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中国大返し【その10】

個人的な希望もあり、今回は山口県に行ってきました。関門海峡の魚が手に入ると思い、唐戸市場に行ったのですが、お寿司に海鮮丼に加えてフグと観光客向けの市場でした。昨年に引き続き制限のない連休ということで、2年前であれば考えられないくらいの人混みでした。そのため、早々に唐戸市場を後にし、道の駅を中心に山口県の魚を購入してきました。ちなみに、今回は魚の写真を撮影し忘れるというミスを犯しています。

道の駅 潮彩市場防府

潮彩市場は、三田尻漁港の隣に位置する道の駅です。鮮魚売り場や地元の野菜、お寿司屋さんや乾物屋など多くのお店がありました。ちゃんと食べたわけではないのですが、唐戸市場で長時間並んで食べるよりも、ここでゆっくり味わった方が気楽なような気がします。ここの鮮魚店で、コノシロと“カサゴ”を購入しました。コノシロはこれまで解剖したことがなかったのが購入した理由ですが、“カサゴ”を購入したのには理由があります。カサゴは特に珍しい魚ではありません。しかし、ここの市場で売られていたカサゴはピンク色で、私たちがいつも釣りなどで採集しているカサゴと色が全く異なっていました。正直、寄生虫よりも魚の種類が気になっての購入でした。
検索図鑑などで種同定をしてみたところ、カサゴとして売られていた魚は、“ウッカリカサゴ”と“アヤメカサゴ”でした。どちらも、深いところに住んでいるカサゴ属魚類でよく似ています。また、別の道の駅で私がいつも“カサゴ”と呼んでいる魚が“メバル”で売られていたので、地域的な俗称の違いでしょうか?
ちなみに、コノシロは5,6匹で700円、カサゴは15cmくらいのものが7,8匹で700円でした。

表紙の魚屋産もここの一部です。また、近くに地方卸売市場もあります。
ちゃんとした写真がありません。一応、これはウッカリカサゴです。

道の駅 ソレーネ周南

この道の駅には昼食を食べるために寄りましたが、直営所で魚が売られていました。しかも、口からウオノエが顔を覗かせているカイワリを購入しました。見るからに天然の魚でした。6匹で330円と格安だったので買ってしまいました。
昼食ではイシダイの海鮮丼をいただいたのですが、イシダイを食べたのは初めてでした。美味しかったのですが、カサゴの件といい、魚に対する文化の違いを感じる調査でした。あと、こどもの日ということもあり、こいのぼりが楽しそうに泳いでいました。

直売所の近くに川を臨むベンチがあったので、そこで昼食をとりました。天気が悪かったのが残念でした。

検査結果

ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、コノシロのいずれにも寄生虫はいませんでした。このあと、検査した魚を美味しく頂いたので、寄生虫がいなかった原因が、鮮度が低いことではありません。もともと、これらの魚のエラには寄生虫がいないのでしょう。もう少し検査する時間があれば、内臓や筋肉中も検査できたのですが。一方、カイワリからはウオノエがたくさん出てきました。ウオノエは基本的に、オスとメスが1ペアで寄生するのですが、ある魚の口から3匹のウオノエが出てきたのは驚きました。

こんな感じで3匹いました。

おまけ

今回の調査では、寄生虫をほとんど得られなかったので従来なら失敗なのですが、もう1つ目的があり、そちらは楽しめたのでよい調査になりました。このもう1つの目的というのは、フェリーに乗るというものです。私は日本の北にある旧帝国大学の水産学部の出身で、大学時代は実習船にも乗っていました。ただ、実習船への乗船は授業の一環でのるため、船内では実験をしたり、船員さんの仕事を手伝ったりとやることがたくさんありました。その時に、「いつかお客さんとして、ゆっくり船に乗りたい」という思いがあり、最近視聴していた旅系の動画でフェリーで過ごす様子が紹介されているのを見て昔の思いを思い出しました。
このような理由で、阪九フェリーで神戸から新門司港の船旅を調査の行程にいれたのですが、私は乗り物にめっぽう弱く、実習船でも船酔いがクラスで一番ひどかったです。今回も船酔いが心配でしたが、航路が瀬戸内海だけということもあり、大浴場や食事など楽しむことができました。あとは、電波の入りが悪いのでソフトなデジタルデトックスができたのもよかったです。

桟橋からの写真
エントランスです。まだ、ここでの飲食は自粛してほしいとのことでした。
東は神戸・大阪、西は九州各地のお土産や、タオルや歯ブラシのトラベルセットまで売られていました。クレジットカードつかえたのは助かった!
シングルルームを予約しました。携帯の電波は入らないのですが、テレビを見ることは可能です。結構過ごしやすかったです。
大浴場でお風呂に入ったのち、食堂でダチョウのたたきをいただきました。鳥というよりは牛に近かったです。とても美味しくいただきました。


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