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「uwotech生産管理」正式版リリース!シーフードショー出展の舞台裏

β版での検証を終え、8/22に「uwotech生産管理」をリリースしました。さらに8/23~25で第25回 ジャパン・インターナショナル・シーフードショーにも初出展してきました。知財の関係でずっとこのnoteに画面を出せなかったのですが、今回特許も出願したのでちょっと安心です。ソフトウェアのUIなんてすぐにパクられちゃうし、我々自身もよりよい体験を創るために日々アップデートするので、お守りみたいなものです。

uwotechってなんのサービス?という方は今回のリリースに合わせて動画も作ったので、まずはコチラをご覧ください。


バタバタのリリース準備

人を雇う体力はないので、広報・労務・経理・営業・マーケ・資金繰り・知財・法務・戦略設計などは私が1人でやっています。何でも屋さんですね。VCからの調達を一切せずに進めたかったので、資金もカツカツです。

特許の明細書をほぼ全文書き直したり、ビラ作ったり、動画作ったり、LP更新したり、β版の事例をまとめたり。マーケ・広報系のタスクだけでもそれなりにたくさんあり、準備期間中は私も多忙でした。

ちなみに上に貼った動画は、制作費1万円です。ナレーションだけお願いしました。企画・アニメーション・SE・BGMは私がやってます。制作期間は2週間くらい。アニメーションソフトを使うのは今回が初めてだったのですが、お金がないのでYoutubeを見ながら独学でやりました。ビラもLPも私の内製なので費用ゼロ。マーケティングにコストはまだかけられないから仕方ないのです(発注お待ちしてますw)

シーフードショー前日は搬入作業もありました。隣りのブースは東芝さん。装飾バチバチ。右のブースは水中ドローンの展示。とても大きな水槽を準備されてました。対面のブースも目を引くハードウェアの数々。そんな中ビラしか置いていない真っ白なブース。笑 場違い感が物凄くて逃げるように帰りました。β版も100%うまくいっているとはいいがたい状況だったので、正直、めちゃくちゃ不安な気持ちになりました。

しかも展示に使うスマホは前日の搬入時点でもまだ手元にありませんでした。慌てて秋葉原に向かい、メイド喫茶の勧誘を受けながら何とかスマホを中古で2台買ったのでした。

真っ白だけどベンチャーぽくていいか(写真はCTOの新くん)

β版での大規模修正が追い付かない

開発はというと、こちらもいろいろ追い付かず。β版の検証でいろんなものがひっくりかえってしまったので、開発はその修正と新規開発に追われていました。これまでもUX最重視で作っては壊し、作っては壊しを重ねてきて、画面自体も10回近くゼロベースで検討し直してきました。でも、それでもβ版のプロダクトはPMFからまだかなり遠い状態にありました。

・データの入力をしてくれない・続かない
・データ分析の価値が伝わらない

β版の課題

開発への影響が特に大きかったのはタブレットからスマホにメインデバイスを切り替えたことと、開発済の分析・レポート機能を捨てたことでした。もちろんUIもすべて作り直し。

捨てた画面。給餌量やへい死数を集計・グラフ化しても「だから何?」と言われた…

訴求もガラリと変わったので、LPも刷新しました。このLPの更新もなんだかんだ手間どり、展示会前日に深夜まで作業。もっとヤバかったのはシーフードショーに使うデモデータがシーフードショー初日当日の朝までなかったことです。このままだとビラを撒くだけで終わってしまう…笑 前日も深夜まで作業していたのに、当日も朝5時起き。CTOの新くんと2人で必死にデータセットをつくりました。

蓋を開けたらMVPになっていたという話

よく新規事業開発で言われるのはMVPを作ろうねって話です。MVPというのは”Minimum Viable Product”の略で、ユーザーが価値を感じられる必要最小限の機能を持つプロダクトのこと。要は些末なところは置いておいてスピードあげていこうぜってことですね。

開発ボリュームからすると、とっくにMVPなんて凌駕しているはずですが、スマホ完結を売りにしたことで、いろいろ追い付いていなかったので、結果的には思いがけずかなりMVPっぽい仕上がりになりました。笑 半分くらい完成していなくて、データ入力の機能と一部の分析・レポート関係の機能があるだけです。

なんと半分以上の機能は押すことすらできない(すぐ開発します…!)

あれ?めちゃくちゃ好評…!

いろいろ間に合っていない中で、シーフードショーの開場が先に来てしまいました。今ある武器で勝負するしかないと思って、来場されていた方に結構ガツガツ挨拶しにいきました。ここでリード獲れないと死んじゃうと思って必死でした。

来場者の方の反応を見て、正直びっくりしました。事前にアレコレ気を揉んでいたのが嘘かのようで、めちゃくちゃ引き合いが強いこと、強いこと…使いたい、漁協で導入したいなどなど。中にはシーフードショーの数ある展示の中で僕らのサービスと出会えたことが一番の収穫だったと言ってくださった生産者さんもいらっしゃいました。感動です。ありがとうございます。

僕が来場者の生産者の方にお話ししたのは以下のようなお話で、これがもう気持ちいいくらい刺さりました。

生産者さんにお話したこと

「生産データをもっと活用したい」。2年前、宮崎の生産者さんに相談されたんです。送られてきたのは1冊のノート。何が書いてあるかすらわからなくてスキャンとって確認したのがスタートでした。しかもExcelにしても、何を分析すればいいのかわからなくて…御社も紙でデータ管理してませんか?転記も大変だし、たまるし、分析も難しいし…そういう養殖現場のためのソフトなんです。

特徴は3つです。①スマホ完結②使いやすい③利益が残せる

①スマホ完結

データ管理を簡単にするための一丁目一番地はデータのデジタル化です。生産に必要なものは全部スマホに詰め込みました。現場作業の合間の数十秒で記録は終わります。紙と変わりません。スマホに変えるだけでデータ管理の業務効率が上がります。もういちいちExcelに再入力しなくていいんです。

②使いやすい

でもExcelをピンチアウトするとか嫌ですよね。使いにくいものを現場で使うのは嫌ですよね。使いやすさって一歩先のやりたいことがどれだけ簡単にできるかってことだと思うんです。たとえば餌やり。エサやりの後ってなんの記録を付けたいですか?へい死の記録を付けたいこともあれば、1週間分の餌やりの記録を付けたいときもありますよね?隣りの生簀に移動するときもありますね。それ全部迷わず最短でいけます。「慣れたら使える」んじゃなくて「初めてでもストレスなく使える」サービスにしてます。

エサやりの画面

③利益が残せる

こういう使いやすさの話をすると必ず「現場の人が続けてくれるかわからない」って言われるんですよ。それって面倒で要らない業務って内心どこかで思ってるってことなんですよね。そもそも生産データを何のために記録するのかというと、利益を残すためです。養殖は事業です。儲からないと拡大もできないし、人も雇えません。世代交代もできません。そして養殖は生簀ごとの群管理。つまり生簀ごとに利益が残るなら、必ず養殖事業は黒字になるはずです。そうですよね?

販売はkg単価×重量で計算するんだから、生簀ごとに原価/kgが把握できれば、粗利が残るかも考えやすいはずです。粗利が残るなら給餌して成長を促せばいいし、逆に粗利が残らないなら早く手仕舞いした方がいいですよね。

今までの養殖経営は多分にブラックボックスでした。種苗を池入して2年後に初めて黒字か赤字かわかる。事業運営が安定しないのは当然です。でもエサ代は上がっているし、これからも下がる見立ては立てづらい。だったら健康診断が絶対に必要です。このサービスを使えば、毎月生簀ごとの原価を確認して、出荷サイズや出荷時期、出荷尾数、生産計画を調整できます。

計算は任せてください。裏側で全部自動でやります。分養しても統合しても全部再計算しています。エサごとの単価も反映します。もはや計算ボタンを押す必要すらありません。月末時点で原価を計算して、勝手にグラフも描いてお渡しします、生簀ごとに

水温やDOなどを測るセンサー、体長を測るカメラ、自動給餌器。全部将来的には連携したいと思っています。データを扱う司令塔が今の養殖現場には必要だと僕は思ってます。データはある程度溜めないといけません。一日でも早くつけ始めた方がいいです。

β版で方針転換してよかった

実はこんな訴求はβ版開始時ではほとんどできませんでした。現場にもっていかないタブレットでしか使えないソフト。スマホの機能は限定的。一部の導線はあっちこっち行かされて使いづらい。グラフは給餌量やへい死数をただただ集計しただけで、そこから何の意味も見いだせない。当時の僕は自信を持っていたけど、今思えば、それが僕らのβ版のリアルな姿でした。

開発はだいぶ振り出しに戻ったし、リリースも間に合わなくなったし、物量も圧倒的に多くなりました。それでも生産者さんの話を聞き、使い方や行動に慎重に目を配っていて現場の役に立つことを一番大事にして開発を進めてきました。

引き合い多くて、お時間いただいてます

ありがたいことに、興味がある、デモを使いたいと言っていただいている方が事前の想定よりもかなり多く、デモのご案内にお時間を頂いています。お待たせしてしまい申し訳ないのですが、順番にご案内させてください。受付は今のところまだ止めていないので、興味を持っていただいた方はお早めに無料のデモにお申込みいただけると嬉しいです。

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