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小学生のサッカー戦術#8 三角のお尻にはワナがある

8人制サッカーの戦術について、小学生にも分かるように紹介していきます。(小学生の息子たちへの説明も兼ねて。)戦術を考えることは未来を考えること。

前回は、センターに人が集まるようにバックのかたちを変えるという話でした。今回は、バックのかたちとパスの関係についてです。

三角形はパスが回しやすい

「三角形をつくりなさい」とコーチから言われませんか?

なぜ、三角形をつくるでしょう。それは、パスがまわしやすいからです。

パスコースが多いから、と言いかえることもできます。三人が一直線にならぶとパスコースが一つ減ってしまいます。

この「三角形はパスがまわしやすい」もあたりまえだけど大切なことです。サッカーの原理です。

試合中の三角形

「三角形はパスがまわしやすい」といっても、みなさんは試合中に三角形をつくろうとしていますか?

つくろうとして、三角形をつくれたら良いのですが、試合中はみんなが動き回るので、難しいですね。

でも、バックは攻撃のときも、守備のときも、あまりかたちが変わりません。バックで三角形をつくっておくと、良いかもしれません。

お尻の種類の中には、そんな三角形のお尻があるんです。

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パスのまわる三角形のお尻

三角形のお尻をもっていると、パスがまわしやすいです。とくに上の図のかたちは、ゴールキーパーを含めると、たくさんのパスコースができます。

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3人が横にならんだお尻とくらべると、

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パスのしやすさが、ぜんぜん違うのが分かりますね。

また、もう一種類の三角のお尻があります。一番うしろが1人のかたちです。

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このお尻もパスコースが多く、よさそうに見えますが、このかたちはあまりつかわれません。

実は、1人、2人、1人、とならんだひし形は、サッカーでは特別なかたちです。プロの試合でも、ゴールキーパーがボールを足でもっているときは、このひし形にならぶことが、よくあります。

そして、みなさんがよく練習でやっているかたちです。

ひし形の練習

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上の図を見てください、赤チームが2131とならび、青チームが331とならんだフォーメーションです。

赤チームのお尻の部分を見てください。これは、練習でよくやるかたちではないですか?

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鳥かごやロンドとよばれる練習と同じに見えますね。

鳥かごは4対1や4対2でボールをまわす練習ですが、試合中、こんなに人数の差がつく場所はありません。

唯一、人数差が多くなるのは、自分のチームのゴール前です。

とくに上のような2つのフォーメーションが、対戦したとき、ひし形に入ってくるフォワードが1人だと、練習のとおりのボール回しができます。

下の図のように、ゴールから離れてしまい、ゴールキーパーが参加できなくなってしまっても、3対1のボール回しであれば、ボールをとられにくいです。

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三角形のお尻の最大の強みが、これです。

もし、相手チームのお尻が、この三角形だったら、1人でボールをうばいにいってはいけません。ワナにはまってしまいます。

お尻の三角形の強み

この三角形のお尻をもつチームは、センター重視のフォーメーションとなります。

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もう一度、上の図をかくにんすると、赤チームがセンター重視、青チームがサイドに人数が多いサイド重視です。

この2チームが戦うと、どうなるでしょう。

青チームのフォワードが一人で、お尻の三角形のパス回しを追いかけても、なかなかボールをうばえません。

赤チームのバックが、相手のフォワードをパスでかわすことができれば、

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こんな感じになります。

そして、上の図のように、青チームのバックがセンターによっていなかったりすると、緑の円で赤チームの人数が有利になりますね。これは前回に紹介しました。

青チームの守りかたによっては、三角形のパス回しから、センターをとおって、シュートチャンスがつくれます。

強みをいかす

三角形のお尻の強みは、バスまわしです。

お尻の三角形のパスまわしに、サイドの相手がつられて出てきたら、そのサイドがあきます。すると、そこへパスが効果的になります。

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上の図では、青チームがバックがセンターに集まり、サイドがあいています。その状況をかくにんして、サイドへパスを送る。そんな攻撃ができたら、理想的です。

反対に、下の図を見てください。

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青チームがサイドに2人いて、フォワードしかボールをうばいにきていません。このじょうたいで、赤チームがサイドへパスを送っても、サイドは2対1で青チームが有利です。

赤チームのボールを受けたサイドの選手が、ドリブルで1人かわしても、後ろにはもう1人の青チームの選手がいます。

かたちの強みをいかして攻撃をできていない例です。


かたちの強みをいかしながら、相手の動きにあわせた攻撃ができれば、チャンスを多くつくることができます。


相手が三角形のお尻なら

もし、相手が三角形のお尻なら、みなさんはどう守りますか?

ここまでの話を聞くと、とてもてごわい相手だと思うかもしれません。

でも、きっと上手く守れる方法があるはずです。

相手を観察して、相手の強みがわかっていれば、その強みをどうやって消せばいいか考えましょう。

試合前に、チームみんなで話し合いって作戦をきめて、試合で実行してみることができれば、素晴らしいと思います。


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