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5月19日(日):カスハラ対策として大切なこと

昨日は顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策に向けた法整備について、自民党のプロジェクトチームがまとめた提言案のことを取り上げましたが、本日もそれに関連した話をもう少しばかり。

今年の2月には東京都が「カスタマーハラスメント防止条例」を制定する方針を固めていましたが、こうした流れを受けて法整備に向けた動きも加速してきた感があります。

私たち企業側の対応としてはポイントに挙げられているように、従業員の就業環境が害されないように労働者保護の対策をしつつ、該当する事案があった際の対応例を明示していくことでしょう。

自社でいえば「クレーム対応」の一環として「カスハラ対応」の考え方、ケースごとの対応例などを明示したマニュアルは既に整備してあるので、企業側の対応を義務化することに向けた準備はできています。

なお自社はスクール制小型フィットネスクラブを複数店舗運営していますが、カスハラに該当する事案は見られません。

小売りや外食などの労働組合がつくるUAゼンセンの2024年の調査では直近2年以内にカスハラの被害にあった人は46.8%で約半数にのぼる状況と比較をすると、カスハラとは無縁な事業環境といえます。

カスハラ対策としての法整備、企業側のマニュアル整備や研修などは進めていくべきですが、一番のカスハラ対策は顧客との良好な関係をつくっていくことだと思っています。

かつて日本企業でモノづくりが成熟してサービスを付加価値に据えるようになるなか、いわゆる「お客様は神様」のような認識が広がったことで、丁重に扱われるのが当然という消費者意識につながった面はあります。

それと同じくして大量生産・大量消費、効率化などによって売り手と買い手の関係が希薄になり、互いが顔の見える関係ではなくなってしまったことも大きいでしょう。

加えて現在の高ストレス社会がカスハラの引き金になっているのは、カスハラをしてしまった側の調査などからも明らかですが、消費の現場がストレスの捌け口の対象になってしまうのは、相手が見ず知らずの「他人」であることと無関係ではないですね。

互いを知る関係のなかだと人は責任や配慮ある振る舞いをするもので、無闇に他者を威嚇したり、貶めるようなことをするケースは極めて稀です。

だから売り手と買い手の関係性を顔の見える関係、人間味のあるものにしていくことができれば、自然とカスハラを遠ざけることができます。

法整備のような仕組みも大事ですが、それと合わせて顧客との関係性やサービスの現場を改めてデザインし直すことも大切な気がしています。

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