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11月1日(水):睡眠指針の見直しへ

先月はじめに厚生労働省は心身の健康づくりのための新たな「睡眠指針2023」(仮称)案を公表しました。

こちらのポイントについて触れておくと、「成人」「こども」「高齢者」に区分した年代別の新「睡眠指針」案になる方向性です。

具体的に「こども版」では年齢別に細かく推奨する睡眠時間を定め、1~2歳児は11~14時間、3~5歳児は10~13時間、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~12時間といった具合です。

また「高齢者版」では、高齢世代になると自宅で過ごす時間が増え、家庭内での役割も徐々に減る傾向になるとし、睡眠不足よりもむしろ長時間睡眠(長寝)による健康リスクが高まるとの研究例を示し、昼寝は30分以内をめどに短時間にし、昼間はなるべく活動的に過ごすことを推奨する形になっています。

今回のような年代別の指針にしたほうが現実的、かつ建設的だと思います。

「日本人の平均的な睡眠時間は●時間でOECD諸国のなかでは下から●番目に短い」といった表現は、これまでも様々なところで報じられてきました。

でも、前述の指針で示されているように子どもは睡眠時間が長い一方で高齢者になれば必然的に睡眠は短くなります。

だから高齢者比率の高い超高齢社会の日本の平均睡眠時間はどうしたって短くなる傾向にあるのは否めず、人口構成で若い世代が多い新興国等と一律で比較してそれを論じることの意味合いは乏しいし、実態が正確に掴めるわけでもありません。

それゆえ今回のように区分をして、それぞれの年代に応じた最適な睡眠時間と照らし合わせて自分の日常を振り返っていくほうが妥当でしょう。

少し話は飛びますが、以前に何かのメディアでプロのサッカー選手を目指すサッカー少年の1日の取り組み、タイムスケジュールなどが掲載された記事を目にしたことがあります。

そこでは朝も練習、夕方も練習などをしていて、その後は塾か自宅での勉強のようなものだった気がしますが、1日あたりの睡眠時間は6~7時間程度しかありませんでした。

朝から練習をしていたり、頑張っている部分に着目してしまうと、うっかり見落としてしまいがちですが、小学生の子どもの睡眠時間が6~7時間では、やはり短すぎます。

大人の基準に照らし合わせれば6~7時間でも問題ないですが、先の指針では小学生は9~12時間となっているように、成長段階の学年によって違いはあるものの、本来的に子どもはもっと十分な休息が必要です。

ただ、これも年代別で必要な睡眠時間が正しく理解されていないがゆえに生じている事柄だと思います。

今回の見直しを契機として、年代に応じた適切な睡眠の必要性の理解が広がっていけば良いですね。

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