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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論712」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第26号(2006.9.25発行)「返品自由の意味(商業アドバイザー・小柳剛照」2~※名称等は当時、一部文章省略

地方スーパーのトップに
さて、そういうポリシーを貫いてきたヨークベニマルは、新聞折込みチラシを見ると、他のスーパーではほとんど見ない文字が、チラシの下段に表示されているのを見ることができます。
「商品は完全品質保証いたします。万一、不良品がございましたら、たとえご使用後でもお取り替えいたします。」
お客様が「不良品」と感じたら、たとえ食べかけであっても返品交換に応じることを、チラシで宣言しているものです。
これは販売する側としては、非常に勇気のいることです。
味覚は人それぞれ。
手をつけた惣菜などを、「私の口に合わない。不良品だった」と持ち込む消費者が次々現れたらと考えると、返品交換自由という言葉は、なかなか使えるものではありません。

3つのメリット
ではなぜ、ヨークベニマルは返品交換に応じると、宣言しているのでしょうか。
それは、3つのメリットがあることを確信しているからです。
1つは、購入の敷居を低くできることです。
買ったことのない食材や惣菜は、買うのをためらうことがありますが、口に合わない場合、返品交換に応じてもらえるなら、試しに買ってみようと、消費者は考えやすくなるということです。
2つ目は、万一返品があった場合、どこに不満を感じたかを聞けることです。
返品制度が無ければ、消費者の小さな不満を把握できないまま、その商品の売れ行きがダウンするという事態になりかねません。
3つ目は、販売現場の緊張感が常に保たれるということです。
どのお客様に対しても、最高の品質のものを提供すること。
ちょっとでも不満を感じられると、返品されるおそれがあること。
そういう緊張感があれば、現場の品質管理は常に最高の状態に保たれるということです。

ヨークベニマルの好調の陰には、返品交換自由などの「お客様のため」というサービス精神があったということです。
フィットネスクラブやスイミングクラブ運営にもおそらく参考になることでしょう。

~ここまで~

フィットネスクラブの多くは、入会後のキャンセル返金を基本受付けなかったり、受付けたとしても入会金や登録料を手数料として差し引くといった方法で対応していると思います。

これを消費者側の思考で捉えると、ただでさえ目に見えづらいサービス、そしてサービス内容が理解しづらいフィットネスという商品に対し、さらに敷居が高くなる対応であることを感じます。

当社では、大々的に表示しているわけではないものの、お客様それぞれのご事情に応じて、入会キャンセルを無償で行い、かつ会費請求後(一般的には、毎月中旬に次月会費請求データを金融機関に送信する期限がある)の当月退会処理も、店舗責任者判断で柔軟にお受けする姿勢を取っております。

短期的な収入で考えれば、当然マイナスとなりますが、長期的にはプラスになる経営姿勢であることを今回の記事で再確認することが出来ます。

お読みいただきありがとうございました。

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