見出し画像

3月22日(水):ハコモノに頼らないコミュニティ構築

この数日間は政府が進めようとしている学校や家庭以外の子どもにとっての「第三の居場所」づくりに向けたモデル事業に端を発して、コモンのことやコミュニティに触れています。

各地でコミュニティを再構築している山崎亮氏は著書「コミュニティデザインの時代」のなかで「まちが寂しくなった理由」として「活動の屋内化」と「コミュニティの弱体化」を挙げていました。

同氏はその解決策のひとつとして「自由に使える空間」と「テーマ型コミュニティ」の掛け合わせを提示しています。

この考え方に立てば前述のモデル事業のように必ずしも新しい施設を新設しなくても出来ることがあると思います。

例えば以前に私たちの運営するフィットネスクラブでは、市の公民館に付帯されている調理室を借りて、男性向けの料理教室をやったことがありました。

スペインのサンセバスチャンには男性の料理コミュニティの美食倶楽部があって、週末に自分たちで楽しんで料理を作り、つくった料理とともにお酒を楽しみながら語らう場があるといいます。

このケースなら料理をする厨房さえあれば類似したコミュニティを育てることができるから、こうした既存施設の開放度を高めるだけでもコミュニティが生まれる余地があります。

私たちが実施したイベントでは会員様が対象でしたが、例えば子ども同伴で一緒に調理をして、みなで食卓を囲むように、子どもの参加が前提になっている場合には、自治体がそうした施設を無償、あるいは格安で貸し出すことがあっても良いかもしれません。

基本的に自社でやるイベントはそこで利益を生もうとは思っていないから基本的に無料参加か、何か実費が発生する場合のみそれをご自身で負担いただく形にしています。

だから施設を無償に近い形で貸し出してもらえるなら、私たちのような民間企業も費用負担なく無料イベントとして地域との接点づくりにも取り組むことができます。

これはあくまでも一例ですが、既存の設備の開放度を高めるだけであっても、子どもが楽しむ場を増やすことができるし、親子で何かに参加をしてみる機会を生み出すことができるはずです。

以前にも触れたように、そもそも子どもの孤独は決して子どもの社会だけで生じているものではなく、大人も含めた地域社会のなかで生じていることです。

だからこそ周囲の大人も巻き込んで、子どもに関与する人や団体との接点を多面的に張り巡らせていくことが必要でしょう。

ハコモノ行政としてハード面の公園を新設することに対してだけ補助金を出すのではなく、既存の設備をフル活用するような運用面に目を向けることでの活路もあると思っています。

宜しければサポートお願い致します!