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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論577」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第16号(2005.1.25発行)「カーブズモデル、九州で急展開(Bライン)」3~※名称等は当時、一部文章省略

成功モデルを掴む

Bラインのビジネスモデルは、同業態に共通して言えることだが、メンテナンスや清掃、水道光熱費が驚くほど低い。
水回りがないため、清掃は営業終了後の掃除機かけのみで、水道料金も基本料金しか掛からない。
人件費についても時給750円で一人での運営が可能。
同クラブの営業時間が主婦にとって便利な設定にしてあるため、パートスタッフにとっても働きやすい。
営業経験を持つ主婦がメンバーへの気配りも上手く適任の人材となっている。

Bラインの強みの一つに同社の会員管理システムがある。
これはS氏がスイミングクラブ運営で培った決済ノウハウと、施設を一人で運営するための工夫が盛り込まれたもの。
メンバーがセンサーにカードをかざすとチェックイン用画面がモニターに表示され、チェックイン・ボタンにタッチすると、目標心拍数と次回の効果測定日が表示される。
メンバーは測定日前後にスタッフに申し出ると、周径囲を測定し、入会時からどのくらい減ったかを確認できる。
そして、その結果を壁に貼り出している。
壁には減った数値が多い人から順に上から貼り出されており、最も多く減った人は合計38.5㎝も減っていることが分かる。
その他にもたくさんの人が効果を出していることが一目で分かるので、それを見るだけでも「自分も頑張ろう」という気になる。

Bラインのもう一つの特徴としてイットフィギュアーズの方式に倣い、ロイヤリティを納める必要がないことがある。
開業資金さえ用意できれば、開業後は各経営者が頑張れば頑張るほど、自社の利益を高めることができるようにしている。
これについてS氏は「月商120万円程度のビジネスですので、ロイヤリティが毎月掛かるのは物理的にも心理的にも負担になります。また運営システムは実にシンプルなものなので、継続的なノウハウの提供がなくてもすぐに自立できるビジネスだと思います。セミナーなどは継続して行っていきますので、必要に応じて参加していただき、そこで経営ノウハウの共有をしていく形を考えています」と話す。

S氏は、この業態を特に地方の独立系スイミングクラブやフィットネスクラブのオーナーに紹介していきたいと話す。
「一般的にフィットネス事業には多額の初期投資やランニングコスト、改修費などが必要となりますが、この業態であれば、30坪のスペースと600万円程度の投資で始めることができ、軌道に乗れば年間1,000万円の償却前利益を出すことも可能です。自クラブの近くにBラインを展開することで、商圏を守ることができますし、自クラブの会員予備軍を開拓することにも繋がります。事業リスクを分散させることもできます。もちろん個人でフィットネス事業を起こしたいと考えている方にも無理のないモデルだと思います」。

同氏のビジョンとビジネスモデルに賛同し、出店計画を持つ企業も既に複数ある。
福岡の住宅地でスタートした日本版イットフィギュアーズは九州地区から一気に浸透しそうな気配を見せる。
日本でのカーブスモデルもいよいよ成功モデルを掴みつつある。

~ここまで~

現在のBライン店舗網は、約40店程度と加盟店本部HPでは記載されておりました。

従ってカーブス以外のサーキットトレーニングジム同様に広がりという点では、加盟店ビジネスとして物足りなさが残るという歴史的評価になるでしょう。
その理由をアバター近藤なりに考察しますと、記事にある「主婦スタッフ一人で運営」というところが気に掛かります。

もちろん、その中にはビジネスキャリアが豊富な方もいらっしゃったでしょうが、長期に渡って小型クラブを経営していくには、トレーナーとしての専門能力と運営責任者としてのビジネス力がいずれ問われてくるはずです。

その辺りの経営・運営支援体制がカーブスとの比較において、違いがあったのではないかと推測されます。

お読みいただきありがとうございました。

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