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戦う映画「LFG-モノ言うチャンピオンたち」を観てワールドカップモード先取りしませんか?
今年もこのイベントがやってまいりました。
サッカー映画とカルチャーの祭典、ヨコハマ・フットボール映画祭がが6月17日から23日まで催されます。
今年は女子ワールドカップがオーストラリア・ニュージーランドで開催されることもあり、それを意識したキービジュアルとなっていて、ポップな印象です。可愛い!
下記7作品が上映されます。
・LFG-モノ言うチャンピオンたち-
・I AM ZLATAN / ズラタン・イブラヒモビッチ
・バック・トゥ・マラカナン
・Beyond Together横浜F・マリノス クラブ創設30周年記念ドキュメンタリー
・ケイコ 目を澄ませて
・ある日突然に
・ザ・ロングウォーク-トラウマと贖罪-
どの作品も魅力的で甲乙付け難いです。全部レビューしたいところですが、さすがに時間が足りません。
ここはやはり「キービジュアルにもなっている女子サッカーが題材のものにしよう」そう思ってLFG-モノ言うチャンピオンたち-に決めました。
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そこを仲間たちと一緒に勝ち取るという感じ。かっこいい。ロゴだけがカラフルで選手たちはモノクロなのも何か隠喩を秘めていそう。
【あらすじ】
アメリカ女子サッカー代表はワールドカップ、オリンピックそれぞれ 4 回優勝の最強チーム。
男子代表にはない偉業を達成している彼女たちの待遇は、どうして彼らより低いのか!?
ミーガン・ラピノー を筆頭に「イコールペイ」を求めて立ち上がったアメリカ女子代表。
2019 年女子 W 杯優勝の裏で起こっていたピッチ外の闘いに迫る!
正直男子サッカーと女子サッカーの待遇が違うのは当然だと心の中で思っていました。
当然というのは語弊があるかもしれません。
しかし、市場の大きさも違うし、各種放映権料も全然違います。
だから、支払われる給料が違うのは仕方がないことなのではないかというロジックです。
ただ、ここで描かれていたのは想像以上に過酷なアメリカ女子サッカー選手の姿でした。
歯を食いしばって、ものすごい重圧に耐えながら世界を制しても、待っているのは貧しい生活です。
最高の栄光を手にしていても、生活はやっとのことで送れるのが現実となると、夢がありません。
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そんな中で立ち上がったのがラピノー選手です。
ちなみにラピノー選手を知らない人にどんな選手かどう伝えたらいいか。私の中で考えてみました。
日本人にとって一番わかりやすく例えるなら、アメリカ版澤穂希さんといった感じでしょうか?
ワールドカップの優勝に貢献し、FIFA最優秀選手賞にも輝いています。
回数は澤さんよりも上でワールドカップの得点王にもなっているので、澤さんの上位互換と言っても過言ではありません。
Googleで「ラピノー」と検索するとプレーの3D映像が360度で見ることができます。
リフティング
ドリブル
フリーキック
そんな選手がイコールペイを求めて立ち上がったのがこの映画です。
ネタバレにならない程度に、映画タイトル「LFG」にちなんだキーワードでこの映画の魅力を紹介していきます。
※LFGが本当は何の略なのか?は気になった方はぜひこの後の予告編を見てみてください。
▪️L: Lawsuit(訴訟)
私のイメージの中で、アメリカは訴訟大国です。
実際に調べてみると対日本比でこのような数字が出てきました。
人口10万人当たりの訴訟件数は日本が651件、米国が3,095件
この報告によれば、人口比の訴訟件数は米国が日本の4.7倍ということになります。私のイメージはやはり間違っていませんでした。
記憶の底を辿ると、エリン・ブロコビッチというジュリアロバーツさん主演の映画を思い出します。
大企業の水質汚染に対する史上最大級の集団訴訟に勝利した実在の人物を描いたこの作品。LFGと照らし合わせるとこんな感じです。
訴える相手:大企業 アメリカサッカー連盟
訴える内容:水質汚染 賃金の不平等是正(イコールペイ)
主人公:ワーキングプア子連れ女性 アメリカサッカー女子代表
日本よりも訴える・訴えられるハードルは低いとはいえ、なかなか大変な戦いです。
作中で弁護士が「勝てると思っているから訴訟を担当している」と言ってました。
私はその一言はリップサービスで、国民の代表、世界チャンピオンの女子サッカー選手たちが立ち上がっているからだと少し穿った見方で見ていました。
2018年のサッカー男子ワールドカップの優勝賞金は約 430億円だったのに対し、20019年のサッカー女子ワールドカップの優勝賞金は約32億 5千万円にとどまっています。
10倍以上離れているのが現実なのです。そこに対してイコールペイを求めに行ったラピノーを筆頭とするアメリカ女子サッカー代表選手たちが立ち向かう壁の大きさがわかると思います。
ただ、調べるまで知らなかったのですが、テニスにおいては2007年のウインブルドン以来、テニスの4大大会での優勝賞金の男女格差がなくなりました。
そういった前例も含めて、勝機を見出しての戦いだったのかもしれません。
※結果は映画を見てのお楽しみ!
▪️F: Fearess (恐れ知らず)
「サッカー界で起こったビックニュース、意外と世間には知られていない」
私の中でのあるあるなのですが、この件は違います。
USAのチャントのリズムで「イコール・ペイ」とコールするムーブメントなどスタジアム内にとどまらず、米ABCテレビの番組「グッド・モーニング・アメリカ(Good Morning America)」に出演したり、さまざまな有名誌にも取り上げられたり、大きな波となって1つの力になっているのです。
ラピノー選手とトランプ大統領とのやり合いも話題になりました。
ラピノー選手は権力も怯まない、自分が正しいと思ったことは主張する選手です。
最初は女子サッカー代表選手だけが灯した消えそうな小さな光でしたが、試合結果や各種メディアを通して大きなムーブメントに変えていきます。
声が大きいだけに敵も多いと聞きますが、同じくらい、いやそれ以上の熱狂的な支援者もいることでしょう。
アメリカ女子代表は世界最強のチームと言っても過言ではありません。
W杯を4回優勝し、オリンピックの金メダルも4回も獲得しています。
(余談ですが、アメリカ代表が唯一決勝で敗北を喫したのが2011年のドイツW杯の日本代表に対して、というのは誇らしい限りです)
それに対して男子代表は、第1回のウルグアイ大会こそ3位でしたが、以降は2002年日韓W杯のベスト8が最高。他の大会ではグループリーグ敗退か、ベスト16にとどまっています。
私がカタールワールドカップで観たアメリカ代表もオランダ代表を前にベスト16で敗退しました。
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女子は優勝経験あり、男子はグループリーグ敗退もしくはベスト16止まり。
あれ?日本代表と近い匂いがします笑
自分たちが勝ち得た確固たる実績をもとに、恐れ知らずで国家権力に立ち向かい、おかしいことはおかしいと立ち向かう姿はかっこいいです。勇気を与えてくれます。
彼女たちは自分たちのためだけでなく、後に続くサッカー少女たちのためにも戦っていました。
アメリカでは女子サッカーはとても人気のあるスポーツです。
不当な給料、待遇ではサッカー選手をめざす子どもたちも報われません。
自分たちの苦しみを、未来への投資と考えていました。
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▪️G: Good Oppotunity(好機)
冒頭にも書きましたけど、今年は女子ワールドカップが開催されます。
この映画を見て、アメリカ代表の選手たちが今までの理不尽とどう戦ったか知ることでより面白く大会を見ることができるかもしれません。
残念ながら、開幕まで2ヶ月をきっているのにまだ日本国内の放映は決まっていないのが現状です。
世の中も、サッカー好きの中でさえも、7月から女子ワールドカップが始まることはあまり認知されていないな、という体感があります。
ただ、2019年のラグビーワールドカップだって、2022年のサッカーワールドカップだって始まる前はさほど盛り上がっていませんでした。
日本代表の躍進とともに、大きなムーブメントとなり、みんなが注目するようになったのは記憶に新しいです。
今日本代表だけでなく、アメリカ代表に注目しておけば「先取り」できます。
ぜひこの機会にLFGを見て、女子サッカーに注目してみませんか?
チャンスは今です!
【予告編はこちら】
かっこいい!字幕がついているのでわかりやすいです。
ヨコハマ・フットボール映画祭では、映画を観られるだけではなく、イベントも開催されます。
上映スケジュール
6/17(土) 19:10-21:27
ゲスト:髙田春奈(WEリーグチェア)、能條桃子(NO YOUTH NO JAPAN代表理事/FIFTYS PROJECT代表)、石井和裕(WE Love女子サッカーマガジン主筆)
6/22(木) 20:00-
シネマ・ジャック&ベティにて追っかけ上映
チケット購入はこちら!
私も会場へ足を運びたいな、と思っています。
そして、私は初戦のみですが、弾丸で女子サッカーワールドカップに現地参戦予定です。待っててニュージーランド!
うっかり行きたいな、と思ったそこのあなた!現地参戦仲間もお待ちしています。(航空券高いですが。。。)
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