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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論468」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第11号(2004.3.25発行)「コラボレーション」8~※名称等は当時、一部文章省略

5.コラボレーションの実際

(1)病院・医師とのコラボレーション

アメリカなどではクラブがリハビリテーションエリアを付帯し、民間の保険会社から補助を受けて顧客を受け入れる動きが既に数年前から起こっている。
クラブの中にはメリーランドアスレチッククラブやゲインズヒルヘルス&フィットネスセンターのようにクラブ棟とは別にウェルネス棟を設け、そこにリハビリテーションを必要とする顧客を積極的に受け入れようとするところもある。
こうしたクラブはフィットネスジムにあるマシンと同じマシンをウェルネス棟に数機種揃え、PT(理学療法士)を配してウェイトトレーニングによるリハビリをきめ細かく指導することなどによってクラブへ入会しても、その後のトレーニングがスムーズにできるようにしている。
つまり、入会への自然な流れを意図的に作っているのである。

セントラルスポーツはまた2002年3月から医療機関と提携し、主に会員を対象として採血健診(料金7,000円)を実施している。
これは同病院からクラブに医師・看護師を派遣して貰って行うサービスであり、顧客にとって安心感もあることから既に延べ1.5万人以上の方々に受け入れられている。
売り上げベースで試算すると1億円以上にものぼる。
こうしたサービスも病院とのコラボレーションの一例といえる。

病院は被採血者のデータを分析することによって生活者の健康度がどの程度で、どんな疾病が増えているのかといった傾向や、地域別にみた疾病者の特徴などが掴める。
病院はセントラルスポーツにこうした情報の一部を提供し、同社はその情報をもとに、疾病予防または改善に繋がるプログラムを開発して各クラブで顧客に提供するようにしている。
確実に成果はあがりつつあるが、同社常務取締役G氏は「こうした取り組みは、本来、国や自治体、業界団体などがイニシアティブをとってすべきことだと思います。」という。

採血健診の啓発や健診結果の解説、予防・改善が必要な場合の対処の仕方、生活習慣の変え方、運動の必要性とそれへの取り組みなどへのガイドは確かに国家レベル・業界レベルで行った方がよいだろう。
それをすることにより国や自治体、業界が抱えている医療費の削減という大きな問題の解決に繋げられる。
セントラルスポーツと医療機関の取り組み以降、同様の取り組みが各所で見られるようになってきている。

ルネサンスは「こころとからだの元氣プラザ」と組み、血液検査だけでなく、尿検査や心電図検査なども提供している。
またメガロスは河北総合病院と組んで会員に通常より安価で人間ドック検診が受けられるサービスを提供している。
両クラブとも両病院に対して、検査を受診した一般の方に入会特典を提供して、販促して貰えるよう協力を依頼している。

~ここまで~

当社小型クラブの平塚店では、最近、リハビリ難民の方に積極的に足を向けて頂けるようなメッセージをチラシ等で謳っています。

日本においては、かねてより、このつなぎ目がうまく機能しておらず、健康な人がさらに健康を目指すフィットネスクラブ(参加率3%の一般的な業界クラブ)か健康を損ねてから行く病院やケア施設に二極化され、その間の方々を受け入れるクラブが非常に少ないと言えます。

国内フィットネスクラブのほとんどは、1人で利用できない状態の入会希望者を入口でシャットダウンしているの現実があり、20年前の米国の取り組みにも追いついておりません。

先日、大和店でも通常のクラブではまず受け入れないだろう状態の方について、初期フォローを会議で検討している姿をみると、これこそが業界人のあるべき姿ではないかと改めて思った次第です。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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