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12月19日(火):認知症薬「レカネマブ」が保険適用に

日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した、認知症薬「レカネマブ」が明日の12月20日から発売となるため、本日はそれに関連した話を少しばかり。

このレカネマブはアルツハイマー病の原因物質「アミロイドβ」に直接働きかけ、それを取り除くための初めての薬で、先般には保険適用の対象になることも決まりました。

なおレカネマブの価格は患者1人あたり年間およそ298万円と設定されており、保険適用になったとはいえ相応の自己負担が伴うことにはなりそうです。

今後は現場で認知症薬が使われていくことになりますが、注意も必要になってきます。

まず一口に認知症薬といっても薬を使う対象が限られているので、すべての認知症をカバーできるわけではありません。

認知症についてはアルツハイマー病と血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症が4大認知症といわれており、今回のレカネマブが対象とするのはアルツハイマー病に限ります。

前述した4大認知症のなかではアルツハイマー病が約65%近くを占めるので半数以上は対象になる公算ですが、それでもカバーできない領域がそれなりにあります。

加えて認知症の程度によっても薬の投与対象が限定されている状態で、具体的には「軽度認知障害」と「軽度の認知症」の方のみです。

これよりも認知機能の低下が進んでしまった「中等度の認知症」、「重度の認知症」の方は適用外になってきます。

認知症の専門医によれば、前述したような諸々の条件を考慮したときに実質の対象になる方は認知症患者全体の1割未満と推定されています。

そのため今回の認知症薬が発売になったからといって、今後の社会課題である認知症が即座に改善へ向かうとは言い難い状況です。

明日も関連の話を続けます。

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