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10月20日(金):若年層の書籍離れ

先週には文部科学省から2001年出生児(21歳)を対象とした「21世紀出生児縦断調査」の第21回調査(2022年)の結果が公表され、読書習慣を持たない割合が非常に多くなっている状況が報じられていました。

「21世紀出生児縦断調査」は、2001年に出生した子供の実態や経年変化の状況を継続的に観察するため毎年実施しているもので、対象は2001年1月10日~17日、7月10日~17日に出生した子供で(調査時の年齢は21歳)、調査対象者の現在の状況は、「大学」55.9%、「短期大学」0.7%、「高等専門学校」0.3%、「専修学校・各種学校」5.9%、「就職者」24.5%となっています。

同調査で読書習慣として、この1か月に読んだ書籍の数を尋ねた結果、「0冊」と回答した人の割合は「紙の書籍(本)」で62.3%の結果でした。

Z世代ゆえに紙の書籍ではなくデジタル移行が進んでいるのかと思いきや、「電子書籍(本)」での読書が0冊だった人の割合は、それ以上に多い78.1%です。

書籍の対象を雑誌やマンガまで広げてみても、1か月の間に読んだ「紙の書籍(雑誌・マンガ)」が0冊の人は51.9%、「電子書籍(雑誌・マンガ)」においても57.3%と、いずれも半数以上が雑誌やマンガですら書籍の類に目を通してないことがわかります。

関連して現在、大学生の調査対象者には、生活で何に時間を割いているかの質問も行われており、「部活動やサークル活動」は週1時間未満との回答が69.2%でした。

これをみると他のことに時間を割かれていて本を読む時間がない、というわけでもないから純粋に書籍離れが進んでいるように思えます。

現状では動画などのデジタルコンテンツやSNSが中心になっているんでしょうし、あとはスマホでのゲームや音楽、リアルではアルバイトなどに時間が振り向けられているのかもしれません。

先の調査は2001年出生児を対象にしたものですが、当然ながら前述した結果は現状の21歳だけに限定されるわけではなく、前後する年代も類似した傾向になっていると捉えるのが自然でしょう。

それだけに若年層の書籍離れは着実に進んでいると思っていい気がします。

こうした状況は、この数年の自社の20代の社員たちを見ていても感じるところはありますね。

トレーナーとして分からないこと、調べたいこと、掘り下げて学びたいことがあった場合、私たちの世代であれば専門書などを手に取りますが、20代の彼らはネットで動画を探すことをファーストチョイスにしています。

それで本質的な理解に至っていれば良いですが、決してそうではなくて表面的に「わかったつもり」で終わっているケースが大半です。

また仕事人として読書習慣の形成は大事なので、社内では若手社員を対象にして「月イチ読書」の課題も実施をしていますが、なかには書評を読んで済ませているケースもありました・・・

読書習慣の有無や読書量だけの問題ではありませんが、それでもこれらの要素が個々の成長速度の一因と関係している面はありますね。

書籍を通じて得られる学び、育まれる感性は多分にあるので、会社としては引き続き必要性を伝えつつ、「きっかけ」を与え続けていこうと思っています。

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