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8月8日(月):「カルチャー」×「ダイナミック・ケイパビリティ」

この10日間ほどは企業文化と関連して遠藤功さんの新刊「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」を引き合いに自分のなかでの整理も兼ねて同書の内容と紐付けたことを記してきましたが、本日あたりで一区切りにしようと思います。

これまでは組織風土、組織文化など「現場力としてのカルチャー」の大切さ、またそれらを育てるための取り組みを記してきました。

こうした健全で活力あるカルチャーが重要なのはこれまでも再三述べてきましたが、このカルチャーを作って終わりではありません。

「現場力としてのカルチャー」はあくまでも土台であって、さらにその上に乗っかってくるのが組織能力たる「ケイパビリティとしての現場力」です。

同書ではこのケイパビリティについて、以下の2つに分けて説明をしています。

・オーディナリー・ケイパビリティ(通常能力)
ビジネス環境が安定しているときに、企業内の資産や資源を効率的に扱い、利益最大化を実現する能力

・ダイナミック・ケイパビリティ(変化対応的な自己変革能力)
変化の激しい状況で、企業が環境変化を感知し、そこに新しいビジネスの機会を見出し、既存の知識、人材、資産、そして通常能力を再構築、再配置する能力

そのうえで現在の経営環境の前提となっているVUCAの時代にあっては、ダイナミック・ケイパビリティが重要だとの示唆です。

ここに関しては遠藤功さんのそれ以前の著書「現場論」などを見てもらうのが良いと思いますが、そこでは現場力を「保つ能力」「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」という階層構造で説明しています。

「保つ能力」は先の「オーディナリー・ケイパビリティ」に該当し、「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」は「ダイナミック・ケイパビリティ」に当たります。

現場では何かを変えたり、新しいことを始めるには労力が要るから、たとえそれが小さなことであっても嫌がる傾向があるし、現状維持の思考になりやすい面があるだけに、「よりよくする能力」を獲得することであっても容易ではないですね。

特に改善を何らかの活動として取り組むだけでなく、それを通じて能力にまで昇華できるかどうかは大きな違いであり、重要だといいます。

それだけに一過性の掛け声、取り組みだけで終わりにならないように組織全体での徹底力や継続力こそが現場力を担保し、違いを生み出す要因になっていくのでしょう。

今回は書籍「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」を通じて、自分のなかでこれまで重視してきた企業文化への理解が深まり、取り組みに反映していく事柄も整理ができて良かったと思います。


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