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Episode 2_Brochure of JTB
あの映画の日の後、
私は当時プロポーズしてくれていた人を断って、あなたと付き合うことにした。
なぜあなたを選んだのか
背が高くて顔が綺麗だったからかな
良く鍛えられた筋肉質な体が安心するからかな話が面白くて笑わせてくれるからかな
決め手はやっぱり
あの日伝わってきた、あなたの急速な心臓の鼓動だったと思う
あれは
好きな人と一緒に居るときのドキドキだと思った
あれは
偽ることのできない、本物の
Episode 1 記念日
この世界で私しか覚えていない
2人の記念日
全てが始まったあの暑い夏の日
私は26才だった
あなたは41才、同じ職場の上司だった
直属ではないから普段仕事は一緒にしないし、評価される関係性でもないから、それまでは軽い気持ちで何度かランチしたりした
あの日は初めてのディナーで、なぜか映画まで観てしまった
タイトルはもう憶えていない
ただ、観終わった頃にはもう夜遅い時間になっていて、帰る前に、
prologue_hello
深夜1時、独りの部屋でアデルのHelloを流す。
ずいぶん前から知っていた曲だけど、今この状況になって聞くと、歌詞の一言一言に思いが重なる。
今までなら、連絡が途絶えてから何日目かの夜に必ず私から電話をしていた。数年前なら怒りで寂しさを隠して電話はいつもケンカで始まっていたが、最後の何回かは、小さな声で普通に話をするだけになっていた。責めるわけでも、詰るわけでもない。ただ、小さな声で、元気?ど