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人を動かすことはできない

管理職となり、自分がプレーヤーでなくなってからというもの、人に動いてもらう難しさを痛感していて、自分のリーダーシップの無さや、人間としての器の小ささにがっかりする毎日だ。

部下の動きに対して「自分だったらこうするのに!」とか「何でこんなことに気が回らないんだ!」とか「悩むぐらいなら早く相談してくれよ!」といった感情が先行して勝手にイライラしてしまった後などは自分が情けなく感じて落ち込んでしまう。

プレーヤーとマネージャーに求められる能力は全くもって違うということを身をもって感じている。

僕の理想のリーダー像は厳しいながらもチームを明るく導き、部下を信じて仕事をどんどん任せていく懐の深い人物であるはずなのに、「自分はこうやって来たんだからあなた達も同じようにしなさい」という気持ちが根本にあるということだ。

そんな理想と現実に悶々とする中で読んだ本に気持ちを切り替えるきっかけをもらえた。
梅田悟司さんの『「言葉にできる」は武器になる』という本の中の言葉にだ。

『人を動かすことは不可能であり、動きたい気分や空気をつくることしかないと胸に刻むことである。
人間は一人ひとり、同じだけの感情を抱えて生きている。自分がそうであるように、相手も気持ちが動かない限り、動いてもらうことはできない。
そのためにできることは、上辺ではなく、その人の立場になりきって言葉を投げかけることである。
こうした言葉を受け取ることで、はじめて人は情報に価値を感じ、興味を持つことになる。
サン=テグジュペリが説いたように、自分が行いたいことや、やらせたいことを命令するのではなく、人の心をワクワクさせたり、ときめかせるしかないのだ。』

先入観を持たず、相手の価値観に寄り添い、心をときめかせられる、そんなリーダーになりたい。