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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論706」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第25号(2006.7.25発行)「マッカーシー氏による最終レポート」3~※名称等は当時、一部文章省略

競争が激化するマーケットで勝ち残るために

「反撃に出るために:勝ち残るための25の方法」

11.メディカルフィットネスに取り組め。
高血圧、関節炎、糖尿病などの患者向けプログラム・予防プログラムは、業界の次なるフロンティアである。

12.高いモラルを持って行動せよ。
IHRSAはベタービジネスビューロー(消費者センター)と関係を持っており、そのことに誇りを持っている。
同団体と関係を持つビジネスは、顧客に対して常に高いモラルを持って接し、不適切な行動があった場合には誰でも直ちに同団体に通告できるようになっている。

13.体験利用は太っ腹に設定せよ。
セールス&マーケティング志向のクラブのゴールは「できるだけ多くの人々に施設に足を踏み入れてもらうこと」である。
IHRSAの調査によれば、クラブの施設を利用したことのある人々は、全く利用したことのない人々に比べて、メンバーになる確率が3倍になるという。
体験利用は太っ腹に設定しよう。

14.退会者向けプログラムを開発せよ。
多くのクラブが、退会者の20%を再入会させることに成功している。
大学が卒業生に対して行っているような活動を退会者向けにも実施すべきである。
商圏内にいる退会者は、最も入会する確率が高い潜在顧客なのである。

15.スタッフを戦略的なブレーンストーミングに巻き込め。
もしも目の前に10億円をかけた公共のクラブがオープンしたらどうするか?
大手のフィットネスチェーンが同じ商圏内に土地を買ったらどうする?
優れたスタッフはこうした問いに対して、何十もの答えを持ち、そのうちの多くは現実的ですぐに実行可能なものであろう。
こうしたブレーンストーミングは非常によい練習であり、組織の競争能力を高めることにも役立つ。

16.公共施設など非営利の競合相手にも常に注意を払え。※文章略

17.多くの人々にとって、クオリティは利便性よりも重要であり、利便性は価格よりも重要である、ということを忘れてはならない。
低価格だけが勝ち残るための手段ではない。
価格の罠にはまってはならない。
低価格は武器の一つに過ぎない。
自分にとって一番重要なものを、自らが戦うための武器として選択せよ。
そしてその武器を最大限に研ぎ澄ませ。

18.個々の会員との繋がりを重視せよ。
それに代わるものはない。
スタッフが会員と個人的な繋がりを重視せよ。

19.ネガティブな要素を徹底的に排除せよ。
フレンドリーでない、わかりづらい、クリーンでない、モラルが低い、混み過ぎている、というような施設のネガティブな要素を徹底的に排除せよ。
特に施設をクリーンに保つことは重要である。

20.常に新しい競合に対して迎え撃つ準備を整えていこう。
クラブのスタッフと、「自分達のクラブは何の領域で一番を目指すのか」ということについて話し合った上、合意をとって、それをクラブの最優先課題とせよ。
短所を無くすことよりも、長所を伸ばすことが重要である。
競合(民間クラブかもしれないし公共施設かもしれない)が現れたことを想定して、対応策を用意せよ。
現状への安住は、競争力減退のもとである。
手遅れになる前に何らかの手を打っておこう。

~ここまで~

17の「多くの人々にとって、クオリティは利便性よりも重要、利便性は価格よりも重要」は、胸に留めておくべき文言だと思います。

今般のフィットネス業界は、24Hジムなど利便性重視の施設が増えており、さらにそれらの施設が出店過多によって、低価格競争に陥ってきています。
そして、これらのクラブは、人による差別化が出来ないため、クオリティに変化を出せる要素がとても限定的であると感じます。

当社は、18の「個々の会員との繋がりを重視せよ」をまさに一丁目一番地としておりますので、「それに代わるものはない」という識者の言葉は、心強いメッセージでもあります。

お読みいただきありがとうございました。

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