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キッチンカーの出店戦略


売上の主軸をイベント出店にするリスク

キッチンカーの出店先の確保は、ビジネスを継続する上では死活問題となっています。
ですが、出店という意味を戦略的に捉えていれば、出店場所確保ばかりに気を取られることはありません。

僕が知る限りですが、キッチンカー購入を考えておられるオーナーは、出店先をイベントなどの収益化しやすい場所に絞っておられることが、多い傾向にあります。

確かにイベントは集客効果もあり、売り上げの向上にも期待できます。

ですが、大勢のキッチンカーオーナーが同じことを考える市場に、
新規参入したあなたのお店が優位に立てる確率は非常に低いです。

そう言い切る理由をお伝えします。

顧客の購買心理はいかに安心して、失敗なく美味しいものが食べられるかにフルベットされます。
お金を払ったのに美味しくなかった、なんてことは嫌だ。
そう思うのでは無いでしょうか。これは僕でも同じです。

つまり、人は失敗したくないのです。

これは「人は得をすることよりも、損をすることに抵抗を感じる」という人間の心理作用が関係しています。

だから知っている店で間違う確率の低い方へと流れていきます。

もし、既に知っているキッチンカーが限定商品を売り出していれば、効果は絶大でしょう。

リアル店舗である一定の認知を獲得している店があれば、当然のように顧客はここに一早く流れていきます。この認知の差を埋めるのは容易なことではありません。

リアル店舗でのブランド効果を、キッチンカー市場にも影響を与えているブランドは数多くあります。

当然ですが、イベント主催者は知名度のある(売上効果の高い)キッチンカーブランドを選考して配置計画を立てます。

イベント出店を中心に考えることは間違ったことではありません。
が、出店するにも戦略的に計画を立てる必要がある。

そう僕たちは考えています。

戦略的な視点

キッチンカーの一番の強みであり、デメリットであるのは大きさです。
大きさゆえに開業資金が比較的融通が効きやすい。その反面、競争は激化し廃業の数も多いのが事実です。

誰にでもチャンスのあるキッチンカー事業は、魅力的に映る市場の一つです。ですが、この市場で勝つには先にも書きましたが、戦略的な計画が必要不可欠なのです。

戦略には目的を明確にする必要があります。
目的(ゴール)を明確にすることで、戦略的な計画を立てることが可能となります。

ここでは仮にキッチンカービジネスの目的を「収益化」として話していこうとおもいます。

まずは、いつまでにどれくらいの収益を確保するのかを計画します。
半年計画なのか、すぐに収益化したいのであれば戦略は変化しますね。

ここで重要なのはいくつもの可能性を探ることです。
短期的な視点だとイベント出店などが真っ先に考えられます。

中長期的な視点で考えると、イベント出店での収益化より安定した定着場所の確保を、まずは優先するべきだと考えることもできますね。

※キッチンカー戦略に関する別の記事はこちら

キッチンカー定着戦略

僕たちが考えるのは、キッチンカーは移動しないほうがいいのではないかということです。
それは、移動し競争の激化している場所にわざわざ出店するよりも、自分たちが戦える場所を探し出し、定着して小さな車型の店舗として事業を展開することです。

戦略的に定着を計画することで以下のメリットが考えられます。

キッチンカー定着のメリット

●継続的にな顧客とのタッチポイントを形成できる
顧客との継続的なタッチポイントを作ることによって、LTVが向上し利益確保につながる。また、固定客の獲得につながる。
※ LTVとはlife time value(顧客生涯価値)と言われ、1人の顧客が生涯に生み出す利益の合計のことです。

キッチンカー事業ですと
1人の顧客が商品購入することによる利益✖️リピート購入回数で算出することができます。
LTV(顧客生涯価値)➗CAC(顧客獲得コスト)が健全な数値であることが重要となります。

●初期認知獲得のためのPRを戦略的に計画できる
店としてのキッチンカーの初期認知を獲得することは売上に直結します。
移動してしまうことで、キッチンカー事業では初期認知獲得時間が長くなります。

●SNSマーケティングでの効果が出やすい(効果測定がしやすい)
SNSマーケティングは地域密着型の店との相性が良いため、戦略的な投稿により来店数、売上変化によって効果測定を正確に行えます。そのため、認知獲得後に向けた定期イベント出店でのSNSマーケティングの効果が向上します。

●イベント用メニューと定着メニューを変えることで、顧客の体験価値が上がる
顧客の体験をイベント用と定着用で変化させることで、体験価値が向上し顧客の認識価値が上がります。
認識価値が上がることによって利益の確保へと繋げられます。

●ブランドとしての認知が早期に上がりやすい
移動は安定した固定客の獲得が困難な場合があります。「いつもここにキッチンカーはある」という認識がブランド認知の上からも重要となります。

●2号車を計画しやすい
資本的な面でも比較的計画しやすいです。また、1号車でのデータを元に戦略的な動きを取ることができます。

キッチンカー定着のデメリット

●早期認知獲得のための販管費が必要となる
イベントと違い集客するための販管費が必要となります。
また、早期認知獲得が売上に直結するため、経営計画時点での費用計算が必要となります。

●定着先の確保に時間がかかる
キッチンカーブランドに合った定着先も確保に時間がかかる場合があります。イベント出店と併用して考えることで、リスクは低減されます。

●ブランド計画を入念に行う必要がでてくる
ある意味考え方がリアル店舗と変わらないため、戦略的なブランド計画が必要となります。

●安定した収益化までに時間と努力が必要となる。
イベント出店をうまく併用してリスクを軽減させることを考えます。

キッチンカーでの出店は戦略的に考えることで視点が広がる

キッチンカーは移動し販売するためのものだけではありません。
戦略的に定着することで、小さな店舗としての役割を十分に補えるポテンシャルを持ち合わせています。

キッチンカー事業での収益化は、イベント収益だけでは賄いきれません。
定着することで顧客との継続したタッチポイントが形成され、あなたの店としてのブランド価値が上がります。
店のブランドとしての認知がある程度獲得できるから、イベント出店での短期的な売上効果が期待できるのです。

キッチンカーは移動して出店先を探すだけではありません。

キッチンカーこそリアルな店舗としての活用方法を、もっと多くの方が実践すれば面白い市場になるのではないでしょうか。

※キッチンカーの他の記事はこちらにまとめています

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