歌姫のドタキャンでまだ観ぬ聖地ウェンブリー。代打、ウィンブルドン
最近こんなニュースを目にしました。
私が愛してやまない歌姫ADELE(アデル)のニュースです。
スモーキーな唯一無二の歌声。心揺さぶられます。
今となっては年齢が少しずつ追いついてきていますが、デビューアルバムの「19」の時なんて、この歌声、哀愁感をティーンで出せるなんて信じられない、と思いました。
「19」が出されたのは、2008年。もう12年も前のことです。だけど、今聴いても全然古く感じません。
そんなADELEが久しぶりにメディアに登場したのが、冒頭の45キロ減量のニュース。すごい。確かにグラマラスな体型でしたが、小柄な女性1人分くらいの体重が減ったって。
Wikipediaによると175cmらしいので、元の体重が結構あったんでしょうね。
ここ最近のおこもり生活で、体重が右肩上がり傾向にある私からすると羨ましさと尊敬の念しか出てきません。
頑張ったんだな、ADELE。
そんな彼女のライブを観るため、私は、2017年の夏、ロンドンのヒースロー空港に降り立ちました。
なぜ、わざわざロンドンまで行ったのか?その答えは、彼女がこのワールドツアーを機に引退するかもしれない、という噂があったからです。
引退するする詐欺で、ちっともしないじゃないか!そういうことになっても、笑い話になりますが、もし本当に引退してしまったら……。
彼女の生の歌声を一度も聞かずにいるなんて考えられない!そう思って、ロンドンの4公演のうち、ファイナルのチケットを取って日本を飛び出したのです。
私の所属している会社は、夏季休暇を6月〜9月の間に自由に取っていいシステムになっています。2017年の夏季休暇はADELEに捧げました。
友人は時間優先で、直行便だったのですが、私は節約してカタール航空の経由便。
到着時間は似たような時間帯だったのですが、ターミナルが違うので、空港から市街へ向かうヒースローエクスプレスで待ち合わせをすることにしていました。
空港に降りたって入国審査の列に並んでいたときに、目に入ったのが信じられないニュース。
「ADELE、ウェンブリー・スタジアム最終2公演をキャンセル」
人間ってあまりにも悲しくて、どうしていいかわからない時ってつい笑っちゃうものなんですね。
合流する予定の友人にLINEしながら、乾いた笑いが止まらなかったことを昨日のように覚えています。
I’m sorry. I love you I’m so sorry. Please forgive me x
ADELEが発信したメッセージのラストはこの言葉で締めくくられていました。
謝られても、こっちはFar Eastの日本から来たんだけど……。とちょっと不満爆発しそうでした。正直なところ。
でも「本当にごめんなさい、どうか許して」と言われると、本人だって苦渋の決断だったに違いないと怒りの矛先をどこに持っていっていいかわからなくなります。
そこから、彼女は深い海に潜ったように活動を休止。一度も大勢の観客の前では、公演をしていません。
今年アルバムを出すという噂があったのですが、それも新型コロナウイルスによる影響によって立ち消えたという話もあります。
音楽ではなく、ダイエット成功のニュースであっても、彼女が元気そうで、かつ音楽活動に励んで新譜が聞けそうな雰囲気というだけでファンとしては嬉しいものです。
ということで、幻のADELEのワールドツアーファイナル。
サッカーの聖地、ウェンブリースタジアムで開催される予定でした。
STAY HOMEで、掃除をしていたら出てきたチケット。もちろんもぎられる前の状態です。
これを見つけた瞬間にADELEとウェンブリーのことを書いておこうと思いました。
ロンドンには何度も行っているし、サッカーも何度も観ているのですが、まだウェンブリーには行ったことがありません。
この時、ADELEを観ることがもちろん主目的でしたが、ついに聖地に足を踏み入れるというのも副次的な目的でした。
私は、いつになったらウェンブリーに行けるのでしょう。
代わりと言ってはなんですが、ADELEとウェンブリーが空けた心の寂しさを埋めるかのように、思いっきりロンドンを楽しんだ旅となりました。
シティフェスでGREENDAYのライブ見たり、
スカイガーデンで朝ヨガしたり、
横浜Fマリノスも応援で使っている民衆の歌でおなじみ、Les Misérables(レ•ミゼラブル)を観に行ったり、
ロンドンバスに乗ってアフタヌーンティしたり、
お買い物したり、
ADELEのことも、ウェンブリーのことも忘れてませんか?と自分でもツッコミたくなるくらいの満喫っぷり。
これだけでも、相当楽しかったのですが、一番楽しかったのは、ウインブルドンに行き、全英オープンを観たことでした。
全豪オープンを、アジアカップのついでに観ていたので、人生で2度目のグランドスラム観戦。
未だにテニスのルールさえよくわかっていないのに、贅沢の極みです。
ちなみに、全英はユニフォームが白色縛りということくらいは知っていましたが、この特長的な緑色と紫色のロゴが素敵だということは知りませんでした。
うっかりグッズをたくさん買ってしまうくらいには魅了されました。
全豪オープンはすぐにさくっとチケットを当日買うことができたのですが、全英オープンは違います。
当日券を買うための列に並ぶのですが、始発近い電車で行って、6時間近く並んでからの入場でした。
正直なところ、並んでいる時は結構辛いな、と思っていたのですが、入った瞬間に全て報われた気がしました。
それくらい会場に活気と楽しさが溢れていました。
ルールがわからなくても、世界的な競技のお祭りは楽しいものだということを全豪オープンと全英オープンは教えてくれました。
サッカーがわからない初心者にとっても、W杯やオリンピックを楽しんでもらいたいな、と自分が初心者の立場に立つと強く思います。
全豪に続き、錦織圭選手を観ることができました。
試合は残念ながら、チケットがなかったので見れなかったのですが、ちょうど出てくるところに遭遇。
老若男女、国籍問わず、人気者でした。
そして、大坂なおみ選手。
翌年の2018年は全米オープンを制しているので、ブレイク前夜というところでしょうか?
錦織選手ほどSPがついておらず、移動中に話かけられるタイミングがあったので、「お疲れ様です!」とありきたりの言葉をかけたのですが、「ありがとうございます!」とはにかみながら返してくれました。
私、大坂なおみ選手と話したことあるんだ、嘘は言っていません。その時から、私は大坂なおみ選手のファンになりました。
そんなウインブルドンも、今年は戦後初となる中止が決定しています。
何かが中止や延期になっても代わりに楽しいことがある、この旅で得たものは大きかったです。
今回、新型コロナウイルスによって、Jリーグは休止していますし、観に行こうとしていたライブは、次々と延期や中止になりました。
Perfume、サカナクション、GREENDAY、緑黄色社会、Billie Eilish。私がライブに行こうと思ってチケットを取っていたアーティストたちです。
舞台も既に2公演ほど、観るはずだったものが中止が発表されました。
ロンドンの時のようにすぐさま別のもの、という代わりを見つけるのは難しいでしょう。
でも、きっとこの中止や延期を乗り越えて新しく観る世界というのは何にも替えがたい、感動が待っているんじゃないかな、そう思っています。
以上が本編です。おまけは、今回気づいた私の大好きな歌姫、ADELEの知らなかった一面について書きます。
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