「アバター近藤が解説する業界史～逆タイムマシン経営論678」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
～Fitness Business通巻第23号（2006.3.25発行）「フィットネス業界にホットブーム」1～※名称等は当時、一部文章省略
ビクラムヨガや岩盤浴などホット系アイテムが女性たちの人気を集めている。
フィットネスクラブ業界だけでなく、業際の商業施設も含め、全国的に広がりつつあるこの「ホットブーム」の内側を取材した。
本家本元ビクラムヨガが日本進出
本誌でも度々紹介されている「ビクラムヨガ」。
厳選された26のポーズを取ることにより筋肉を刺激し、血液の循環を促し、大量の汗をかく。
それが体内毒素や老廃物の排出を助ける。
また腹式呼吸をするので精神的に安定し、集中力が高まる。
その効果のほどは、UCLAやコロンビア大学、国内では東大病院などによりエビデンスが整えられている。
創始者はビクラム・チョードリー氏。
ハリウッドのセレブ達の間にビクラムヨガを広めた。
この人の名前をアメリカで知らない人は少ない。
同氏は「ワウディー」を展開するワークアウトワールド・ジャパンと提携し、2006年1月15日に銀座に「ビクラムヨガ銀座店」をオープンした。
同店オープン時の集客目標は1,000名であったが、実際は倍以上の2,200名もの入会があった。
オープン前の体験会でも、参加者は3日間で延べ750名もあり、関心の高さが伺えた。
平日夜7時のプログラムは仕事帰りの女性に人気で1ヶ月先まで予約が一杯の状態。
会員は圧倒的に女性が占めるが、最近は定員50名のクラスに男性が数名ほど参加するようになってきている。
アメリカのヨガスタジオは、男性が4割を占めていることからすると、今後男性の割合が増えていくことが予想できる。
スタジオの延床面積は約40坪。
室温40℃、湿度55％に保たれたスタジオ内でレッスンが行われる。
安全対策のため、換気設備も万全を期している。
また万が一レッスン中にお客様が倒れた場合に備え、インストラクターだけでなくフロントスタッフにもCPR研修が行われ、館内にはAEDも設置されている。
料金はチケット制。
一回の利用料は3,200円である。
購入するチケットの枚数により割引が得られる。
5回券は14,500円、10回券は27,000円となっている。
客単価は2,600円。
バスタオルのレンタルとミネラルウォーターが料金に含まれている。
付帯収入としては、ヨガマットがある。
最近はほとんどの参加者がマイマットでレッスンを受ける。
今後はサプリメントも付帯収入として成長させていく考えがある。
指導員の養成が急務
会員数が増えるとともにプログラムを増設する必要が出てくるが、そこで問題となるのがヨガに関する確かな知識と技術を持ったインストラクターの確保である。
ビクラムヨガのインストラクターになるには、日本国内で120時間のセミナーを受け、さらにロサンゼルスのティーチャートレーニングコース9週間を受講しなければならない。
現在ワークアウトワールド・ジャパンにはクリアした13名のビクラムヨガインストラクターがいるが、今後、新たに店舗展開するにあたってプログラム数増加は必至。
それに伴いインストラクターの増員が大きな課題となっている。
～ここまで～
記事前後からパンデミック前まで、ホットヨガは専用スタジオや総合型クラブ、ジムスタクラブに至るまで堅調に増加していった、近年では数少ないヒットアイテム、プログラムであったと言えます。
それが、パンデミックの3年間は3密の環境が警戒され、実際に集団感染の事例も当初は複数出たことから、停滞してしまった事実があります。
ただ、（感染予防含め）安全な環境を構築し、的確なインストラクターのもと実施したならば、その効用が大きいことはたまに参加しているアバター近藤も実感しております。
記事にあるインストラクター認定は相当に厳しい基準であり、このような基準で認定されたインストラクターであれば、非常に信頼できますが、導入施設増加によって、レベルがピンキリになってしまった現実もあり、ようやく回復の芽が出始めた今後は、より質の面での人材確保が生き残りのカギとなるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。
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