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リポート「自律的なキャリアの築き方」村上臣さん×平田麻莉さん対談 Report by Mai Todagishi

9月4日に開催されたLinkedIn News編集部LIVE! 
今回はリンクトイン日本代表の村上臣さんと、フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんの対談でした。自主リポートとしてポイントを振り返ってみます。
※TOP写真はLinkedin編集部さんページからお借りしています。

今回のテーマ「自律的なキャリアの築き方」について、ご自身もフリーランスのPRとして幅広い活動を通して体現している平田麻莉さん。
社会的立場の弱いフリーランスを支援することで、誰もが自律的にキャリアを築ける社会を目指される、その活動詳細は以下となります。
2017年にフリーランスを支援しつつ、「当事者の声を行政に届ける」ことを目的に協会設立。
フリーランスが直面する課題をアンケート調査などで明らかにしながら、政府への政策提言・メディアを通じた社会への問題提起などを実施。
また、賠償責任保障と所得補償などの保険と福利厚生サービスとを組み合わせた「ベネフィットプラン」も提供。

今回のお話を聞いて、男女問わず自身の将来を考える上で、物ごとの見方や考え方が変わるキカッケが凝縮されていたと感じます。その内容を以下から掴んで頂ければ幸いです。

●フリーランス協会とは

平田麻莉さんが代表理事を務められるフリーランス協会は、2017年設立。
その設立のキッカケは、ご自身が出産・子育ても並行しつつ長い期間続けられた、
フリーランスという業務委託による柔軟性のある働き方への周囲からの関心の高さを感じる一方での、
いま以上に整っていなかった、社会保障などのセーフティネットに関する疑問にあったそうです。

協会は現在、無料会員が5万人、保険や福利厚生を利用できる有料会員5,000人という大規模なコミュニティーです。その具体的なサポートは、フリーランス環境に関する様々な情報発信やイベントの他に、確定申告や契約書作りのためのツールなどを、お得に使えるプランなども提供されています。
このLIVEの終盤には、「いま、協会に入会しました」というコメントも出るなど、今も拡大中のコミュニティーであることが感じられます。

▼協会のさらに詳しい詳細は下記からご確認いただけます
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
https://www.freelance-jp.org/

●働き方の多様化は日本でどこまで進んだか

海外は起業家やアーティストの地位が高く、その母数も多い。日本は会社員キャリアが是という文化もあり、転職が一般的になったのはつい最近、という点も話題に上りました。
それを踏まえつつ、最近のSNSの活用についての平田さんからの言葉が印象的でした。

今後は、副業や社会活動を通じて、
職務経歴を彩るという視点もアリではないか。

転職歴があればその人の思考や得意領域が見えたり感じられたりするが、
一つしか職歴が書いてないとその人のことを理解しづらい
というか、
「就活生の時に、その業界を志望していたんですね」以上のことがイマイチ分からないな。
という印象を平田さんは持っていたそうです。

これはとても共感する点であり、特にLinkedIn上ではその理想的なモデルケースをいくつも目にすることが出来ます。平田さんもLinkedIn活用をオススメされていました。

かつての「真っ白な履歴書」が美しいとされていた時代から、セルフブランディング視点も持って、変化の機会を活かせるか。履歴書とは、それが問われる書類となりそうです。さらに「オンライン履歴書」とも言われるLinkedInをどう活用するか、常に学び続けなければと感じます。

●フリーランスや副業を取り巻く重要ポイント

今の働き方改革にまつわる議論でも、いくつかの重要ポイントが語られました。

【今の副業は、業務委託が多いという事実】
業務委託という立場は労基法の対象外であり、労働時間について企業は監視する義務も権利もないそうです。これは多くの組織や人事担当者、個人でも誤解がある点かもしれません。
【リモートワークによる生産性向上に必要なもの】
・価値観を共有すること
・メンバーが自律していること
そのために自分や組織が整理するべきこととして・・・
・どういうことが出来るか
・どういう価値が提供できるか
・何を達成できるのか

といった点が、コロナ禍でテレワークが進んでいった今だからこそ、欧米では既に一般化しているジョブ型の推進に向けて日本の社会全体で意識していくべきポイントとされました。

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●自律的なキャリアとは?

終盤で話題に上がった今回のテーマ「自律的なキャリア」について、平田さんは下記のように説明されました。

・自律的なキャリアとは、キャリアの手綱を自分で持つこと
・計画通りにいかないのが人生であり、キャリアはデザインできない
・何が起こっても自分の意志で決め、チャンスに変える主体性をもつこと

たとえ会社員であったとしても
社内のリソースを活用して自分をスキルアップする選択ができている人は、自律したキャリアが作れていると言える。
必ずしも、独立や副業しなくてはいけないのではない。

今は、キャリアデザインの為のHow toが多く語られるなかで、「デザインできない」という視点は新鮮でありつつ、コロナ禍の今はこのメッセージに大きな納得感がありました。

「コロナ禍により世界がフラット化した」という話題の中でも、多くのポイントが語られました。

エリアを問わない機会がフラット化した
オンライン活用で生産性が高まる機会が増えている
情報へのアンテナを張ればチャンスは広がる
アンテナを張れない人はチャンスを掴めない

終盤の参加者の方からの質問は、多くの人が思い悩む点かもしれません。

Q,自分の経験がマーケットに役立つスキルか不安な時には?
平田さん・村上さんからのアドバイス:
自分の所属する企業や組織の外で、価値提供してみる機会をもつこと、LinkedInであれば、社外とのコネクションやグループの活用も、
「自分にとって当たり前のスキルが、他から見てどの位の価値があるのか」
を判断するために役立つ方法となる。

Q,新しいキャリアのための自己投資をどこまで注ぎ込めばよいか?
平田さんからのアドバイス:
一番の投資は「実践」。外部のスクール講座を受講するという方法に限らず、今いる組織の中で今までと違った仕事を受けてみることも方法の1つ。たとえ、給与に見合わなかったりするとしても、学びに繋がる経験として捉えることが大切。


これらのお話を通じて感じたことは、
まさにLinkedIn編集部LIVE!そのものも、新たに生まれた機会の1つだということです。
ここでディスカッションされることの多くは、フリーランスの立場にあるないに関わらず、自分の思考を深めるチャンスに溢れています。

周りにある機会から何を学び、身につけるか、そして価値として提供できるか、考え行動することが自律的なキャリアに繋がると感じています。

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