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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論756」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第31号(2007.7.25発行)「世界の動き~フィットネスフランチャイズが繁栄を続ける理由」2~※名称等は当時、一部文章省略

強力なビジネスモデル

このクリンガー氏と、スナップフィットネスの創業者ピーター・トーントン氏の経歴には多くの共通点がある。
両氏とも業界歴20年を超えるベテランであり、過去にオールインワンタイプの大規模総合クラブを運営した経験を持つ。
そして両氏とも、思い切った新しいフィットネスのビジネスモデルを創出することに成功した。
両氏が目指したものは、低料金、アクセスの良さ、利用しやすさ、スペース効率、そして間接費の最小化であり、そこでたどり着いたのが「エクスプレスクラブ」というコンセプトであった。

トーントン氏は次のように語っている。
「私は過去に400坪から1200坪クラスのクラブを6軒運営し、最大350名のスタッフを抱えた経験がありますが、新しいビジネスを手掛けるに当たり、これまでのクラブのあらゆるエリアを分析しました。会員が活用しているのはどこなのか、どのエリアが売上を牽引しているのかをつぶさに見ていったのです。私がたどり着いた結論は、至便性と使いやすくレイアウトされたカーディオとフィットネスのエリアこそがクラブの最も重要な要素である、というものでした。標準的なスナップフィットネスの店舗サイズは60~80坪程度で、最新のカーディオとウェイトマシンを置いています。全米の大小様々な都市に店舗を構えていますが、9割のお客様は3キロ以内に住んでいるか働いていらっしゃる方です。」

クリンガー氏もまた同様の分析を行い、似たような結論にたどり着いた。
氏は過去に運営したクラブは平均で1100坪程度であったが、新規のビジネスを立ち上げるに際して、サイズをこれまでの10分の1以下とし、人件費を徹底的に抑えようと判断したのである。
クリンガー氏のエニタイムフィットネスの店舗は、セキュリティ対策万全の入退室システムを完備しており、スタッフは不在である。
会員には24時間いつでも施設を利用することができる。
トーントン氏のスナップフィットネスも同様であり、会費システムとも連携しているので、会費を滞納している会員は施設を利用することができない。
このシステムにより、会員は24時間利用が可能であるとともに、オーナーやスタッフの常駐も不要となっている。
こうした入退室システムやオンラインによる管理システムの充実により、無人のフィットネスクラブが現実のものとなった。

~ここまで~

現在、日本国内では、パンデミック以前からの24時間ジム過剰出店が相も変わらず続いており、業界28年目を迎えたアバター近藤のビジネス感覚では、何故そのような意思決定をするのかが不思議でなりません。

というのも、米国では記事の通り、15年以上前に同業態のクラブを確立しており、言い換えるとその時のアイデア・ビジネスモデルを今、拡大することが本当に適切かを真剣に考えた方が良いと思うからです。

極端に言えば、それは15年以上前のPCモデルを日本に大量輸入して販売しようする行為であり、周回遅れもいいところだと気づいた方が良いでしょう。
昨年からのチョコザップ大量出店により、同業態の競争価格帯は既に3000円前後になってしまっており、この低価格競争に耐えられない企業(24時間化した総合型クラブ含む)の共倒れがいずれ来ることを覚悟する必要がありそうです。

お読みいただきありがとうございました。

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