見出し画像

10月25日(火):オンラインと脳

この数日はコロナ禍でのマイナス影響として、活動量の低下に伴う体重増加、脂質異常、そして人との接点が減ることでの認知機能の低下等に触れています。

関連して最近は「脳」にフォーカスをした書籍が増えてきました。

具体的には「スマホ脳」をはじめ、「オンライン脳」、「ストレス脳」などといった感じです。

いずれにも共通するのはスクリーンタイムが長くなることでのマイナス影響をはじめ、コロナ禍で浸透したリモートワークや各種オンラインでのやり取りについて、利便性がある反面でのマイナス影響を示唆しています。

例えば東北大学の川島教授が著者である「オンライン脳」ではオンラインに伴う難しさや脳の観点から見た負担に言及しています。

具体的には距離、空間的な制約を超えるオンラインはこのうえなく便利ではあるものの、そのことと私たちの「脳がどう感じているか」は、まったくの別物だという指摘です。

例えば対面でのコミュニケーションだと実際に人と接することで脳がさまざまな刺激を受けることで活発に働きます。

これに対してオンラインでは画面のなかの情報に限定されるために刺激が少なく、脳の一部しか働かないといいます。

また、対面でお互い顔を見ながらよいコミュニケーションがとれた場合には、お互いの脳活動が「同期する」という現象が起きるそうです。

一方のオンラインでは脳が「同期しない」との実験結果が出ており、換言すれば脳活動が同期しないことは脳にとって「オンラインでは、コミュニケーションになっていない」とも表現されています。

つまり情報は伝達できるけれども、感情は「共感」していない、という状態ですね。

「脳」にフォーカスをするとオンラインにはこうした難しさがあるからこそ、同じ時間のミーティングを実施したとしてもリアル以上に疲れを感じやすいのだと思います。

そして一定の度を越していくと「うつ」状態になりやすかったり、脳の発達が遅れることも指摘されているので注意が必要です。

書籍「ストレス脳」でも類似していて、オンラインでの画面越しでは社交欲求が十分に満たされずに孤独感が深まっており、リアルでの肉体的な側面への重要性に触れています。

コロナが蔓延しだした当初で、まだその全容すら掴めていない時には安全を考慮してオンライン中心になるのは致し方なかったですが、そうしたことをはじめて2年半ほどが経過をするなかでマイナス面がいろいろと顕在化してきた状況でしょう。

その当時はリモートやオンラインを礼賛して、通勤などは「古い」とか「無意味」と断じるような声もありましたが、決してそうではないということですね。

いつも言うように物事には二面性が伴い、当然ながらオンラインにおいても功罪両面があるから、良い側面だけを見たりトレンドだけに流されていると思わぬ落とし穴に陥ります。

そこはプラスとマイナスの両面を見ながら最適な形、バランスを考えるのが大切だと思っています。


宜しければサポートお願い致します!