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播磨灘の魚【その11】

私の住む兵庫県は、南に瀬戸内海北に日本海と2つの海に挟まれています。距離がかなりありますが、瀬戸内海と日本海の異なる海の幸を楽しむことができます。また、南の瀬戸内海も淡路島を境に、東の大阪湾と西の播磨灘に分かれています。戦国時代には有名な武将が活躍したことから、定期的に大河ドラマに登場します。あまりに近いので最近は訪れていなかったのですが、先日久しぶりに地元の漁港の即売所に行ったので、少し紹介します。

まえどれ市場

坊勢漁協協同組合の即売所である”姫路まえどれ市場”に行ってきました。”坊勢”という名前ですが、播磨灘の西北部にある家島諸島の中の島の1つです。人口は本島の家島が一番多いのですが、漁獲高が兵庫県でトップクラスの漁場を有しています。ちなみに、2006年から家島諸島は姫路市になっています。
新型コロナウイルスの流行が始まる前までは、地元で珍しく活魚を取り扱っている場所であることから定期的に通っていました。しかし、感染症の流行で飲食店などに制限がかかっていた時は開いなかったのですが、今年に入ってからSNSなどでイベントの情報が流れていたので久々に行くことにしました。あと、まえどれ市場のとなりに”天晴水産”というお店もあり、坊勢の海でとれた活魚やお刺身、佃煮などの加工食品が売られています。まえどれ市場が閉まっている間、お世話になっていました。よろしければ、こちらにも魚を買いに行ってみてください。

おすすめの魚

おすすめの魚はたくさんあってしぼりきれませんが、瀬戸内海に面していない県の方におすすめしたいのは、アナゴです。焼き穴子はさっぱりとした脂がタレとよくあっていますし、骨を油で揚げた骨せんべいも美味しいです。また、夏であればハモもよいです。
姫路という人口が多く、観光地としても有名な都市の市場ですから、良いものがそろっています。買いに来る人が多いので私がターゲットにしている地魚(未利用魚)は少ないです。とはいっても、5,6千円のヒラメが入れてある活魚売り場の生簀の端には、セトダイ, アイナメ, ソイが2,3匹ずつ入ったカゴがありました。時期によっては、アイゴなどもおいてあります。また、カサゴやメバルは大量に置いてあり、1匹100円台くらいから購入できます。

魚を買いに行った日は不漁だったのかどれも以前よりも割高でした。

アイナメ?クジメ?

坊勢の魚は、以前にたくさん調べたので今回はクジメだけ購入しました。余談ですが、この日は岡山の五味の市赤穂の鮮魚売り場にいったのですが、ほとんど魚がありませんでした。どうやら、不漁だったようです。そのため、クジメ以外ほとんど魚がいなかったという方が正確かもしれません。
また、クジメが属するアイナメ属の魚からはProsomicrocotyla gotoiという単生類がいることから、今回もとれるのではないかと楽しみにしていました。残念ながら、エラからは寄生虫が得られなかったのですが、家で食べるために持ち帰った者から筋肉中にたくさん寄生虫のようなものがいたと連絡がありました。形状的に吸虫のメタセルカリア(休眠中の幼虫で魚の筋肉中にひそんで、宿主が大型の魚や鳥に食べられるのを待っている状態)ではないかと思うのですが、確実なことはわかりません。アイナメの筋肉中からリリアトレア属吸虫のメタセルカリアがいるという報告があるのですが、リリアトレア属吸虫の特徴である黒く見える部分がなかったです。ちなみに、寄生虫をのけて食べたそうです。

アイナメという名前で売られていましたが、調べてみたらクジメでした。ぱっと見で区別しにくいですからね。

最後に、購入した魚から寄生虫がでてきたことを書きましたが、ここで売られている魚が悪いと言っているわけではありません。天然の魚をあつかっているからこそ起きることです。私の場合は、吸虫を見つけられたことをラッキーだと思っていますが、もし自分が購入した魚から寄生虫がでてきて不安になったのでしたら、購入したお店に問い合わせてください。


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