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11月28日(月):「お節介」から生まれる信頼

先週の日経MJの「納得!シニア消費」の欄ではオンライン旅行サイトの「ゆこゆこネット」が取り上げられていました。

同サイトの特徴は国内最大級のシニア向けオンライン旅行サイトである点です。

利用者の年齢層は高い方から70代の22%、60代の18%、80代以上が13%、50代の13%と50代以上の利用者で66%以上を占める構成で、会員の90%が平日に宿泊するといいます。

同記事でゆこゆこネットが厚い支持を受けている要因に挙げられていたのは「電話で細やかな相談」ができる点でした。

オンライン旅行サイトでありながら全国4ヶ所に大型のコールセンターを設け、1日最大で7,200件の電話に対応しているそうです。

シニアのネット利用率は高まっているものの、単なる情報の閲覧だけでなく、こうした旅行や大きな買い物となると、やはり電話での確認や相談を欲するのでしょうね。

他社のサービスがコスト削減のためにコールセンターを縮小・廃止していくのと逆張りの展開によって、顧客基盤であるシニア層からの信頼を厚いものにしています。

実際の電話では宿泊先の部屋から食堂までの距離や大浴場までの階段数まで積極的にアナウンスしてくれると言うから、その細やかさたるや推して知るべしです。

シニア以外のユーザーでは気にも留めないようなことでも細かくリサーチして一つひとつを丁寧に伝えるなど、「特化する」とは正にこういうことなんだろうなと感じました。

また利用者からの質問がなくても、あえてオペレーター側からそのような点を伝えるなど、少し「お節介」なぐらいの対応が信頼の基盤にもなっているようです。

現在はなんでも利便性や効率優先で簡素化、手間を不要にする流れが主流ですが、それによってこぼれ落ちてしまうものを拾い上げるのは、このような「お節介」ともいえる心遣いなのだと思います。

少し話は飛びますが、本日の神戸新聞の記事でも兵庫県明石市の地域コミュニティーについて意見が交わされたパネルディスカッションについての記事がありました。

そこでも地域活動のあり方に求められる姿勢として「必要なのは、ほどほどのお節介」である旨が記されています。

いろいろなものが薄れゆく今だからこそ、顧客との信頼関係づくりをはじめ、地域コミュニティーなど人との交わりにおいては、そうした点がいっそう大切になってくるのだと感じましたね。

明日も関連の話題を続けます。


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