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5月24日(金):認知症は「ケアの力」がQOLを左右する

先般に厚生労働省研究班が認知症の患者数が2030年には推計で523万人にのぼる見通しの発表を受け、この数日は関連のことを記しています。

以前にも記したように現在の推計は10年前の推計よりも下振れしている面もあるので、予防や治療、介護を含めて社会全体での取り組みを充実させて、現在の推定からさらに下振れさせることができれば良いですね。

一方で前述したように高齢者の7人に1人が認知症になる割合を考えると、自分の家族や知人、近隣の方など身近な誰かが認知症になるケースは避けられないので、認知症への理解を深めておくのは大切です。

一昨日には関連の書籍を幾つかピックアップをしてご案内をしましたが、認知症に際して適切な対応ができるかどうかが、本当に患者さん本人や家族を含めたQOLを大きく左右するのだとわかります。

書籍「認知症の名医9人」に出てくる医師の一人は認知症の「周辺症状(BPSD)なんてほとんど孤独からきているようなものですから」と説明されており、良い人間関係の構築や社会的包摂の重要性に触れていました。

そして関連する介護施設での患者さんの例が出ていましたが、大病院で様々な管につながれて寝たきりになっていた方が、その介護施設に移って薬を抜き、同施設のスタッフが心を支え、生活を支えるなかで、わずか1ヶ月程度で劇的に状況が好転している様子には驚きを受けました。

「すべてはケアの力です」との言葉が印象的でしたが、患者と介護スタッフとの間柄による信頼関係はもとより、人間的な関係のもとでのケアの重要性をこのうえなく感じた次第です。

コメントをしていた医師をして、様々な介護を見てきたなかで「日本で1番か2番」と言わしめる介護施設だそうですが、ケアのありようでここまでの違いが出るんだというのがよくわかりましたね。

どんな世界にもプロがいるわけですが、前述した方々は介護の世界における本当のプロフェッショナルなのだと感じました。

仮に身近な誰かが認知症になれば家族として直接的に介護に携わるのはもちろんのこと、どんな病院を選択するのか、どんな介護施設を選択するのか、それもまたこのうえなく重要です。

それらを選ぶ際の判断基準、何を大切にすべきかを考えておくのも大事なことだろうと思います。

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