見出し画像

足首ひねっちゃった。その後…

足首捻ってしまった中学生に対して、何ができるか。
ちょっと小難しく考察してみたので、頭の中を綴ってみました。

思考を再構築

例えばこんなことを考えます。理学療法士として身体を診るときの話です。いつもの生活でもこんなに難しく考えているわけではないですけどね。

仮説を立ててみます。○○な事象が起きているのではないかな。△△な現象はよくないだろう。
今から話をする右足関節捻挫後の中学生の場合、「レッグスイング(サッカーのキックのように脚を振る)をしてみるが、フラフラするのはよくない。頭がグラグラ振れるのもよくない。と仮説を立ててみます。この仮説には、フィジカル的課題として、セラピスト側が「こうであってほしい事項」もあるのかもしれません。実際はどうなんだろう。動画を見てみます。

実際の現象と仮説を比較してみます。
その場で脚を振るだけなので、軸足がズレることはない(仮説)。でも実際は、右脚で支える動作では、左脚のスイングと同期して、足部がズルズルなりますね(現象)。仮説はこのエクササイズで体現してほしい”フィジカル的命題”なので、ズルズルなるのは代償動作だということになります。こうやって導き出した代償動作を改善することが治療目標になると思っています。

頭の中で”何を改善するか”整理する

上の図では、形式上「Physical Therapy」と「Exercise」と表記しましたが、exerciseもPhysical Therapyなので。便宜上、身近なグループが徒手療法を理学療法士(PT)が、運動をアスレティックトレーナー(AT)が担当しているので、このように表記しました。もちろん弊社では、チームトレーニングまで担当しているので、それも理学療法と思っていますが。

ちょっと考えなおしてみます

脚を振る”レッグスイング”には、脚を振る回旋動作(もちろん回旋しないように振ることもありますが)と身体がブレないように支える2つの動作が必要です。
この中学生は、左脚を振るときは、回旋を大きく使うので、足部と床の間で安定せず、ステップを踏むような代償動作が起きてしまいます。
一方、支える能力を評価すると、右脚を振るときに、右脚が前にくると、体幹を強く屈曲してしまうせいか、頭が前に突っ込んでしまいます。この前に突っ込む基準は、仮説として立てた「体軸=足部から頭に引いた線」これが足部から引いた床に対する垂直線とどうなるかということ。脚を振るに体幹部分が分離して反応できず、頭部が思ってないくらい前後にブレるのかもしれませんね。

頭の位置

チーターなどの野生動物は四つ足で動くので、頭部をしっかり安定さえることができます。4本あるので基底面が広く安定しやすいんだと思います。2足歩行のヒトは、今回仮説として設定した”体軸=足と頭を結んだ線”を垂直にしたり、倒したりして動作をコントロールしているように見えます。意図しない場合は、頚部・体幹などなどで立ち直り、体軸を崩してでもバランスを保とうとするのです。私が好きなサッカー選手であるマラドーナの動作をみると、体軸を立てたり、傾けたり、すごくスムーズな動作に見えます。すごいフィジカルです。SNSから動画を引用してます。

今回は、足関節のケガ。そこの機能障害をまずは改善することが主な目的なはず。この仮説からするとどうも左脚で支える相が悪者になりそう。
それは、リハビリとしては…
もう一度、考察してみましょう。

スキップ動作

支えるではなく、推進するという能力をみてみようと思い、スキップ動作をみてみました。
スキップ動作は、真上に推進することが必要な動作。まっすぐ上に上がるだろうという仮説を立てました。しかし、これもまた覆ります。左脚で推進した方が垂直に上がっているという評価にならないんです。
体軸と足部からの垂直線で比べてみたんです。

ちょっと待てよ。この選手。左利きです。左利きといえば、マラドーナ、メッシ、日本人では、名波浩、中村俊輔、本田圭佑(敬称略)。極端に左脚でボールを触るので重心位置は右に寄りがち。その動作習慣を考慮すると、今の考察では、左脚での推進はまっすぐ行かないかもしれない。そこで、患部である足関節に着目しました。
まっすぐ上に向かう。この命題に対して、足関節は回外しながら踏み返しています。ここでも回旋系の関節運動を多用しているようです。しかも、軸足の機能が低いからか、反対脚の振り上げに差がある。左右の脚の前後のギャップというスプリントに必要な機能も落ちているように見えます。 

このようにいろんな角度で評価し、身体機能の改善に努めていきます。
お困りな方は一度トレーナールームフィジコへ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?