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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論760」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第32号(2007.9.25発行)「減る入会者数、成長には優れたスタッフとソフト力が必須」1~※名称等は当時、一部文章省略

社団法人日本フィットネス産業協会(FIA)が中心となってまとめ、毎年書籍として刊行している「フィットネス産業基礎データ」の2006年版が上梓された。
第一部は2005年11月に経済産業省が調査した「特定サービス産業実態調査報告書」の分析であり、第二部は2006年11月にFIA等が独自に調査した「企業トップ調査」の分析である。
以下に、それぞれの調査結果を分析した要旨をまとめた。

「特定サービス産業実態調査報告書」

・フィットネス市場、年率5~6%のペースで成長
2005年11月時点のフィットネス市場は、クラブ数1881軒(2002年1708軒)、市場規模3858億円(同3259億円)、参加率3.01%(同2.58%)、客単価8345円(同8249円)と成長を持続させている。
市場規模はこの間に年率5~6%づつ伸び、またクラブ1軒あたりの人口が6~7万人となった。

・高参加率は東京、千葉、さいたま
参加率(総人口に占めるクラブ個人大人会員、個人家族会員、スクール大人会員、スクール子供会員の総計の割合)は同調査で初めて3%台となった。
政令指定都市別にみた最も高い参加率は東京23区で5.86%、次いで千葉市(5.67%)、さいたま市(5.42%)、川崎市(5.09%)、大阪市(4.9%)の順となっている。
会員人口密度(人/k㎡)では、東京23区(800人/k㎡)、大阪市(586人/k㎡)、川崎市(473人/k㎡)、横浜市(339人/k㎡)、名古屋市(300人/k㎡)の順となっている。

・P、G、S型が増加
施設パターン別にみて増加したのはプール、ジム、スタジオ(P、G、S)型で2001年11月と比べ143軒増え、1362軒(構成比72.4%)となった。
また、ジム型も24軒増え178軒となった。
この24軒の中にはこの頃から徐々に増え始めた女性専用サーキットトレーニングジムが一部含まれる。

~ここまで~

2021年のフィットネス市場規模(フィットネスビジネス誌調べ)は、4110億円、参加率3.45%となっており、15年ほど前の指標と比較し、微増といった状況です。

大きく違う点は、クラブ数が6757軒と大幅に増え、その構成比がカーブス(2000軒超)、エニタイムフィットネス(700軒超、さらに現在は1000軒超)などサーキットトレーニングジムや24時間ジムが大半を占めるようになったことです。

日本のフィットネス業界は、ダイナミックな変化が乏しい業界と見られてきましたが、実際の数値で振り返ると中身は大きく変わったことが分かります。
まさに記事当時は、総合型クラブ大型化が全盛の時代であり、その他の記事も威勢の良い文言で飾られています。
栄枯盛衰は必然であるものの、掲載企業の中には、現在存在しない企業も結構あり、当時をリアルで知る立場としては何とも寂しい思いも感じるところです。

お読みいただきありがとうございました。

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