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12月3日(日):孤独の問題は「ローカル」に引き寄せて考える

昨日はWHOが「孤独を差し迫った健康上の脅威」と位置づけたことを受けてForbes JAPANでアップされた「孤独は『1日15本の喫煙』に相当する健康への脅威」と題した記事のことを取り上げましたが、本日もその続きをもう少しばかり。

社会的つながりが乏しい、あるいは不十分な状態は心臓病のリスクを29%、脳卒中のリスクを32%増加させ、不安、うつ病、認知症、呼吸器系疾患、ウイルス感染のリスクも高めるという研究結果から、孤独が「1日15本の喫煙」に相当する健康への脅威と比喩されています。

この状況に対してWHOでは「社会的つながりに関する委員会」を発足させ、今後3年間で孤独の蔓延を「世界的な公衆衛生の優先的課題として確実に認識し、資源を動員する」としています。

これ自体は解決に向けたアクションの第一歩なので、それを踏み出していくことに大きな意義がありますが、孤独の解消は容易ではありません。

それは孤独が様々な問題が複雑に絡みあって生じている現象であって、問題の根が多岐にわたっているからです。

具体的には核家族化や単身世帯の増加、活動の屋内化とコミュニティの弱体化、ネットとポータブルデバイスの普及、社会の流動化とアイディンティティをめぐる問題、新自由主義のもとで拍車をかける自己責任化など、その要因は枚挙にいとまがありません。

だから多面的、継続的な取り組みでなければ、事柄が前に進むことはないと思っています。

また孤独を和らげるためには一定の「近さ」が必要で、これは物理的距離と心理的距離の両面についていえることです。

まなざしが届いたり、フォローをしようと思った時に手が届く距離にいるからこそできることがあります。

加えて配慮や相手への興味関心も相手との距離が近いほうが、それらを持ちやすいのは確かでしょう。

現在はオンラインでのサービスも広がって物理的な距離を越えやすくなったし、リアルでは居場所が感じにくい一方でオンラインであれば自分の居場所が感じられるケースもありますが、オンラインでは「できること」と「できないこと」があって、距離が近いからこそ埋められる要素があるのもまた事実です。

それゆえ孤独の問題を解消していくには物理的距離や心理的距離といった「近さ」をめぐる観点が伴ってきます。

すると、これは必然的に一定の「近さ」をもった「ローカルでの取り組み」が重要になってくることを意味します。

WHOでの委員会や政府による政策が起点になったり、背中を押してくれることはありますが、ローカルな「地域」のなかでの取り組みなしに問題が解消に向かうことはありません。

こうしてローカルな問題、ローカルな取り組みとして自分たちに引き寄せて考えていくことで、地域や自分の居場所からできそうなことが見えてくる面もあるはずです。

私たちはスクール制の小型フィットネスクラブを運営する民間企業ですが、そのような立ち位置だからこそできることもありますね。

明日も関連の話を続ける予定です。

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