7月16日(火):梅雨明けに向けた暑熱順化を
そろそろ梅雨明けが目前になってきましたが、梅雨明け以降は連日の猛暑日が予想されます。
まだまだ暑さに身体が慣れていない方も多いでしょうから、熱中症の緊急搬送が増えてしまう懸念がありますね。
暑さに身体が慣れることを指す「暑熱順化」について、今年は昨年以上にメディアでも取り上げる機会が増えたように思います。
この暑熱順化をしていない状態だと汗の出る量が少なく、熱を放出しづらいため、深部体温が上昇しやすくなります。
また人間には発汗の際にミネラルを無駄にしないように再吸収する仕組みがあるものの、暑熱順化をしていない状態だとミネラルの再吸収が少なく、それらが失われてしまいがちです。
これに対して暑熱順化によって起こる身体の変化でいえば、汗のもとになる血漿が増えて発汗量が増えるため、体内の熱を逃すことで深部体温の上昇幅を抑えて心拍数も下がります。
加えて発汗によって失われがちなミネラルの再吸収率も高まっていく性質があります。
人間には誰しも暑さへ自然に順応していく力を備えているものの、慣れるまでには一定の期間を要するし、昨今は気温の上がり方も著しいから、暑熱順化に至るまでの間での熱中症が増えているように思います。
そのため夏前には意識的に暑熱順化を進めることもひとつでしょう。
暑熱順化のための一般的な方法としては以下のような点があげられています。
・暑熱での運動を5~14日間実施する
・深部体温は38.5度以上まで上げる
・2週間ほどで完全に順応する
なお、最近は暑熱順化への様々な研究が行われていて、一般的な方法のほかにも効果的なアプローチも見えてきつつあります。
そのあたりは、また明日に続けます。
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