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2月21日(火):若いうちに「普遍的な視点」を

先般には書籍「解像度を上げる(馬場隆明著)」を紹介しましたが、それに付随した話をもう少しばかり。

同書の副題は「曖昧な思考を明晰にする『深さ・広さ・構造・時間』の4視点と行動法」となっているように、解像度を高めるために必要な視点としてこの4つを挙げています。

これらの視点、思考のフレームは非常に普遍性の高いものだと思います。

以前には書籍「進化思考(太刀川英輔著)」も紹介したことがありました。

同書を一言で説明すると生物の進化になぞらえながら創造するための思考のプロセスを構造化・体系化したものです。

もう少し具体的な説明をすると創造的な思考は生物の進化と類似するところがあり、「突然の変異」と「環境への適応」を経て種が進化を繰り返してきたように、創造的な行為もまた「変異」と「適応」の間を相互に行き来することでそれが形になっていくと示唆しています。

書籍内では変異としての「偶発的なアイデアを大量に生み出す発想手法」を説明するほか、発想した先で対象との最適な関係を見出す適応の観点に触れており、そこで挙げられているのは以下の観点です。

「解剖=内側の構造と意味を知る」、「系統=過去の系譜を引き受ける」、「生態=外部につながる関係を観る」、「予測=未来予測を希望に繋げる」です。

表現や多少のニュアンスの違いこそあれど、本質的に示唆している点は重なります。

「深さ」と「解剖」の共通性はもちろんのこと、視点のズームイン・ズームアウトをはじめ、思考のレイヤーにおける具体と抽象なども、同じ軸における両極間の行き来です。

また「時間」と「系統」も同様ですが、すべての物事は時間軸のなかに位置付けることができて、どんなものであってもそれ以前の流れを汲んでいます。

それは従来の流れを踏襲して最適化、進化といったこともそうですが、それ以前のテーゼに反論・反証することで次の次元にいくような展開も含めて、過去の流れと無縁というものはありません。

そのほか、かつて構造主義が唱えられたように構造が物事をつくるとか、構造が在りようを規定する面は確かにあるから、構造に着目する点も大切でしょう。

こうした普遍的な視点、思考のフレームは仕事において自分の身を助けるし、そこでの発見や発想によって仕事をいっそう面白いものに変えてくれます。

だから若いうちに先のような普遍的な視点を養っていくと良い、というのが若手社員に向けた私からの助言です。


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