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11月20日(日):利用者の期待値に達することがフィットネスクラブにとっての最大の課題

先般にはロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供する株式会社スパコロが実施した一都三県在住の20~69歳1,000名が対象の「利用実態調査 フィットネス施設編」がリリースされていました。

そこではフィットネス施設の認知や利用率、入会や退会に至る理由などが出ていましたが、改めて重要だと思うのが「成果」の部分です。

同調査によればフィットネス施設を利用する目的は、上位から「健康維持」(50.9%)、「体力向上」(42.0%)、「ダイエット・スタイル維持」(41.3%)、「筋力向上」(39.9%)、「ストレス解消」(33.8%)、「肩、腰、膝の不調への対策」(19.9%)と続きます。

これ自体はごくごくノーマルな結果であり、どのフィットネスクラブでも入会理由としてそれらをヒアリングしているから、その内容と大差のないもので自明の部分だと思います。

また他の項目でフィットネス施設に対して利用者が重視する点は上位から「家から近いこと」(50.9%)、「料金が分かりやすいこと」(47.0%)、「スタッフの対応が丁寧なこと」(28.5%)、「マシンがきれいであること」(27.4%)、「他の利用客のマナーが良いこと」(25.6%)となっていました。

一方、フィットネス施設を利用しなくなった理由についての調査では上位から「金額が高かったから」(22.9%)、「新型コロナウィルスが流行したから」(17.8%)、「家から遠かったから」(14.0%)、「運動を続けられなかったから」(12.7%)、「期待する効果が得られなかったから」(10.2%)という結果です。

これらを概観した際に再確認できたことのひとつは、利用者がフィットネスクラブに対して事前に抱く期待値に、成果の部分は織り込まれているということです。

「フィットネス施設に対して利用者が重視する点」のなかに効果が出るかどうか、自分の悩みが解決されるかどうかが全く出てこないのは、「クラブへ入会してそこに通えば一定の効果は得られるものだ」との認識、期待があるからだと思います。

それとは反対に「フィットネス施設を利用しなくなった理由」を紐解いていくと、成果への期待が裏切られた際に生じるエクスキューズが並んでいることがわかります。

例えば「金額が高かったから」というのが一番多い理由ですが、そもそも利用者は入会前に金額を把握しているし、それをふまえて自分が通えると判断したから入会をしているのであって、絶対的な金額が「高過ぎる」とか「支払えない」から「高い」と言っているわけではないはずです。

なぜ「高い」と感じてしまうのかといえば、思っていたような成果が得られなかったので、この程度なら料金に見合わないと感じたからだと推察できます。

またそれに続く「家から遠かったから」も、事前にそれをわかったうえで入会をしているので、通い続けるだけのメリットがそこにあれば距離は問題にならないけれど、大した成果もないなら「あえて」そこまで行く必要もないから「遠さ」が助長されてしまうのでしょう。

そして「運動を続けられなかったから」、「期待する効果が得られなかったから」は文字通り、クラブ側のサポートやそこで提供する成果が不十分であったがゆえの結末です。

利用者が抱く事前の期待値である利用目的に達していないこと、その面での成果こそフィットネスクラブ、トレーナーにとっての最大の課題だと言い切れます。

成果については社内では予てからその点にフォーカスをしてきたし、現在進行形で取り組み続けていますが、私たちもまだその途上ではあるから自戒も込めて、ここを変えていかなければいけないなと思っています。


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