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1月27日(土):パワハラ防止のための確認事項④

現在は労働施策総合推進法(通称、パワハラ防止法)の改正によって現在は中小企業にも組織内でパワーハラスメントの防止、対応に向けた整備が義務付けられています。

そこで先日からは確認をかねてポイントを整理しており、パワハラの定義や6つの行為類型、グレーゾーンや叱責の際の注意点に触れてきました。

昨日も記したようにパワハラは企業組織だけに限らず、スポーツ現場や教育現場でもそれに該当する事象が生じているだけに、指導する側にある人は誰しもが理解をアップデートさせていくことが不可欠でしょう。

そうしたなかで上司や先輩側がパワハラ行為者にならないためには、自らがパワハラ的な傾向を持っているかどうかを知っておくのは大事だと思います。

書籍「パワハラ問題 ‐アウトの基準から対策まで‐」では、以下のような傾向タイプが例示されています。

①瞬間湯沸かし器型
こちらは意に沿わないことがあると直情的にキレてしまうタイプです。普段は仕事ができることが多いものの感情の起伏が激しくカッとなった時に一線を越えてしまい、感情に任せて動いているだけで本人にパワハラの自覚がないケースが多いといいます。周囲は怖がって近づかないので自覚する機会がないので要注意です。

②鬼コーチ型
体育会系の鬼コーチタイプで、部下スタッフに熱血指導をするのが特徴です。熱意ある指導そのものは大切である一方、怒鳴ったり残業をさせたりと、それが行き過ぎてしまうケースが問題になります。このタイプの上司は自分自身も意欲的に仕事をして業績を上げて会社からも評価されているので、その指導のあり方が会社内で黙認されるケースも少なくないことが注意点に挙げられています。

③オレが一番型
一言でいえばオレ様タイプで、何事も自分が中心にいて物事を動かしたいという気持ちが強く、自分が正しいと思ったことは絶対に曲げない特性があります。自分は優秀であるとの意識が強いため、他人を悪く言うことに熱心で、自分の考えと違うことに寛容さがなく、相手を許すことができない傾向をもっています。このタイプは持論を延々と意見するケースが多いので気をつける必要があります。

④好き嫌い型
こちらは部下スタッフに対する好き嫌いの感情がハッキリしており、自分が気に入らない部下スタッフに、いじめや嫌がらせなどの意図的なハラスメントをするタイプです。自分の言うことを素直に何でも聞く部下スタッフを大事にする反面、そうでない部下スタッフには怒鳴ったり、腹いせに無理な仕事を押しつけるケースが多いといいます。

⑤ストレスのはけ口型
このタイプは仕事や仕事以外のプライベートで生じたストレスのはけ口として、その鬱憤を部下スタッフなどの周囲にまき散らす迷惑型です。ストレスがなければ何事もないものの、ストレスが生じた際には目に見える形でそれが現れ、かつストレスの程度によって行為がエスカレートするケースもあるというので要注意です。

⑥会社ぐるみ型
文字通り会社側が、ある社員に対して退職などを目的として意図的にパワハラを行うケースがこれに当たります。よくテレビドラマで出てくる追い出し部屋などは一昨日に触れた6つの行為類型の「人間関係からの切り離し」に該当するし、役割的な冷遇は「過小な要求」にあたることもあるでしょう。

先にあげた傾向タイプでいえば④や⑥のような意図的なものは問題外ですが、気をつけなければならないのは無自覚なままパワハラに足を突っ込んでしまう①や②、③、⑤のケースです。

まずは指導する側にある人は自分がいずれかのパワハラ傾向タイプに該当してないかどうかを照らし合わせつつ、該当する際には自分が踏み込んでしまいそうなケースに注意を払うことは大事だろうと思います。

明日も関連の話を続けます。

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