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明日からつかえるサッカー戦術 メキシコの修正(攻撃) 日本×メキシコ

明日から自分のチームでつかえるという視点で、サッカーの戦術を紹介していきます。

2020/11/18  日本 対 メキシコ

この一戦から、メキシコの攻撃の修正を説明します。メキシコは、前半、攻撃が機能しませんでしたが、後半は日本を圧倒します。

なぜ前半と後半でこれだけの差が生まれたのか、概略にはなりますが紹介したいと思います。攻めているのに攻めきれない、そんな時に使える修正です。

フォーメーションの紹介(メキシコ攻撃時)

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上の図の青が日本、白がメキシコです。黒の点線がパス、黒のジグザク線がドリブルです。白いエリアがディフェンスのライン間と呼ばれる部分です。ここに人を配置してボールを送り込むことが、442の攻略には必要です。

日本は守備時442で守ります。それに対してメキシコは、前半、ANの24番がディフェンスラインに下りることで3バックを形成。SBが高い位置をとり、日本のライン間に5人が入る形です。

IHの18番の選手が中途半端な位置にいますが、ライン間に5人、外に5人という決まりがあるように、1人がライン間から下りてくると、1人が上がっていきます。メキシコの8番、24番、2番、15番がひし形を形成し、この4人は固定です。

メキシコの狙いは、両CBがドリブルで持ち上がり、ライン間へボールを送り込んで崩すことです。しかしそれが上手くいきません。

それでは後半の修正です。

メキシコの修正

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後半のメキシコはどう修正したのか。

図のように6人が日本のライン間に入りました。後半頭から交代で入った21番のSBが、ライン間の外で待っています。基本は4番、2番、15番、GKのひし形と、この21番でパスを回して組み立てます。GKをひし形に含めることで、後ろでパスを回す人数を減らすことができていました。

前半、ライン間に5人、外に5人だった割合が、間に6人、外に4人となりました。この割合をキープしながら、1人が上がれば1人が下がり、非常に流動的に選手たちが動きます。

また、前半より明らかに、効果的に変わった部分がありました。日本のSB裏のスペースへ飛び出す動きです。前半はほどんど見られませんでしたが、後半は、監督の指示もあり、全員が狙うようになりました。霧の中の先制点も、この動きで抜け出した18番がポストとなって生まれたものです。

ライン間に人数が多いので、5レーンに人が留まったまま一人が飛び出すことができます。そして深い位置へボール送り込めると、人数の多さをいかしてルーズボールを拾って二次攻撃につなげられていました。

これが主なメキシコの修正です。

疑問 ライン間への入口

しかし、疑問が残ります。

ライン間に人を多く配置することで、ライン間にボールが入った場合、次の攻撃の手札が多くなるのはわかりますが、そもそも前半は、そのライン間にボールが入りませんでした。

後半は、幾度となくボールを入れられるようになるのですが、それはなぜか。ライン間に入る人数を増やしただけでは、この違いは生まれません。

日本のライン間の入口を広げる構造はどのようなものだったのか。裏抜けの効果なのでしょうか。SBの位置取りでしょうか。ディフェンスの速いパス回しでしょうか。

次は、ライン間へボールを入れるためのメキシコの工夫と、選手交代による日本のプレスの変化について書きたいと思います。

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