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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論719」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第27号(2006.11.25発行)「米国の大学におけるパーソナルトレーニング教育の現状」3~※名称等は当時、一部文章省略

認定資格を取得できるプログラム
専攻課程まではいかないものの、認定コースを設置するという形でパーソナルトレーニング関連の教育を開始している大学も多い。
認定を受けるために満たすべき要件は学校によって多種多様であり、フィットネス業界における「認定」や「資格」の曖昧さをそのまま反映している。
しかしながら、大学のようなきちんとした教育機関が参画していることにより、一定の品質は保証されているようである。

ニューヨーク州ホフストラ大学の社会人向けプログラムの一環として提供されている認定コースは、AAPTEという機関と共同で開発され、1996年に開講された。
このコースではパーソナルトレーナーとヘルスフィットネス・インストラクターの認定資格を取得することができる。
1学期(半年)で修了するこのコースは、9つのパートからなり、17時間の実習が含まれる。

AAPTEプレジデントのV・K氏によれば、このコースは、業界標準を超える高いレベルの知識とスキルを習得して貰うことを目的としており、理論と実習のバランスを取るとともに、トレーナー、クライアント、クラブ経営者の負担を最小化し、トレーナーがスムースにクライアントと良好な関係を築けるようにすることを目指しているという。
「我々のプログラムの差別化ポイントは、理論と実習の双方を十分にカバーしていることです。これにより、修了者はパーソナルトレーニングの現場で求められるクリティカルシンキングと応用能力を身に付け、業界をリードできる存在になることが出来ると信じています。」と語る。

アリゾナ州グレンデールのグレンデール・コミュニティカレッジでは、O・T氏が1991年からパーソナルトレーニングの認定プログラムの運営を統括している。
パーソナルトレーニングが一般にはほとんど認知されていなかった時代に、このプログラムを立ち上げた彼女の体験は、フィットネス業界に長く身を置く者なら他人事とは思えない。
彼女がプログラムを立ち上げた当時、学校側からは全く何のサポートも受けられなかった。
しかし、学校の数名の教授が減量のために彼女のエアロビクス・プログラムを受け、その内容の有用さを肌で実感してから、基本動作を身に付けることや怪我のリスクを減らすことの重要さ、またそれを伝達するフィットネスプロフェッショナルの重要性を理解してくれるようになり、徐々に理解者・支持者が増えて行ったのだという。
現在では、200時間以上の授業と400時間以上の自主プロジェクトを終えてパーソナルトレーナーの資格を取得した生徒は700人以上にのぼる。

~ここまで~

記事の中にある、フィットネス業界における「認定」や「資格」の曖昧さ、という指摘は、現在の日本でも当てはまります。

数年前にフィットネスクラブ・マネジメント技能検定という国家資格が誕生しつつも、まだ世間的な認知度は低い状況で、包括的な知識習得には効果を発揮しますが、トレーナーとしてという点では担保されておりません。

トレーナーとしてという点では、健康運動指導士や健康運動実践指導者は、一般に辛うじて知る人もいる厚労省所管の資格ですが、これを取得すればパーソナルトレーナーとして活動できるというほどのものでは現状ありません。

その他、パーソナルトレーニング分野ではいくつか有名な資格(ほとんどが米国発)があり、それらの資格を複合取得したりして、徐々に実践を通じて能力を高めていくのが日本での一般的な活動方法でしょうか。

その意味では、ここで学べばハイレベルなトレーニング知識やフィットネスビジネスを一括して習得できるという場所は、まだ日本にはないと言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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