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静岡県西伊豆町で第一弾がスタート! 釣りを複業にできる関係人口創出プロジェクト「&ANGLER」はなぜ生まれ、何を目指すのか。

豊かな海が広がる静岡県西伊豆町で、「西伊豆&ANGLER」という新しい事業を始めました。「釣り人」(=ANGLER)の関係人口を増やし、最終的には町への移住や、他の仕事と掛け持ちしながら漁を行う「半漁半X」という“複業”のかたちを提案します。役場や地域活性化のコーディネーター、クリエイティブ担当のディレクターなど、立場や得意分野が異なるたくさんの人たちが関わって生まれたユニークかつ野心的な試みです。プロジェクトのメンバーたちはみんな無類の海好き、釣り好き。小さな漁村の未来を真剣に議論した結果、どのようにして「&ANGLER」にたどり着き、今後何を目指していくのか――。中心メンバー4人で語り合いました。(敬称略)

ふるさと納税事業立ち上げで気づいた「チャレンジすれば成果が出る」

フィッシャーマン・ジャパン事務局長・長谷川琢也:では私が皆さんに質問していく形で進めたいと思います。まずは西伊豆町役場の松浦城太郎さんにうかがいます。このプロジェクトはやっぱり、町民であり、釣り人であり、町役場の職員でもある松浦さんの想いがスタートだったと思います。松浦さんは西伊豆でどんな風に育ったのでしょうか? 

フィッシャーマン・ジャパン事務局長・長谷川琢也

西伊豆町役場 産業建設課 農林水産係 主査・松浦 城太郎:小さい時に親父から釣りや潜りのとっかかりを教わって、小学生になってからは常に海が遊び場でした。若い頃は正直言って、地元の魅力というのをあまり意識していなかったです。海は当たり前のように目の前に広がっているものでしたから。初めて地元の良さを実感したのは大学で外へ出た時です。夏休みに帰省した時、海で釣りをしたり潜ったりして、「すごく楽しいな」と。大学でも釣りはしていたんですが、フィールドが限定されていました。地元には岸壁も磯もあるし、漁船にも乗せてもらえる。エサ釣りもできるし、ルアー釣りも楽しめる。多種多様なフィールドがあり、季節によって釣れる魚もいろいろある。ここは素晴らしいんだなと思いました。

西伊豆町役場 産業建設課 農林水産係 主査・松浦 城太郎

長谷川:その後町役場に入り、西伊豆の活性化につながるユニークな取り組みをたくさん行ってきたとうかがっています。地元がピンチだと感じ始めたのはいつ頃のことですか? 

松浦:30歳になった頃ですね。町役場に入っていくつかの仕事を経験し、静岡県庁にも1年間出向して自分なりの人脈ができてくると、地元の課題が否応なく見えてきました。観光業は落ち込んでいるし、一次産業は担い手不足。これはやばいなと思いました。最初にアクションを起こしたのはふるさと納税です。収入アップに役場として取り組もうと提案して、庁舎内のいろいろな部署に横串を刺していくようなチームを作りました。結果的に役場職員の4分の1が集まり、500万円前後だった納税額が3億7千万円になったんです。そこから組織の雰囲気が変わってきましたね。今までお役所仕事だったのが、チャレンジすれば成果が出るということに私も含めた職員たちが気付いたのだと思います。

長谷川:そこからの取り組みをいくつか教えてください。

はんばた市場とその従業員。直売所には珍しく活魚を取り扱う

松浦:地元で獲れる新鮮な魚介類だけでなく、朝どれの野菜や西伊豆ならではの加工食品を扱う直売所「はんばた市場」を開設しました。さらには、釣った魚を電子地域通貨で買い取る「ツッテ西伊豆」というサービスも始めました。はんばた市場の構想がスタートした頃に出会ったのが「ツッテ西伊豆」の考案者中川めぐみさんでした。中川さんのご紹介で長谷川さんと出会い、「西伊豆の漁業の衰退がやばいんです」ということを相談して、現在に至るといったところですね。

長谷川:ありがとうございます。ちょうど中川めぐみさんのお名前が出ました。中川さんは同じ静岡県の熱海市で、西伊豆町に先駆けて「ツッテ熱海」を手がけていましたよね。西伊豆の第一印象はどんな感じでしたか?

株式会社ウオー代表取締役・中川めぐみ:私が初めて西伊豆に行ったきっかけは、実はワサビ丼でした。ITベンチャーを退社して、「釣りで地域活性」をしようと独立した頃です。知り合いの雑誌編集者の方からの紹介で、西伊豆特産のワサビ丼の特集記事でモデルを務めさせてもらいました。そういう経緯だったので、海はもちろんきれいなのですが、山も美しいしワサビもおいしいし、すごく素敵な場所だなというのが第一印象でした。松浦さんと初めて会ったのも山のてっぺんのワサビ丼のお店だったと思います。

株式会社ウオー代表取締役・中川めぐみ

松浦:そうでしたね。

中川:ワサビ丼の取材の前後にツッテ熱海のことを話したら、松浦さんがめちゃくちゃ反応してくれたんです。こんなに勢いがいい役場の方って初めてだなと思いました。でも実現するのは簡単じゃないだろうと思っていたのですが、しばらくして横浜で開催された釣りイベントで再会したら、松浦さんから「予算がとれそうなのでぜひ一緒にやりましょう」と持ちかけてもらいました。

長谷川:それから西伊豆と深く関わるようになり、ツッテ西伊豆を経て&ANGLERにつながっていくのだと思いますが、他の場所と比べて西伊豆の海や漁業がユニークなところってありましたか?

中川:役場と漁業関係者との信頼関係ができあがっているところです。その結果、地域としての「受け入れ力」がすごくあるなと感じました。2020年にツッテ西伊豆を始めようとした時、関係者のなかで反対する人がいない状況でした。長いあいだ漁港をはじめ、町中さまざまな場所に通っていた松浦さんのご尽力の賜物だと思います。

長谷川:そうですよね。ツッテ西伊豆はどんなことを目標に始めたのですか?

ツッテ西伊豆は親子でも楽しめる

中川:大きな目標は二つありました。一つは観光客に戻ってきてもらうことです。西伊豆町は新型コロナが発生した時に観光客の受け入れをいったんゼロにしました。その後単純に再開しても元の水準に戻るのは難しいだろうという見通しがあり、ツッテ西伊豆という新規事業を打ち出して町に足を運んでもらうことができないかと考えました。また、ツッテ西伊豆をメディアに取り上げてもらうことで町をPRし、釣り人だけでなく「温泉や食事がよさそうだから行ってみよう」というような人も含めて観光客増につなげる。そういうイメージをもっていました。
もう一つは、やはり漁業の衰退に歯止めをかけることです。町内の漁業者が少なくなって漁獲量が低下していました。それだけでなく、西伊豆で獲れた魚が町外で売られ、町民の方々は町外の魚を買って食べるという状況でした。地物の魚が食べられないのは観光資源の活用という意味でも残念ですし、町内の子どもたちが豊かな海のおいしい魚を食べずに育つのはとても淋しいことだと思いました。漁師さんたちの水揚げ高と比べればツッテ西伊豆の取扱量は微々たるものですが、ごく一部であっても町で釣った魚を町の中で循環させることによって、少しずつ町の漁業をいい形にできたらと考えました。

長谷川:中川さんや松浦さんが私たちフィッシャーマン・ジャパンに声をかけてくださったのは、ちょうどツッテ西伊豆が始まった頃でしたよね。「漁師がゼロになってしまったらまずい」というご相談をいただいたと記憶しています。役場がいろいろ取り組んだとしても、漁師さんがいなくなったら魚が町に揚がらないし、遊漁がなくなれば観光の力も弱まると。
ということで西伊豆に呼んでもらったのですが、私たちは宮城・石巻をはじめ全国津々浦々の漁村に足を運んでいますけど、その経験で言うと西伊豆の漁業はかなり疲弊してしまっているというのが正直な感想でした。深刻だったのは流通が機能していないことです。市場はあるけれどほとんど機能しておらず、そこに魚を買いつけにくる仲買人もほとんどいない。物流の担い手もいなくなり、沼津など拠点となる市場に魚を運ぶことも簡単ではない。下手すれば漁師が直接運ばなければいけない状況です。
これは水産業としては結構、「最悪」な状況なんです。漁師は獲るのが仕事、それを販売する漁協や市場の人がいて、買ってくれる魚屋、運んでくれる運送業者がいる。そういう仕組みができあがっていないと魚は流通しませんので。
 これは大変かもしれないという感想を2020年の時点で抱きました。石巻などはまだまだ漁師たちが元気です。そういう地域で担い手を増やしたり漁村を活性化させたりするのとは別角度のアプローチがなければ西伊豆ではうまくいかないと考えました。

はんばた市場での魚買取の様子

 一方で、西伊豆にはいいところがたくさんあることも当初から実感していました。はんばた市場やツッテ西伊豆にはとても可能性があるし、観光地としてのポテンシャルはもちろん高い。そしてもう一つ大事だと思ったのは、西伊豆の人はみんな魚が大好きだということです。町の人は魚をよく食べるし、飲食店や宿の人はみんな魚の扱いが上手です。地域の方の話を聞いていると、「やり方は必ずある」と確信しました。
 ちょうどその頃、西伊豆町が循環型のサステナブルな町づくりを目指すプロジェクトを立ち上げました。「海」と「森」と「まち」をつなぐような構想で、その中の「海」のパートにフィッシャーマン・ジャパンが関わらせてもらうことになりました。さらに外部の人からアイデアをいただきたいということで、フィッシャーマン・ジャパンのクリエイティブを長年担当してくださっているピラミッドフィルムクアドラにお願いすることになりました。実はクアドラの皆さんも釣りが大好きなんですよね。阿部さんはいつから釣りにはまっていますか?

ピラミッドフィルムクアドラ ディレクター・阿部達也:それこそ2019年夏くらいだったと思いますね。

ピラミッドフィルムクアドラ ディレクター・阿部達也

長谷川:じゃあ、ちょうど釣りにはまり始めた頃に「釣りをテーマにした漁村活性化」の話を持ち込まれたわけですね。最初は私から西伊豆の現状をインプットしましたが、その時はどう思いました?

阿部:最初は「釣りをテーマにした仕事」ということで、「いいですね。おもしろそうですね」と思っていたのですが、長谷川さんからお話をうかがったらもっといろいろな課題があることを知りました。そこで釣り人目線というよりも西伊豆という地域の課題から考えるべきだと感じました。

長谷川:そうでしたね。フィッシャーマン・ジャパンとクアドラは石巻で、漁師の担い手を育成する「TRITON PROJECT(トリトンプロジェクト)」を手がけてきました。その延長線上で考えたいけれど、西伊豆の場合は漁師を一人ずつ増やしても、その漁師を雇える親方がそもそもいないし、頑張って水揚げしても買ってくれる市場の元気がない。さんざん議論した中で、完全な漁師じゃない「半漁半X」のような暮らし方なら提案できるのではないか。そもそも西伊豆の漁協では釣り人に漁業権を与えた前例もあるので、そういう「釣り人漁師」を増やしていくのがいいのではないかと思ったんですよね。クリエイティブとしてはこのプロジェクトにどういう名前を付けるかというのが大事だと思いますが、阿部さんは今の「&ANGLER」という名前になった経緯を覚えていますか?

阿部:ツッテの話もそうですが、「うちもやりたい」という自治体が今後出てきてくれるのではないかという思いがありました。そう考えた時に、「●●&ANGLER」のように、他に展開できるような言葉がいいかなという思いでつくりました。また、「釣り(FISHING)」ではなく「釣り人(ANGLER)」とすることで、より趣味で釣りをしていた釣り人に自分ごと化して欲しいなという思いもありました。

阿部は自身もANGLER。この日は大物の鰤をゲット

長谷川:今回はキャッチコピーも全部考えてくれたじゃないですか。私がすごく気に入っているのは、「このまちと暮らす釣り人になる」というコピーです。&ANGLERという名前にもぴったり接続します。このコピーも阿部さんが考えてくれたんですよね。

西伊豆 & ANGLER メインビジュアルには、漁師や釣り人、コーディネーターが登場

阿部:そうです。釣り人に自分ごと化して欲しいとは思いつつも、ただ観光に来てほしいのではなくて将来的には西伊豆に住むようになってほしいわけですよね。「住む」となると、釣り旅行の感覚とは全然違ってきます。自分が移住を考えた時に何が気になるかと言ったら、むしろ「釣りをしていない時間」のことです。釣りにとってすてきな環境であることは、西伊豆に一回行けばすぐに分かるわけです。ただ、「釣り以外の時間」については時間をかけないと分かりませんよね。そこを考えたプロジェクトを始めるわけなので、陸にいる時間も含めた「暮らし」を射程に入れた言葉にしたいと思いました。

長谷川:「このまち“で”暮らす」じゃなくて「このまち“と”暮らす」。「で」じゃなくて「と」を持ってきたところがいいですよね。

阿部:「このまちで」のほうがどっぷり住んでいる印象になるんですが、「漁師一本でがっつり稼ぐ」という感じではなくて、「複業」や「二足のわらじ」といったイメージですよね。「骨をうずめる」という雰囲気ではハードルを上げすぎていると思うので、バランスをとって「このまちと暮らす」かなと考えました。

長谷川:確かに「このまち“で”暮らす」だと少し重いですよね。いい塩梅にしてもらえたと思います。塩梅と言えば、&ANGLERのウェブサイトのヴィジュアル面も、とてもいい感じにしてもらえたと思います。色の付け方とか写真の選別とか。「西伊豆らしさ」を出したいという私たちの想いをうまくくみ取ってもらえたなと。阿部さんたちに西伊豆へ行ってもらったじゃないですか。そこからとてもよくなったと思うんですけど、やっぱり実際に行ったら印象が変わりましたか?

阿部:そうですね。インターネットに出ている情報から入ると、夕陽やきれいな景色の画像ばかりで、全然生活感がなかったんです。実際に行ったらいい意味でとてもコンパクトな町で、車で何周もドライブしたり細い路地を歩いてみたりしました。そうすると町の位置関係やみんなが行き交う場所が分かってきて、これをイメージとして落とし込みたいと思いました。サイトに掲載した写真はなるべく観光向けのものではなくて、住民が散歩しながら撮ったという雰囲気のものをたくさん使いました。

長谷川:最初の提案書の時点だと「夕陽」と「青い海」の写真があって、まるで沖縄みたいでなんかちがうんだよなと(笑)。とにかく西伊豆に行ってもらった方がいいと思ったんですよね。本当にいろいろな方のお力を結集してプロジェクトのリリースまで行くことができました。ありがとうございます。
最後に、この&ANGLERを今後どう育てていきたいか、皆さんからお聞きしたいです。松浦さん、町役場としてはいかがでしょうか?

松浦:先日、釣り人の方たち向けのイベントを都内で開きました。その時に釣り人の方々はこういう取り組みを求めていたんだと実感したんです。参加人数も想定の倍でしたし、みんなが熱心に意見交換をしてくださって、関心の高さを肌で感じました。これは期待できるなと思いましたね。ただ、現段階では受け入れの窓口ができたというところなので、役場としてはその先のサポートの部分をきちんと整えなければいけないと思っています。実際にどういう人が来るのかな、新しい人たちに地元がどう反応するのかなというのも気になります。最終的にはやっぱり移住者が出てきてくれるのが一番うれしいですね。今後どうなるか、ワクワクする気持ちでいっぱいです。

西伊豆 & ANGLERのリリースイベントでは40名以上の釣り人が参加

長谷川:石巻などでの経験から言えることなのですが、成功例が一つ生まれると、どんどんいい方向に転がっていきますので、いかに第1号を作り出すかということだと思います。町に新しい人が来ることをきっかけに、地殻変動が起きてほしいです。釣り人の関係人口が増え、その中から漁業権を持つ人が出てきて漁獲量も上がっていく。そういうことを私たちは考えているのですが、単純にそれだけではない成果も出てくるのではないでしょうか。私たちの思いもよらない価値や発見が生まれることを期待しています。そういった意味でも、このプロジェクトの成否を分ける存在なのが、地元と釣り人をつなぐ役目のコーディネーターです。中川めぐみさんにもその役割を担っていただきます。中川さんはどんな未来の絵を描いていますか?

中川:最初にも申し上げた通り、西伊豆の魅力は「受け入れ力」の高さだと思っています。松浦さんをはじめとした役場の方もそうですし、町民の方々も同じです。そこが素敵な町だなと。先日のイベントでも参加者さんが口々に言っていたのですが、釣り人の方々は各地で怒られる経験をしています。土地ごとのルールがあるのに、誰に聞いていいのか分からず、聞かないで釣りをして怒られるという経験を皆さんがしていました。単発の釣り以上に、関係人口になったり移住したりという過程ではいろいろな場面で「わからない」と不安になる機会が出てくるでしょう。そこで西伊豆では、今も持っている「受け入れ力」をソフト・ハードの両面で伸ばしていってほしいです。「ソフト面」は地元の海のルールを教えてくれることだったり、「ハード面」は住む場所のことだったりですよね。
移住を強く求める地域は全国にありますが、「受け入れ力」が高い地域ばかりではありません。西伊豆の場合、移住した方々に共通しているのは、町がぐいぐい押すのではなくて、外から訪れる人の側に「暮らしてみたい」というニーズが出てきた時に、「それなら家はあるよ」とか、「こういう仕事をしてみたら」とか、そういうアイデアをそっと差し出す流れになっているということです。そういうのが本当の「受け入れ力」だと思いますし、それができているのが西伊豆という地域の魅力なので、&ANGLERやツッテ西伊豆を通じて今後もそのお手伝いができればと思っています。実際に移住した方々の事例を&ANGLERのウェブサイトで紹介しているので、ぜひ読んでみていただけたら。釣りのために通っているうちに西伊豆が好きになって、最終的には移住するというパターンがすでにできています。

西伊豆に移住されセカンドライフを満喫する椎橋ご夫婦

長谷川:素晴らしいですね。阿部さん、釣り人としての意見はありますか?

阿部:普通に考えると、住居を変える決断を下すのはそれなりに時間がかかることだと思います。移住する側と受け入れる側がコミュニケーションを通じて少しずつお互いのことを知り、双方のハードルを下げていくはたらきをする場所が必要でしょう。東京で西伊豆出身の方が集まるイベントが開かれていると聞きました。西伊豆町内にも外から来た人が地元の人と語り合える場所があるといいですよね。町の中と外の人が交流できる「出島」のような場所を増やしたいです。&ANGLERがそれをさらに繋ぐ存在になれればと思います。

長谷川:ありがとうございます。フィッシャーマン・ジャパンとしては、このプロジェクトを通じて「釣り人漁師」「半漁半X」という新しい働き方を提案したいと思っています。小さな漁村から「漁」の存在感がなくなったら、ただの「村」になってしまいます。そこに歯止めをかけるためのモデルケースの一つになれるのではないかと考えているので、皆さんこれからもよろしくお願いします!

【長谷川琢也】
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局長。2014年に宮城・石巻から日本の水産業の変革を目指す同団体を設立。水産業の担い手を育成する「TRITON PROJECT(トリトンプロジェクト)」など数々の事業をけん引してきた。震災前から勤務するヤフー株式会社では現在Yahoo! JAPAN SDGs編集長を務めている。潜水士の資格も持っている。

【松浦城太郎】
西伊豆町役場産業建設課農林水産係主査。生まれも育ちも西伊豆町。地産地消を促進する農林水産物直売所「はんばた市場」や、町内で釣った魚を電子地域通貨「サンセットコイン」で買い取る「ツッテ西伊豆」など、地域振興に力を注ぐ。子どもの頃から釣りに親しみ、西伊豆町民と町外から訪れる釣り人たちをつなぐ役割を果たしている。

【中川めぐみ】
株式会社ウオー代表取締役。ITベンチャーや広告代理店で新規事業の立ち上げ、広報などに関わる。趣味として始めた釣りの魅力に取りつかれ、「釣り×地域活性」事業を志して独立。2018年に初心者向けの釣りWebメディア「ツッテ」を開設。釣りや漁業を通じて日本全国の食、景観、人、文化などの魅力を発見・発信している。富山で複業漁師。水産庁・環境省等で委員も務める。

【阿部達也】
株式会社ピラミッドフィルムクアドラ クリエイティブディレクター/ディレクションチームマネージャー。デジタルを活用した課題解決や価値創造におけるプランニングとディレクションを手掛ける。2011年から16年まで中国・上海で勤務し、海外経験も豊富。2019年頃から釣りの魅力を知り、現在は仕事の合い間を見つけて仲間と釣り旅行に出かける。

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