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6月25日(火):子どもの体験・学び応援事業「みらいハッ!ケンプロジェクト」

長野市では今年の4月から子どもの体験・学び応援事業として「みらいハッ!ケンプロジェクト」が始まっています。

こちらは家庭における所得の格差が、そのまま子どもの体験格差につながっている現状をふまえ、子どもの体験格差の解消に向けた取り組みで、長野市と経産省との協働モデル事業としてスタートしたものです。

昨秋に行われた実証実験を経て、今年度から正式なプロジェクトとなりました。

具体的な内容としては長野市内で活動する団体や教育事業者と連携し、市内小中学生約28,000人を対象にスポーツ・文化芸術・自然体験等で利用できる電子ポイント3万円分が提供されます。

このプロジェクトの良さは子どもがやりたいと思ったことに対して応じられる選択肢の幅が広い点ですね。

進学に向けた学びを希望すれば学習塾に使うこともできるし、身体を動かすことが好きならば、サッカースクールやスイミングスクール、自然のアクティビティやキャンプ、そして文化的なことであれば音楽や芸術鑑賞も可能です。

今回のプロジェクトの原型になっているのはチャンスフォーチルドレンが実施している「スタディクーポン」の仕組みです。

スタディクーポンは主に寄付金を原資として日本中の様々な地域で、低所得家庭の子どもたちに対する学校外教育費用の支援ですが、前述のプロジェクトでは長野市や経産省を絡めて公的な資金を使った支援となっています。

そんなスタディクーポンを提供するチャンスフォーチルドレンの代表の著書「体験格差」でも、子どもに選択肢があることの大事さに触れています。

以下、書籍内の抜粋です。

「何かを一度もやったことがなければ、それが好きか嫌いかもわからない。何かを一度も食べたことがなければ、それが好きか嫌いかもわからない。どこかに一度も行ったことがなければ、その場所が好きか嫌いかもわからない。子どもにとっての想像力の幅、人間にとっての選択肢の幅は、大なり小なり過去の『体験』の影響を受けている。貧困状態にある子どもたちは、『過去にやってみたことがあること』の幅が狭くなりがちなのだ。体験格差とは、今を生きる子どもたちにとっての楽しさや充実感の問題でもあり、将来の人生の広がりに関わるより長期的な問題でもある。そのどちらも極めて重要だ。そうであるにもかかわらず、子どもたちの『生まれ』によって『体験』の機会に格差があることは、この社会ではあたかも仕方がないことのように捉えられてきてしまったのではないか。」

子どもの10人に1人が相対的貧困に置かれている状況をふまえれば、こうした取り組みは非常に意義のあることだと感じます。

私も長野のスポーツクラブ様と長年のお付き合いがある関係で、幸いに今回の「みらいハッ!ケンプロジェクト」に間接的に携わる機会をいただきました。

継続的な取り組みにしていくには意義だけでは難しいので、参画するパートナー企業にも利益がある状態をつくりながら、今後も末広がりになっていけばと思っています。

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