見出し画像

2月29日(木):コロナ禍以後も高止まりする摂食障害

一昨日は日本でも発売開始になった肥満症薬のことに触れ、昨日は安易なダイエット目的での使用でトラブルが多発している状況を記しました。

本日もそこから派生した話をもう少しばかり。

私たちはフィットネスクラブを運営する民間事業者なので、今も昔も「痩せたい」といった願望が根強いものであるのはよく理解をしています。

安易な薬の使用への注意喚起はもちろんですが、昨今は痩せたい気持ちがエスカレートしてしまうことの危うさも増している状況です。

先般には日経新聞にも「10代の摂食障害、深刻に コロナ禍に運動制限、食事量減る SNSで『やせ願望』拡散」と題した記事がありました。

タイトルからもわかる通りですが、拒食や過食といった「摂食障害」の発症が10代で深刻化している旨を報じています。

これは行動制限を強いられたコロナ禍で顕在化してきたので以前から問題提起がなされていましたが、ポイントは5類移行後の現在でも患者数が高止まりしている状況です。

2022年度の初診外来で摂食障害の一つ「神経性やせ症」と診断された20歳未満の人数は2020年度や2021年度に比べれば改善したものの、コロナ前の2019年度と比較をすると約1.4倍にあたり、依然として高止まりが続き、年代別では中学生が最も多かったといいます。

コロナ禍以後も患者数が減らない要因に挙げられているのがSNSの影響です。

記事に掲載されていた東京都医学総合研究所の調査によれば、SNSを使う女児が「やせ願望」を抱く比率はSNSを使ったことがない女児の1.9倍にのぼり、頻繁に利用するほどそれが高まる傾向が指摘されています。

SNSによる他者との比較、称賛されるインフルエンサーへの憧れ、承認欲求などから、「やせ願望」が助長されている面はあるのだと思います。

摂食障害になってしまうのはどの年代でも良いことではありませんが、とりわけ成長期の10代でそうなってしまうと、栄養不足から身長の伸びが止まったり、女性は無月経になる懸念や骨粗しょう症などさまざまな合併症を起こすリスクがあげられます。

10代の学生だと無自覚にそこに陥ってしまう可能性はあるので、周囲が兆候を見逃さずに早いタイミングでケアをしていくことが大切だと思います。

明日も関連の内容を続ける予定です。

宜しければサポートお願い致します!