イベント出店で売上をあげるためのアップセル・クロスセル キッチンカー戦略
イベント出店への誤解
出店競争率の高いイベント収益に頼ったキッチンカービジネスでの戦略は、短期的な視点で見ると上手くいくように思われます。
ですが、中長期的な視点で見たときに収益が安定する確率は低くなります。
イベント出店に頼ったキッチンカービジネスでは、一人の顧客が継続して同じ店で買う頻度が極めて低いのが現状です。
そのため、イベント出店時にもブランド力(認知が行き渡っている)のあるキッチンカーに顧客は集まる傾向が強く出ます。
※ブランド力をあげたい方はこちらへ
多くのサービス業でもそうですが、収益を安定させるためには顧客生涯価値を爆上げする必要があります。
キッチンカービジネスでもそうです。同じ顧客からの継続した購買ほど魅力的なものはありません。
この数をいかに増やすかがポイントなのです。
そのためには、イベント出店を購買のアップセル、クロスセルにつなげるための足掛かりにするのです。
キッチンカービジネスを成功させるためには、ここがポイントとなります。
アップセル✖️クロスセル
アップセルとは、1人あたりの顧客の購買単価を向上させる取り組みなどのことです。
例えばある店舗での商品販売を考えます。総売上額は来店した顧客の数(顧客数)×顧客1人あたりが支払った金額(客単価)となります。
来店客に対して、類似商品(同ブランド、同じカテゴリー)、もしくはカテゴリー内の高額商品を合わせて購買してもらうことをアップセルすると言います。
アップセルによって客単価(購買数)を向上させることができれば、顧客数を伸ばすことなく売上額を向上させることが可能となります。
クロスセルとは、購入商品と別カテゴリーに属する商品を顧客に対して、別のアプローチ方法を使って訴求する方法となります。
ケーススタディ アップセル・クロスセル
イベント出店を主力に考えているキッチンカーオーナーがアップセル・クロスセルを考える場合、まず自分たちの提供する商品をどのようにすれば、次の展開に(アップセル・クロスセル)に繋げていけるかを考える必要があります。
これは当たり前な話なのですが、深く考えないで走り出すと自身のキッチンカーブランドを潰すことになりかねません。
例えば、集客力のあるイベント出店を勝ち取れたとしましょう。
あなたは提供できる食数を最大限に用意しますね。当然売上(利益)を最大限に伸ばすことはビジネスの目的です。
それでは、クロスセルした場合を考えてみましょう。
イベント出店での顧客獲得数を200人と仮定してみます。
何も戦略がない場合、1,500円のバーガーセットが200セット売れると、300,000円の売上になります。
戦略がない場合はこれで終わってしまいます。30万円の売上で原価率(包装代、経費含む)が35%ほど+人件費2名(16時間/1,200円・仕込み準備込み)+イベント出店料売上の7%=164,400
半分近くなくなる計算です。*おおよそこんなあたりだと考えます。
ここにクロスセル戦略を仕込みます。
ここが重要なポイントです。
購買に至った顧客対して、必ず簡単なコミュニケーションをとります。そこにちょこっと試作品のようなものを用意しておきます。
必ずコミュニケーションの流れの中で試食してもらいます。
その後に、必ずECサイトにつながるQRコードの入ったショップカードを渡します。
これでクロスセルの仕込みは終了です。
1,500円の商品を、購買客の25%(50人)がECサイトでの商品を購入してくれると、75,000円の売上につながります。
大切なのはコミュニケーションの流れに沿うことです。
美味しいから売れる。なんてことは驚異的なブランド力を持つ店舗ぐらいしか成り立たないと考えてください。
なんども言いますが、大切なのはコミュニケーションの流れに沿うこと。
流れ作業で数をこなすよりも、顧客との信頼関係の形成に重点置くことが、一番大切なポイントです。
また、商品開発は事業の根幹だと僕たちは考えています。顧客起点に立ち返りながら積極的に進めることで、クロスセルなどに対応できる商品が生まれると考えます。
ではアップセルの場合はどうでしょう。
200人にたいして1,500円のバーガーセットを売り切り、通常の売上は300,000円です。
経験上ですが、キッチンカーでのアップセルはお土産戦略を取ることが理想的だと考えます。
小さくて持ち運びやすい。が、絶対的な条件になりますね。
持ち運びは顧客が必ず懸念するポイントです。
小さなイノベーションを起こし、顧客満足を高める商品開発を常に考えるようにしてください。
ただし、ここで注意したいのが販売余力の問題です。
キッチンカーでのビジネスの場合、最高顧客獲得数を想定し準備にあたります。
ここにお土産の余力販売を残しておく必要があります。
保管しておく場所の問題も重要ですね。
お土産需要は相当に高く、今すぐ食べいたいは他のところで体験しても、お土産なら別口になります。
僕自身もキッチンカーでのイベント出展の経験はありますが、お土産を用意しておく意味は相当に大きいです。
今すぐ商品とお土産商品の比率は50対50でも十分に勝負できます。
たとえ、お土産が800円だったとしても、50人にアプローチし40,000円の売上に繋がります。
さらにクロスセルを混ぜあわせているので、115,000円の売上につながるのです。
このアップセル・クロスセル戦略は、顧客リストの獲得も含まれています。
あなたが次の戦略をどう考えるのか。
顧客をロイヤル層に育てることによってどういったことを起こしたいのかが、必然的に問われてきます。
キッチンカーのように、短期的な顧客が集まるビジネスは必ずアップセル・クロスセルを考えておく必要性が高くなります。
また、顧客リストを貯めていくにつれて、次の戦略が見えてくるのも事実です。
3年後、5年後を見据えた中長期的な戦略を持って、キッチンカーを運営することも必要だと僕たちは考えます。
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