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怪我をしにくいフォームとは?走りに必要な筋力とは?にアスレティックトレーナーが回答します

こんにちは、アスレティックトレーナーの御供です。
質問募集、たくさんの質問をありがとうございます!
走って練習をすると痛みや違和感を抱えがちな方に多く質問される、そもそも怪我をしにくいフォームとは?どんな筋力をつければいいの?という問題に対して私たち身体の専門家視点での回答をしていきます。

『走り』に関わる怪我は、瞬間的に大きな力を発揮することで起きやすい肉離れや、慢性的な負荷が重なることで発生する疲労骨折やシンスプリント、腸脛靭帯などの炎症などが挙げられます。

実際、マラソン大会に参加するランナーを対象に障害発生率を調べた研究では、北海道マラソンに参加した男性ランナーの40%が『痛みあり』と答えており、膝の障害が一番多く発生していることが、参加者へのアンケートによりわかっています。

また、走る動作は片足ジャンプの連続であり、片足には体重の3〜5倍の負荷がかかると言われています。その為、自分の体重よりも大きな負荷を支えることができる身体の土台を作ることが必要になります。
ただ、トレーニングだけをして筋力をつけて土台を作るだけでなく、走りの中での姿勢の特徴も把握した上でトレーニングをすることが重要です。そうしないと、悪い姿勢や使い方を助長し怪我のリスクにもつながります。
今回は静的なアライメント(立位姿勢)動的なアライメント(走動作)の見方を解説していきます。

A,立位姿勢の確認をする

例えば、立位で立っている際に足部のアーチが低下していたり、反り腰のような姿勢で立っていて、姿勢を保つだけで前ももが過剰な緊張をしていたり、動かす前の体が整っているかは確認しておきたいポイントになります。
走りのフォームだけに目が行きがちですが、立位姿勢も同様に重要です。身体を動かす時に、積み木がズレたままでは、ズレた動きしかできずに、結果として怪我しやすいフォームにつながる原因になります。
例えば、立位姿勢時に足部のアーチが低下しているような足部のアライメントの方は、地面を蹴る際に不良な運動連鎖になり、膝が内や外にに入りやすくなったりします。(図1)

図1

静的なアライメントは身体のさまざまな箇所を評価する必要があるのですが、『走る』際に気になりやすいアキレス腱の痛みや、シンスプリントなどのランニング障害との関連のあるFPI-6とういう評価方法から、分かりやすいものを2つ紹介します。本来のFPI-6では6つ項目を評価し、それぞれ−2点〜+2点の点数をつけ評価します。−の点数が多いとハイアーチ、+の点数が多いと扁平足と評価をすることができます。6つの評価項目はこちらのURLからご確認ください。

https://www.physio-pedia.com/Foot_Posture_Index_(FP1-6)

まずは、後ろから自分の足部の写真を撮ってみましょう。
①踵骨の前額面状の位置
こちらの評価でわかることは踵の傾き具合になります。
踵の傾く方向が内側、垂直、外側のどちらに強いかを評価します。
内側に踵が倒れすぎている場合(扁平足)
外側に踵が倒れすぎている場合(ハイアーチ)と考えることができます。

踵骨が内側に倒れている(-2点)
踵骨が垂直(0点)


②後足部に対する前足部の内外転 
こちらの評価では、踵に対する前足部の位置関係を評価することができます。
小趾がはっきり見える場合(扁平足)
母趾がはっきり見える場合(ハイアーチ)と考えることができます。

外側のつま先がはっきり見える(+2点)
内側と外側が同じように見える(0点)

これらの評価方法通して、足部のアライメントを確認し、
扁平足の方は足部の内在筋のトレーニングをして足部のアーチを確保したり、
ハイアーチの方は、足底の筋緊張が過度にならないようにケアをするなどして、足部のアライメントを整え、走動作にエラー出ないようにしていきましょう。

B,走動作の評価→トレーニング

走ってる際に見たい怪我のリスクを見るためのポイントは前から、後ろからの視点も大切になります。写真や動画で見返すことができる現在、横からのフォームは確認できることが多いような印象があります。

怪我をしにくいフォームを考える時にはぜひ、前から後ろからも動画で撮ってみてください。

膝の位置や、肩の位置、足の裏の見え方などから自分の体がどのように動いているか横から見るよりも、多くの情報を得ることができます。
実際に、Aの図1にあるような、不良フォームであるknee-in&toe-outやtoe-out&knee-inは正面から見ることで確認することができます。今回は、それぞれの不良フォームになってしまう方に必要なトレーニングを紹介していきます。

①knee-in&toe-outしてしまう
膝が内に入ってしまう方は殿部の外側のトレーニングをおすすめします。
走る際に足が地面が固定されている中で外転筋力を発揮したいので、足部が地面についた状態でトレーニングを行います。
足部の荷重も親指や小指に偏りすぎないように、注意しながら行いましょう。


②knee-out&toe-in
膝が開いてしまう方は、内転筋のトレーニングをおすすめします。
普段のスクワットをワイドに変えてみるだけでも内転筋を使うことができます。

また、膝が開かないように安定を作るようなトレーニングをすることも大切になります。


今回は怪我をしにくいフォームのつながる足部の静的アライメントの評価と、ランニングフォームに着目して、noteの方にまとめてみました。
『怪我をしにくいフォームの獲得=走りのフォームを変える』
のは大切ですが、走りのフォームを考える前に、普段の自分の姿勢もチェックする必要があることが伝われば幸いです。

これからのマラソンシーズンや、来年のシーズンへ向けて自分の身体と向き合って良い結果残せるように一緒に頑張りましょう!

FIRST TRACK3CLabでは、このような身体の評価から、改善するためのトレーニングまでを一貫して行うセッションを行なっています。
学生向けには10月24日にオンラインにて「姿勢改善コンディショニング」を実施予定でいます。

FIRST TRACK 3CLabもオンラインセッションもお気軽にご参加ください。

執筆者:FIRST TRACKアスレティックトレーナー御供ふよか

参考文献:
1) 秋月茜,マラソンランナーにおける障害の発生部位と発生要因の検討,2023,北海道体育学研究,58,1-7
2) 小林寛和,スポーツ動作と安定性-外傷発生に関係するスポーツ動作の特徴から-,2003,関西理学,3,49-57

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