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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論681」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第23号(2006.3.25発行)「癒しのある理髪店(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

景気はどうやら回復傾向にありそうです。
でも消費動向はどうでしょう。
消費者には、心からのゆとりは、まだ生まれていません。
サービス業が消費拡大の恩恵を受けるには、サービス業自身が、消費者のゆとり感創出のお手伝いをすることが必要なようです。
サービス業の中で、じわじわと衰退してきた業種の一つに、「理容業」があります。
かつては、理容師の資格があれば、一生不安なく生活できるというのが常識でした。
しかし顧客の調髪回数が減り、しかも客数も減少。
その結果、経営が悪化したものです。

昔は多くの人にとって、一ヶ月に一度が調髪の目安でした。
でも今は、調髪の間隔が広がる傾向にあります。
一ヶ月半から二ヶ月スパンの人は珍しくありません。
また、客数減少については、理由はお分かりでしょう。
若い男性では、理髪店ではなく、美容室でカットする人が増えているからです。
理髪店は「古臭くてダサい」というイメージが持たれ、若い男性客に敬遠されるようになったものです。

そして今、既存店の理容業界に決定的なダメージを与えつつあるのが、「千円カット」などの低料金理髪店です。
余分なサービスを省き、10~15分程度の短時間で済むことも歓迎されて、全国的に増殖中。
でもそういう状況下にあっても、適正料金で、あるいは高額とも思える料金でも、お客様を集める理髪店もあることに注目すべきでしょう。

髪を切ったら元気になった

「㈱スカイ」(本社:東京都千代田区)は14店舗を展開し、2003年度の売上は8億3500万円。
従来の理髪店と美容室、二つの業態の長所を融合させながら、新しい時代に対応するサービスづくりによって、低料金でなくても消費者の支持を得られることを実証してみせました。

今はストレスの多い時代。
消費者は癒しを求めています。
そこで通常のヘアカットに、7つの癒しをプラスした「カット癒しコース」を好評展開中。
理髪店は髪を切る店ではなく、「髪を切ったら元気になった」と言われる店になることで、支持を得たものです。
女性向けのシェービングサロン、男性向けの爪の手入れとお肌のお手入れなども、潜在的な需要にマッチしてヒットしたメニュー。
理容、美容という枠組みを外し、お客様が何を望むかを見つめれば、客単価を上げるメニューづくりは可能と分かります。

~ここまで~

記事によれば、理髪店というものを、単に「髪を切る店」ではなく、「髪を切ったら元気になる店」に変えたことが好調の要因と記されております。

これは、フィットネスに置き換えても非常に分かる理屈であり、単に「運動をする場所の提供」か、「運動をして元気になる場所の提供」であるかは大きな違いです。

単に運動をする場所であれば、それこそ低料金の公共施設でも、公園でも海でも山でも代替可能です。
やはりそこには運動をした結果、何が残るかが重要であり、単なる機能的価値の提供に止まらない情緒的価値の提供が、民間クラブには当然求められていると考えるべきだと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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