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11月28日(火):放映権をめぐって・・・

昨日に続いて本日もサッカーに関連した話を少しばかり。

最近のサッカー関連で一番残念だったことは、2026年W杯のアジア2次予選における日本対シリア戦のテレビ放送、ネット配信がなんら行われることなく終わってしまったことですね。

前回のW杯アジア最終予選時には一部のアウェーの試合で地上波での放送がなくて、そのことが話題になりましたが、そうした時でもDAZNによるネット配信はありました。

ただ、今回に限っては地上波だけでなくネットでの配信もない異例の事態となりました。

この30年ぐらいの間でW杯予選の日本戦が地上波もネット配信のいずれも行われなかったことは記憶にありませんね。

本件はメディアでも取り上げられていましたが、その背景の一端として放映権料の高騰が挙げられています。

今回の試合の放映権はシリアサッカー協会に帰属し、それを販売する現地代理店と日本サッカー協会やメディアが交渉する形でしたが、両者間で折り合いがつかずに未放送・未配信の運びとなりました。

詳細は定かではありませんが、一部のニュースで報じられていた内容によれば放映権料には1億円の値が提示されていたとも言われています。

サッカー界にもこの20年ぐらいの間に様々な資本が入ってきたし、ネット配信が始まった頃からはスポーツコンテンツの価値がさらに高まりました。

それによって一部には各国の協会やリーグ、クラブ、選手が恩恵を受けた面はあるものの、その反面としてお金ありきのビジネス色が強まった感は否めません。

先般にはちょうどDAZNの番組で「22YEARS」と題して、中田とトッティの22年ぶりの対談が公開されましたが、そこでも「お金がサッカーをダメにしている」旨の見解が示されていた通りです。

実際に2人がいたローマが優勝した時代には、イタリアのセリエA全盛期であって世界中の名プレイヤーがそこに集っていましたが、その後にセリエAの格が下がって低迷をした背景には、間違いなくお金に絡んだ諸問題がありましたからね。

お金があってクラブや選手、サッカーが回っている面があるのはもちろんですが、あまりに強欲が過ぎてしまったり、お金を中心にしてサッカーを考えてしまうと、本来のスポーツやサッカーの形が歪められてしまいます。

前述した2人の対談でも「本来のサッカーは楽しいもの」であって、それを見たいからスタジアムに行くのに、そうした創造性が失われつつある現状が憂慮されていました。

今回のシリア戦についても、サッカーファンはただ純粋に試合を楽しみたいだけなのに、一部の利権者によってそうした場が奪われているのは非常に残念な限りです。

一方でそうした流れに歯止めをかけるためには、吹っ掛けられた放映権に手を出さない姿勢を示し、公正性・公共性のあるコンテンツとして扱われるように求めていくことも必要なので、その過渡期としての現象だと受け止めるしかないですね。

そんなこんなでいずれは純粋に、そして気兼ねなくサッカーを楽しめる状況になっていくことを願うばかりです。

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