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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論729」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第28号(2007.1.25発行)「不利はサービスでカバーする(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

一つのアイテム(品目)を観察し続けてみると、そこに消費される金額は、一般的には山型のカーブを描きます。
人気が出れば、山道を登るように、徐々に売上が上がっていき、そしてやがてピークを過ぎて、新しい商品やサービスの登場とともに、静かに消えていきます。
それが一般的な商品の一生でしょう。

しかし最近は、そのカーブの角度が鋭角になってきました。
すなわち、急に人気が高まったかと思えば、あっという間にピークが過ぎ、急に人気が低下していく、というパターン。
新製品開発のサイクルが短くなっていることに加え、そこに消費者の「飽きる」という習性が重なることで、商品寿命はどんどん短くなる傾向があるものです。

リニューアルに多額の費用が掛かる業界にとっては、これは頭の痛い問題です。
フィットネスクラブ、スイミングクラブの場合も、設備が古いままでは、顧客離れに拍車がかかるのではないかという不安が、つきまといます。
といって、顧客ニーズに合わせるために、頻繁にトレーニングマシンなどの入れ替えをするのは、難しいでしょう。
では、そういう状況を、サービスでカバーしてはどうでしょうか。
手間さえ惜しまなければ、大きな顧客満足を生むことも不可能ではないはずです。

奥会津の人気旅館

「花ホテル滝のや」(福島県柳津町)は、雪深い奥会津にある小さな旅館です。
会津若松からのJR只見線は、片道一日6本しかないなど、交通は非常に不便。
そのうえ、建物も古く、4階建てなのにエレベーターさえありません。
それにも関わらず、この旅館は首都圏からもリピーターが訪れる、人気旅館なのです。
その秘密は、サービスにあります。
「場所が不便で、建物が古い代わり、心からのサービスを実施します」と、様々な無料サービスを実施。
そのサービス精神が広く伝わり、遠方からも宿泊客が訪れる旅館として知られるようになりました。

<実施中の無料サービス>
①到着から出発まで天然水のコーヒー、紅茶、ココア、山野草のお茶のサービス
②予約により早めのチェックイン、遅めのチェックアウトの延長無料サービス
③ノートパソコンの無料貸し出し
④デジカメ、ビデオカメラ機の無料貸し出し
⑤撮影した画像や動画をオリジナルCDかDVDにして各部屋1枚無料プレゼント
⑥スキーセット、スキーウェア無料貸し出し
⑦サイクリング用自転車無料貸し出し
⑧天然温泉屋上露天風呂を1時間無料貸し出し
⑨IP電話無料使用可
⑩地元観光ガイド無料ご案内

~ここまで~

「建物が古い代わり、心からのサービスを実施します」は、まさに当社小型クラブのALIVEが該当します。

会員様に適正価格でサービスを提供するには、通い続けることが出来る会費設定が大切であり、そうすると、家賃を抑えるために築年数の多い建物に入居する必要が生じます。

元々、小型クラブですから、マシンも必要最小限の種類しか設置せず、また建物も古いとなれば、競争力的には本来、弱い部類に入ってしまいます。
従って、それを補って余りあるサービスとして、トレーナーの専門力はもちろん、様々な顧客接点における有形無形のサービスを提供しなければなりません。

その意味で、上記の無料サービス自体は、業種が違うので、取り入れることは出来ませんが、遥かに難しい立地で成功している事例を確認し、心強い想いが致します。

お読みいただきありがとうございました。

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