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「脂肪燃焼のためには有酸素運動を30分間し続けないとダメ」はウソ!もっと短い時間でも大丈夫です!

「脂肪を燃焼させるスイッチを入れるには、20分~30分間走り続けないと効果が出てこない」と思っていませんか?実は、もっと短い時間でも脂肪は燃焼されます!

1.結論

ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を30分間走り続けないと脂肪燃焼が始まらないと言われていますが、実際は20分や30分も走り続ける必要はなく、3分間という短い時間でも脂肪燃焼はされると報告されています。

「3分間、有酸素運動をして30分休む。そしてまた3分間走る」を繰り返す運動でも、脂肪燃焼の効果はあるので、「体力に自信が無い」「ずっと走り続けるのはしんどい」という方は、20分や30分間走り続けずに、「少し走って休む」を繰り返す有酸素運動をした方が、運動に対する習慣が付き、長続きするかと思います。

2.脂肪の燃焼と代謝について

体脂肪が燃焼されるには、大まかに3つの過程を経ます。

①まず、身体に蓄えられている体脂肪は、エネルギーが必要になったときに脂肪酸へと分解されます。

②体脂肪が脂肪酸へと分解されたら、この脂肪酸は血流に乗ってエネルギーが必要な筋肉や内臓などの組織へと運ばれていきます。

③組織に運ばれた脂肪酸は、その組織を活動させるためのエネルギー源として燃焼されます。この時にやっと、体脂肪が燃焼されたということになります。

運動をしないと体脂肪の代謝が始まらないと思っている方がいらっしゃると思いますが、体脂肪の代謝は分解と合が絶え間なく、常に起こっています。

寝転んだり座ったりしている安静時の場合でも、体脂肪は常に分解と合成の代謝を繰り返していて、血液中や筋肉の中の脂肪酸は安静時でも燃焼されています。

しかし、安静時に体脂肪が脂肪酸へと分解されたとしても、各組織でエネルギーとして必要でなければ、脂肪酸は再び体脂肪へと合成されて身体に蓄えられます。

よってダイエットの場合、有酸素運動は身体をエネルギー不足にさせて脂肪酸を燃焼させるように促進する1つのツールであると言えるでしょう。

3.3分間でも脂肪は燃焼される

「脂肪が燃焼されるスイッチを入れるためにはジョギングやウォーキングを20分~30分間走り続けないと効果が出てこない!」ということを耳にしたことがあると思いますが、これは間違いであり、実際はもっと短い時間でも脂肪の燃焼がされていると報告されています。

健康な状態の青年15人を対象とした実験で、「30分間ウォーキングをし続ける」と「3分間ウォーキングをして、30分間休む。これを10回繰り返す」の2つの条件で比較したとき、「血中の脂肪酸の減少の効果は、両方の条件でほとんど変わりがなく、同じ効果があった。」と報告しています。

「3分間ウォーキングをして、30分間休む。これを10回繰り返す」の条件でも脂肪酸が減少したことから、無理に30分間も走り続けなくても、3分間という短い時間で休憩を挟みながらでも脂肪は燃焼されるということが分かります。

この実験は「有酸素運動のやり方や時間が血液中の脂肪酸にどのような影響を与えるのか?」を焦点に当てた実験なので、信頼性は高いものであると捉えることができるでしょう。

4.まとめ

20分~30分間走り続けないと脂肪燃焼のスイッチが入らないという考えは嘘であり、3分間という短い時間でも脂肪が燃焼されるということが分かりました。

運動嫌いな方や、有酸素運動があまり好きではないけど、もう少し脂肪を落としたいという方がジョギングやウォーキングをするときには、「短い時間動いて休む」の動作を繰り返す有酸素運動の方法のほうが身体的にも精神的にも負担が少なくて済み、長続きすることができるかと思います。

ただし、速度にもよりますが、「1回だけ3分間有酸素運動をして終わり!」だけでは運動量が少ないと思いますので、ある程度の回数の「走って休憩」を繰り返した方がいいかと思います。

マラソンを走る方や持久力を付けたいという方においては、もちろん連続した時間で比較的長い距離を走った方が持久力は付くので、ちょこちょこ休憩を入れずに連続して走ることを勧めます。


【参考文献】
・American Journal of Clinical Nutrition
https://academic.oup.com/ajcn/article/88/5/1225/4649037
 “Accumulating short bouts of brisk walking reduces postprandial plasma triacylglycerol concentrations and resting blood pressure in healthy young men”


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