ってお店の女の子を彼女にしてる』みたいな話があるみたいだけど、青島にもあるの?」
他社若手駐在員「うーん、ゼロではないかな?ただ、青島なんてコミュニティがめちゃくちゃ狭いから、相当隠れてやらないとだね。お店の女の子の話じゃないけど、以前駐在してた知り合いは結婚してたのに『結婚してない』って言っていろんなコミュニティに参加してたのよ。そしたら後々奥さんが来たとき青島の日本人コミュニティの中でめちゃくちゃ気まずいことになったし、当然奥さんにもその話が伝わって、結局離婚してたからね。」
若手駐在員「まあ青島ではねえ。でも、そういう意味ではうちの社長とか大丈夫かな?初めての単身赴任だし、昼は仕事が大変だからストレスたまってるし…」
他社若手駐在員「あー…日本人社長さん?そういえばあんまり日本人が行かないイタリアンにたまたま行ったら、若い女の子と二人でごはん食べてたような気がするな…」
若手駐在員「まじか…」

~また別の夜、日式カラオケにて~

日本人社長「あ~~~君は~~、変わったーーーーーー!!」
小姐A(シャオジエ、ここでは特にカラオケで接客する女の子のこと)「うまーい!!うまい人イッキー!!」
若手駐在員「いえーい!がんべーい!!(*中国語で乾杯の意味)…でも大変だね、うちの社長なんて全然歌うまくないじゃん。」
小姐B「はは、しかたないよ。タイミング見てガンガン飲ませて単価上げないと、私たちのお給料も上がらないから。」
若手駐在員「あーそういうこと?確かに青島ではチップを払わないもんね。そうすると飲み放題の客とかは迷惑だよね。」
小姐B「うん、正直飲み放題のときは手ぬいてる。今度よく見てて。飲み放題のときは私たち全然お酒飲まないから。そういうルールになってるし。でも普通にお酒を頼むときは、ボトルを飲み干せば売上につながるから、お客さんに許可をもらってだけどガンガン飲むよ。そのほうがその日の日当は絶対多いから。」
若手駐在員「そっか、じゃあいつも飲み放題にしたがるうちの社長は全然いい客じゃないってことだな。」
小姐B「ははは、まあそうだね。まあお酒飲まなくていいから楽だけどね。絶対本人に言ったらだめだよ。」

~次の日、工場にて~

日本人社長「いやー昨日は飲みすぎたな。やっぱりカラオケの酒は絶対よくない酒混ぜてるな。」
若手駐在員「まあ、ちゃんといいちこのボトル持ってきて目の前で開けてましたし、それが質の悪い模造品だったらそれ作るコストのほうが高そうな気がしますが、どうなんですかね。」
日本人社長「いや、絶対何か混ぜてるって。しかもなんかあいつら接客悪くないか?」
若手駐在員「いやあ、飲み放題の客はあんまりいい客じゃないみたいですよ。」
日本人社長「昨日は飲み放題じゃなかったじゃん。そのかわり女の子たちには全然飲ませなかったけどな。あいつらに飲ませたらガンガン飲んでどんどん高くなるから、絶対飲ませたくない。」
若手駐在員「(けちくさいなあ、遊ぶときくらいバーンと金払えよ…)まあそうですね。まあでも社長がいつも指名する子は愛想いいですよね。」
日本人社長「うん、まあそうだな。」

~週末、街中にて~

若手駐在員「あー暇だし新しいiPhoneでも見に行くか。このへんはあんまり日本人が来ないとこだよな…ん?あれ社長じゃない?なんか見たことある若い女の子と一緒にいるけど…」

日本人社長「今日この後どうする?俺の家来る?」
小姐A「今日はおばあちゃんとごはんあるからいけない。」
日本人社長「この間もおばあちゃんとごはん食べてたけど、おばあちゃんと仲いいね。」
小姐A「20時には終わるから、そのあとお店に来て。お店で会いたいな。」
日本人社長「またお店かあ、わかったよ。あとで行くよ。」

若手駐在員「あれって絶対お店の女の子だよな…」

~別の夜、カラオケにて~

若手駐在員「この間社長と小姐Aが街で歩いてるの見かけたんだけど…」
小姐B「ああ、そうみたいだね。」
若手駐在員「え、何?付き合ってるの?」
小姐B「うーん、付き合ってるっていうのが何かわからないけど、社長さんから毎月お金もらってるみたいだよ」
若手駐在員「マジで?月2万元?」
小姐B「月2万元ももらってないよ、だったらもっと仲良くしてるはず。5,000元くらいじゃない?家に来てって言われるときは毎回『おばあちゃんとごはんに行く』とか『姪っ子の世話しなきゃいけない』とか言って断って、会う頻度もコントロールしてるらしいよ。」
若手駐在員「え、じゃあなんのためにお金払ってんの?」
小姐B「『彼女っぽく振舞ってくれる代』かな?まあ、社長さんはたまたま『いつも用事があるんだ』って思ってるかもしれないけど、まあ実際それ以上に進むにはもっとお金払わなきゃだめだろうね。」
若手駐在員「そうなんだ。」
日本人社長「よーし、布施明歌うぞー!」
若手駐在員「(またはじまったよ…)よ!待ってました!」

~週末、日本人街から離れた韓国料理屋にて~

日本人社長「いやー、ここは日本人もいないし、ごはんもおいしいな。」
小姐A「あのさ、話があるんだけど。」
日本人社長「ん?どうした?」
小姐A「実は、おばあちゃんが病気になっちゃって…」
日本人社長「そうなんだ、それは大変だね。」
小姐A「それでさ、おばあちゃんの入院のためにお金が必要で…」

おわりに

今回も、中国に駐在する駐在員からすると「あるある」なことばかりを詰め込んでみました。
会社も赤字になってしまった日本人社長、付き合ってる(?)女の子もおばあちゃんが病気になってしまい、公私ともにこれからさらに大変になっていきそうです。

仕事も落ち着いたのでもう少し投稿を増やしていきたいと思います。

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