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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論707」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第25号(2006.7.25発行)「4つのワーク(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

景気は回復傾向にあるとは言っても、製造業を中心とする大企業。
そして首都圏など大都市での話のように感じられます。
サービズ業や小売業には、特に地方には、まだ景気回復は十分波及しているとは言えません。
ではしばらく我慢していれば、景気の波は広がっていくでしょうか。
どうもそうとも言い切れないようです。
行動にブレーキを掛ける外因によって、消費が冷え込む傾向が見られるからです。
特に影響が大きそうなのは、原油高騰でしょう。
ガソリンが高いので、週3回の外出を2回に減らす。
買い物は近くの店で間に合わせる。
そういう心理が外出を減らし、支出を控える人が増える恐れがあります。
だから「景気回復傾向」を真に受けて、業績が自然と回復すると思っていけない、ということでしょう。
業績アップは自助努力なしには達成できないものです。
それに消費者には、「飽きる」という習性があります。
これまでのサービスや商品に、ある日突然背を向けるのは、よくあること。
だからフィットネスクラブもまた、変化を続けて、顧客満足を創造し続けなければいけないことは、言うまでもありません。
といっても、小さなクラブがリノベーション(改修)をするのは、大変なことです。
潤沢な資金と、投資回収のしっかりした見通しがあれば別ですが、設備は直したくても、そう簡単に直せるものではない、というのが実状でしょう。
ハードの改修が用意でないとすれば、取り組める課題は「人」です。
ソフト面で実施できる、人という資源を生かした改革。
それなら、小さな古いクラブでも、やる気があれば実践できるはずです。
そのカギは「4つのワーク」です。

ネットワーク
優秀なスタッフなら、お客様の顔だけでなく、趣味やご家族の情報なども頭に入れていることでしょう。
顧客の信頼を得ることで厚い人脈を築くこと。
そういうネットワーク力が、安定した経営を支える大きな力になりそうです。
また現在は、インターネットを利用したサービスも生まれています。
自宅にいながらにして、受けられるフィットネスサービス。
これなら商圏は全世界に広がることになります。
これもまた、ネットワーク力と呼ぶべきでしょう。

~ここまで~

記事前半の内容は、15年以上前にも関わらず、それこそ今にピッタリな状況を表しています。

このマガジンを書く上でのヒントとなった「逆タイムマシン経営論(楠木建 、杉浦泰著)」によれば、経営情報誌には常に「不景気」の文字が躍っているとのことで、本当にそうだなと思います。

個人的にいつも思っているのが、人生や仕事は、下りのエスカレーターを昇っているようなもので、歩みを止めると現状維持ではなく後退していくものということです。

これは生物として進化や適応をしていかねば、絶滅してしまういわば生存のための法則として受け入れなければならない観点であると考えます。
その観点に立てば、パンデミックが落ち着いたとしても、自然にフィットネスクラブに顧客が戻るとは安易に考えてはいけないということになります。

お読みいただきありがとうございました。

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