第三回プレミア12メンバー選考を見て

国際大会が立て続けにやってきている野球。
2024年もプレミア12という大会が行われる。
第三回の期間は2024年11月9日から11月24日まで、世界ランクで12番目までのナショナルチームによる国際大会である。
WBSC主催の大会で、それによりMLBに所属する選手が招集される事は無いが、WBCに次ぐレベルの国際大会となる。チームもアジアや中南米の強豪国が参加するのでハイレベルである。
メジャー契約の選手が参加しないとはいえ、NPB、KBO、CPBLといったアジアのプロリーグに所属する選手は参加するし、メキシカンリーグなどからも当然参加がある。
そして何より、メジャーリーグ傘下のマイナーリーガーは当たり前だが召集可能。というわけで、メジャーリーガーが出ずとも意味のある国際大会となっている。

近年の韓国の実績を知っているか?

突然だがお隣さんの話をしよう。
日本の往年のライバルと言えば韓国。
国際大会で幾度となく対戦し、エピソードに事欠かない。
一方で、近年国際大会で上位進出していない事もご存じだろうか。
2006WBCベスト4、2009WBC準優勝の華々しい実績を皮切りに、これ以降上位を安定して維持するものと思われた。
ただ2013から2017,2023と三大会連続で一次ラウンド敗退。
2021の東京オリンピックでも4位とかつての強豪の姿はない。

そんな韓国だがプレミア12では結果を収めている。第一回(2015)は優勝、第二回(2019)は準優勝とどちらも最後の相手は日本だが、力を見せている。

しかし、韓国の野球レベルは下がっているのが現状だろう。ファン心情も、プレミア12優勝の嬉しさよりも、WBC三大会連続一次ラウンド敗退の苦しみの方が勝る。

今回プレミアのメンバー選考を見て、韓国が弱体化した近年の流れを、日本が辿っているように感じたのでnoteを書いてみた。

共通点

日本と韓国の共通点で思い付いた事を書いていく。
まず人口減少。しゃあない。野球がなんとかできる問題じゃない。
次に極端なリーグバランス。KBO(韓国)であれば打高、NPB(日本)であれば投高。バランスが悪いとその分、選手のレベルも偏ってくる。野球は投打が同じくして活躍しないと勝てないスポーツ。少し心配。
それから世界を代表するリーグであること。NPBもKBOもリーグレベル、市場規模共に高い所にある。国のリーグとして誇りを持てるし、逆に満足してしまう可能性もある。

最後に海外挑戦による国内リーグの空洞化
KBOからメジャー挑戦した選手は、素行が良ければ通用していた姜正浩から数えると李政厚まで8名。同期間NPBからメジャー挑戦した選手は18名いるわけで、一見すると似た数字ではない。問題は、頻度にある。
吉田正尚がBOSと契約した2023年から2024年終了時まで、7人のメジャーリーガーがNPBから誕生した。これは凄いペースであるが、この海外流出が集中した時期に注目したい。

2016年にKBOから金賢洙がメジャー挑戦し、KBOを経ずに海を渡った崔志萬を含めれば2017年までの2年間で韓国は4人の野手が流出している。
KBOで結果を残す野手に価値があった事の裏返しだが、この国外流出が集中した2010年代中盤に、韓国代表は力を落としてしまったのではないか。

2017WBCでソウルラウンド最少得点に終わった韓国代表は決して対岸の火事ではない。
同じ事と考えれば、NPBから多く海を渡っている2023~2024年の時期を経てNPBの野球レベルは大幅に落ち込むことが予想される(NPBを経ずにメジャー挑戦する高校生も増えてきた)。

第三回プレミア12のメンバーについて

そこで、リーグレベルが落ち始めた(仮定)元年の2024年秋に、試金石があるわけである。
第一感はシーズン終わりの選出のため、怪我や疲労による辞退が多い印象。
投手陣は辞退もありつつ各球団のエース級が揃っており、やはりそこは日本の実力。まず打ち込まれることはないだろう。

一方の野手陣は小粒な印象がぬぐえない。
「韓国は投手がねー」と散々言ってきたが「日本は野手がねー」と言われていると容易に想像が出来るクオリティとなった。
WBC2023は他国に劣らぬパワーで制したにもかかわらず、今の侍ジャパン首脳陣はスモールベースボールにそこはかとない憧れがあるようだ。
采配の面は別にして、これで勝てるのか甚だ心配である。

我々ファンが知らぬ実情があるのだとしても、レギュラーとリザーブのレベル差が小さい事がアジア1を維持し続けていた要因でもあるのに、本選考に残ったメンツがこのランクとなるのは寂しいものである。

有力な選手が流出し、投打のバランスの歪さも極まるNPB。
メジャー契約の選手が出場できるWBCであっても、メジャーリーガーでロースター構成出来ないからこそ、国際大会を戦う上で、日本は自国リーグが大切である。

第三回プレミア12は、日本が底力を見せるのか、それとも。

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