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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論773」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第33号(2007.11.25発行)「増える、プロショップのアウトソーシング」2~※名称等は当時、一部文章省略

加速する専門企業へのアウトソース
大手・中堅企業でさえ、利益を出しにくくなっているプロショップを中小・ベンチャー企業が自主運営して利益を出すことは相当に難しいといえよう。
だが、解決策がないわけではない。
中小・ベンチャー企業にも対応するプロショップ運営の専門企業にアウトソースすればよい。
株式会社Wはそうした専門企業の1社だ。
同社は効果的なマーケティングと効率に拘る経営で知られる「ホリデイスポーツクラブ」や「レフコ」、「ジョイフィット」など現在100以上のクラブのプロショップ運営代行をしており、毎月コンスタントに委託先企業を増やしている。
同社のビジネスモデルは、クラブに在庫リスクを負わせずに売れ筋の商品や独創的な商品(一般的なクラブがあまり扱っていないメタボ対策やダイエット対策に有効なローカロリー食品を始め、賞味期限は短いが、リピート性の高い健康食材など)を供給し、販促サポートを行い、売上を促進、20%の利益を保証するというもの。
委託主の1つ、「フィットネスクラブレフコ」でプロショップ業務を兼務するフロント担当のS氏は、W社によるアウトソーシングサービスのメリットを次のように話す。
「会員様のニーズに対応した新しい商品の選定や品数の豊富さは、私たちだけでは対応できませんので、たいへん助かっています。在庫の負担も無いうえ、什器もとてもきれいなものを無償で提供してくださっています。以前と比べショップ自体が明るくなり、売上もとても増えました。」

自主努力、尚も肝心
専門企業にアウトソースしたとしても売上や利益を高めるためには、尚、自主的に工夫と努力をすることが欠かせない。
前出レフコのS氏は「自分たちの店という意識を常に持ち、創意工夫を続けることが大事です。例えば品揃えしている商品をまず自分たちで食べて、その良さを実感してお客様にお伝えしたり、新入会員の多いプログラムの終わりに、インストラクターから試食を勧めてもらうといったことをしています」と語っている。
この他、同クラブでは、オリジナルのPOPや掲示板、ブログなどを利用した販促など売上を伸ばすための積極的な取り組みを行っている。
専門企業のメリットを活かしながら、「他力本願」にはせず専門企業と協働して売上や利益を作っていく姿勢が大事だということだろう。

~ここまで~

在庫リスクを負わず、また什器の無償貸出もあって20%の利益保証をしてもらえれば、総合型クラブにとってメリットは非常に大きいと思います。
総合型クラブのプロショップ担当を過去に経験した身としては、やはり在庫管理業務に労力が掛かり、そのうえ販促活動を並行して、他業務含め実行していくことは相当に負担がありました。

このようなアウトソースであれば、販促活動に集中できて良いなと思って、W社を検索したところ、残念ながら記事の数年後に破産しているようでした。
冷静にみると、このビジネスモデルは委託側にはメリットがあるものの、受託側は全てのリスクを一身に負うものであり、契約企業が増えれば増えるほど経営リスクが高まる危険なビジネスのように感じます。

ノーリスクで安定したリターンを得られる上手い話など、長くは続かないということでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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