コレオグラフィーはどこへ行く? ~天皇杯決勝 浦和vs仙台~

サッカーをしているのは選手であって、あくまでサポーターはサポートをする人たち。
私は基本そう思っている。サポーターはサッカーの試合における主役ではない。ただ、サッカーの試合の中でサポーターが主役になる瞬間がある。その一つがコレオグラフィーを掲げる瞬間だ。

天皇杯決勝。浦和レッズのサポーターからあっと驚くようなコレオグラフィーが披露された。一言で言うならば3D・立体のコレオグラフィーだ。

エンブレムがバックスタンドアッパーから吊ってあった。
平面から立体へ。イリュージョン。
スタジアムではワイヤーでかつスタジアムの管理者もしくはクラブスタッフの協力の元実現しているのかと思っていたが、実際は違ったらしい。
紐で吊るされていて、かつ人力。しかもサポーターがやっていたようだ。
ものすごくアナログ。
https://uragi.com/?p=5792

いろんな試合を観に行く私もこの形式のコレオグラフィーは初めて見た。
日本では圧倒的なサポーターを誇る浦和レッズ。
かつてはフランスのメディアが選ぶコレオグラフィーベスト10に選ばれたこともあるらしい。2013-14シーズンの7位。浦和vs柏。
http://lagrinta.fr/top-10-les-tifos-de-la-saison-2013-2014&7245/

海外ではどんなコレオグラフィーがあるのかな?と思ってググったらすごいのが出てきた。
UEFAヨーロッパリーグのラウンド32、ドルトムント対ポルトのコレオグラフィー。

https://qoly.jp/2016/02/19/dortmund-coreography-vs-porto

ベースの部分にはステッカーアルバムが巨大なバナーとして掲出されている。
ヨーロッパでよく見るトレーディングカードで有名なパニーニ社のステッカーアルバムを模しているらしい。
そこにある11のスペースのうち、10のスペースが、ドルトムントがこれまでに獲得したトロフィーやレジェンドたちで既に埋められている。

まだ獲得していないUEFAヨーロッパリーグ優勝杯のステッカーが宙吊りで掲出されていた。獲得できていないので貼られていないのだ。バナー下部の注意書きには、こう書いてあったらしい。「アルバムを完成させよう ― できるかどうかは君たち次第だ」

とてもよくできている。
ストーリー性を感じるコレオグラフィーだ。

選手が見たいから、クラブが好きだから、サッカーが好きだからというのがサッカー観戦のモチベーションだと思う。そこに近年、マスコットやスタジアムグルメも+αされてきた。


もしかしたら「コレオグラフィーを見たいから」という動機が追加される日も来るかもしれない。

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