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5月23日(火):「健康日本21(第三次)」は第二次の反省をふまえて

先日は「健康日本21(第三次)」推進のための目標値(案)のことを取り上げましたが、本日も関連した話をもう少しばかり。

簡単に補足をしておくと「健康日本21」とは、健康寿命を延ばすことを目的とし、生活習慣病の予防や食事、運動などの目標を設定しているものです。

現在は第三次となる次期計画(2024年~2035年までの12年間)を策定していおり、約50項目の目標を掲げる方針で2023年6月に決定される見通しです。

そうしたなか2013年度より開始した「健康日本 21(第二次)」では合計 53 項目の目標が設定され、約10年にわたって運用されてきたなかでの最終評価としては以下のようになっています。

A、 目標値に達した :8(15.1%)
B 、現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある :20(37.7%)
C 、変わらない :14(26.4%)
D 、悪化している :4(7.5%)
E 、評価困難 :7(13.2%)
合計 :53(100.0%)

「目標値に達した」、「改善傾向にある」ものを含めて52.8%という状況ですから、取り組みの有効性・実効性は十分とは言い難いでしょうね。

少なくとも民間企業で10年をかけて実施したプロジェクトの類がこの結果であれば、これで打ち切りになってもなんら不思議ではない数字です。

こうした結果になった要因としては次のような事柄が挙げられていました。

「健康増進部局、国保部局、介護部局など健康づくりに関連する部局が複数にまたがっていることが多いが、住民に対して効果的に介入する体制について」

「健康増進分野における都道府県と市町村の役割分担が曖昧」

「サイクルの推進が国・自治体とも不十分」

一言でいえば「お役所仕事あるある」だと思います。

このあたりは実際にこうした部署と接点がある私たちも感じるところはありますね。

一例だと私たちは民間のフィットネス事業者ですが利益云々ではなく地域のために、という観点で健康推進課の担当者と取り組みについて合意をしていたものの、あとになってそれが反故になるケースもありました。

その理由は体裁ばかりを気にしたもので、本当に地域の健康推進を考えているのかは訝しく、それよりも保身ありきな姿勢ばかりが強く印象付きました。

第三次では「より実効性をもつ取組の推進」が掲げられ、そのなかには「様々な担い手(プレーヤー)の有機的な連携や社会環境の整備」が明記されるようです。

それによって官民の連携などがもう少し前に進むと良いですが、これまでの経緯からすると正直なところ期待薄ではありますね。

私たちのような民間事業者は自治体のような大きな枠組みの数字にコミットすることはできませんが、自分たちのクラブがある地域に対して「具体的にできること」があります。

日頃の運動習慣をはじめ、栄養面や休養面での望ましい習慣の定着など、これらは単発の取り組みではなく、継続的なフォローを要するものです。

それは日々の接点を持つ私たち事業者、トレーナーだからこそできることでもあります。

足取りは小さなものですが、健康分野に対して身の丈にあった取り組みを地道に続けていこうと思います。

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