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養殖生産管理SaaS -サービス開発の足跡vol4 山と谷

水産加工業での業界参入自体をあきらめ、養殖業でも受発注の業務効率化の論点を解くのをやめた。最初からうまくなんていってない。元同僚と二人三脚で始めて少しずつ仲間が増えた。プロダクトを磨いて磨いて磨いて何度も作っては壊し、作っては壊すことでやっと手応えが得られた。そこから3カ月我々は何を考え、動いていたのか。いいこともたくさんあったけど、そうじゃないこともあった。

これまでの歩み
Vol1 事業領域のピボット
Vol2 問いのピボット
Vol3 手応えと未来への布石

駆け抜けた2022年

このシリーズのnoteは本当に久しぶりに書く。それでも今日投稿したnoteも加えると22本ものnoteを書いて更新してきた。これが今年中にリリースできたので23本目。意外とマメ笑

2022年のnoteでの活動の軌跡

思うようにいかないことはたくさん

さてサービス開発の方はというと、全てが順風満帆なわけではなかった。

創業助成金の不採択通知が返ってきた。補助金・助成金の類はいくつか出していたけど、すべて全滅した。書類作成にものすごくパワーと情熱をかけたわりに結果は全く伴わなかった。

宮崎の生産者と一緒に創った養殖業の未来を変えるプロダクト。そのプロダクトのLPを同じ宮崎の地で地方を大切にするデザイン会社と力を合わせて最高のデザインに仕上げたいと思っていた。そしたら、そのプロジェクトは急に破談になった。結局LPも内製になった。

補助金や助成金がなくても事業が成り立つように計画は組んでいたけど、やはり袖がないことには給与原資すらないわけなので、当然苦しい。パワーにもお金にも強い制約がある。他の人が漫画を読んだり、ポップコーン食べながら映画を見たり、旅行を楽しんだりしている間もひたすら事業開発をして、睡眠時間も3~4時間まで極限に削り、仕事納めは12/31の23:59。そんな生活。1日平気で16時間くらい働いている。

役に立ちたい。たぶんこれまでの人生の中でここまで何かに時間とエネルギーを注いでいるのは受験勉強のとき以来だと思う。

待望のAIエンジニアが参画!

ただそういう姿は案外他の人がちゃんと見てくれているものだったりする。嬉しい変化もたくさんあった。その中でもすごく大きい変化だったのがAIエンジニアの河合さんの参画。河合さんは生物系の機械学習・AIのエンジニアで、東大の研究職とAIエンジニア職を掛け持ちされている方。分子生物学がご専門。

ライトに関わってもらったり、相談に乗ってもらったりしている人を含めると10人近くのAIエンジニアの人たちに力を借りている。中でも彼が研究領域と対象である養殖の距離が近く、実践経験も豊富でとても強いと思ったし、サービスともこの上なく相性がよかった。彼とどうしてもチームを組みたかったので、大手町でのランチに誘って口説いた。目指すビジョンにも共感してもらえて、チームに参加することも快諾していただけた。本当にうれしかった。

養殖データをただのデータではなく、本当に意味のある資産に変えるために機械学習やAIの力を最大限生かしたかった。生産管理で尖っていくからには、ただただ今の業務をデジタルに置き換えるだけじゃなくて、人の行動や業務の在り方や文化そのものを変えていきたいと思っていて、そのためには彼の力が絶対に必要だった。外部のパートナーさんとも一緒に仕掛けていきたいと思っていて、これからがすごく楽しみだなとワクワクした。

今回河合さんが加わり、チームは5人になった。それぞれが各方面のスキルで尖っているので、役割もみんな完全に違う。現状は僕を含めて、日中に全員が本業の仕事を別で持つ副業主体のチーム。オンラインで一緒に働くチームなので、住んでいるところもバラバラ。どうしても全員で顔を合わせる機会も少ない。生活リズムも微妙に合わない。それでも「おいしい魚が食卓に並ぶ『当たり前』の日々を次の世代に繋ぐ」というビジョンをかなえるために全員が同じ場所に集まっている。これは結構奇跡的なことだ。しばらくはこの5人で走る。

歓迎と感謝の気持ちを込めて、会社のロゴをプリントしたTシャツも作ってみんなにプレゼントした。北海道に住んでいる金田さんとも初めて対面で会えて手渡しで渡せた。こういうの実は昔からちょっとやってみたかった笑

TSG2022セミファイナリストに選出&初取材!

東京都のビジネスコンテストTSG2022にも挑戦して、セミファイナリストに選んでもらった。1114件からの応募の中から選んでもらっている。事業に箔が付いた形…良かった。

残念ながらファイナリストには選んでもらえなかったけれど、審査員が「何をいい事業と評価するか」は人によるので、まあ仕方がない。とはいえプレゼンはまだまだ下手くそなので、練習したいと思った。

TSGに出た時点で概ねの事業計画はつくっていたけど、TSGはかなり足の長いビジコンで、応募開始の5月から決勝の11月までイベントや審査が続く。まあまあ各審査での記述量も多くて負荷自体は結構高かった。

出てよかったと思うのは以下の2点。

1)仲間ができた
2)広報につながった

1)仲間ができた
ビジコンに出てくるアイデアは様々あるけど、正直なところほとんどがビジネスとして成立していないと思った。僕がそう思っただけかもしれないけど。ただ中には尖った素晴らしい事業アイデアを持っている人や似た領域で事業を創ろうとしている人もいて、そういう人たちとは意気投合して仲良くなった。そのつながりから人を相談しあえるようにもなったし、事業で悩んだときの壁打ちもお互いにできるようになった。同じ起業家同士の方が話が通じる話もあるので、その意味ではフラットに話せる起業家仲間ができたのはよかった。

2)広報につながった
他の選出者はほとんどプレスリリースを打ってないと思うけど、個人的にはプレスリリースをメディアの方向けに打って広報する機会が得られたのは大きかった。僕のキャリアが養殖事業とは違うところにあるので、どうしてもこれまではメディア担当と繋がる機会が少なく、露出する機会もほとんどなかった。事業を第三者であるTSGに認めてもらえたことで、水産業の業界紙にも掲載してもらえ、代表である僕個人の取材までしていただけた。認知ゼロの会社が急にサービスを売るよりも「なんか聞いたことある」くらいの方が話も聞いてもらいやすい。だからこのタイミングで業界紙に取り上げていただけたのはすごくうれしかった。

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